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この一人称スタイルは、
かなり勇気のいる決断だったと思う。
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「私は、マリア・カラス」72点★★★★
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名前だけは誰もが知っている
比類なきオペラ歌手、マリア・カラスのドキュメンタリー。
トム・ヴォルフ監督は5年にわたるリサーチで
大勢の人に取材をし、素材を集めたそうです。
しかし
そうした関係者の証言インタビューは一切使わず
本人のインタビュー映像や未完の自伝、手紙の朗読
(女優ファニー・アルダンによるこの朗読がまた素晴らしい!)という、
一人称スタイルで、この映画をまとめた。
それが、実に潔く、効果的なんですね。
オペラ悲劇も顔負けな波乱の人生を送ったマリア・カラス。
スキャンダルや公演キャンセルなどでマスコミに叩かれもした彼女が
「どういう人だったのか」。
それが、この方法によって自然に感じとれる。
インタビューに実に正直に答える様子、
常に傍らに犬がいる動物好きな素顔、
オナシス氏への一途な愛と、それ故に、裏切られたときの失望――
世紀のディーバを身近な「人」として、感じられるのが
この映画のおもしろさなんです。
もちろん
プライベート映像も含め、歌唱の映像もたっぷりで
その歌声の変遷もよくわかる。
それにしても稀代のモテ男・オナシス氏にインタビューしてみたくなりましたよ。
「なぜ、あのときジャッキーを選んだのですか?」って。
なので、その質問を来週発売の「AERA」12/24発売号でインタビューさせていただいた
トム・ヴォルフ監督にぶつけてみました。
その答えは?
ぜひ、誌面をご覧ください~
★12/21(金)から全国で公開。
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