
外国人が日本で映画を撮ると、大抵失敗するけど

これは成功例すね。

「ライク・サムワン・イン・ラブ」73点★★★★




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夜の新宿。



賑やかなバーにいる明子(高梨臨)

電話で呼び出され、タクシーである場所に向かう。


着いた先は、
80歳を超えたタカシ(奥野匡)の部屋。

どうやらこれは彼女の仕事らしい。


タカシは明子を亡妻に似ていると言う。
翌朝、タカシが車で明子を大学に送ってやると、
そこに
明子の婚約者だという男(加瀬亮)が現れて――?!

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「友だちのうちはどこ?」、最近では「トスカーナの贋作」で知られる
イランのアッバス・キアロスタミ監督が、
日本人俳優を使い


おそらく、会話や翻訳に
さほど干渉していないのでしょう、
役者の演技もセリフも自然で見やすかったですね。

しかし
登場人物たちの素性や関係性がまったく不明なまま、
会話と物語がどんどん進むので

どこか人物たちが「プレイ」しているような、
まあもともと演技なんだけど、
そのなかでまた嘘っこのプレイをしているような?

不思議なフェイク感覚がある。

そこらへん前作「トスカーナの贋作」に通じてる感じなんですが、
まあ
最初はワケわからず、ちょっと退屈したりして。

しかしこれが
気づくとズブズブとその世界に引きずりこまれており、
「えっ?終わっちゃった?

典型的な麻薬ムービーでした(笑)。


人をくったような終わりかたも、たまりません。

主演の奥田氏の、
一拍置いたリズムが落ち着くし、
彼が住む“昭和の匂いプンプンなインテリの部屋”にもグッとくる。

さらに
そんなゆっくりしたムードを一変させる
加瀬亮がいい。


彼の登場で、場が一気に「芝居」に転換しましたね。
なかなか見事でした。
こういう役もイケるなあ。


★9/15(土)から渋谷ユーロスペースほか全順次公開。
「ライク・サムワン・イン・ラブ」公式サイト
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