ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

あの頃。

2021-02-19 23:36:53 | あ行

今泉力哉監督の最高作!

 

「あの頃。」79点★★★★

 

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2004年、大阪。

劔(つるぎ=松坂桃李)は

うだつのあがらない日々を送る青年。

 

ある日、友人から「これ見て元気出しや」と渡されたDVDを

ぼんやり再生すると

そこに映ったのは「♡桃色片想い♡」を歌うアイドル・松浦亜弥の姿だった。

 

思わず画面に釘付けになった劔は

近所のレコード店に駆け込み

「ハロー!プロジェクト」のイベント告知を知る。

 

そして、趣味を同じくする仲間たちと出会うのだが――?!

 

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「愛がなんだ」(19年)「his」(20年)などで

勢いのある今泉力哉監督が

かつて「神聖かまってちゃん」などのマネジメントを担当していた

劔 樹人氏(1979年生まれ)の自伝コミックエッセイを映画化。

 

原作は知らなかったし、世代もほぼ10年違うけれど

当時のあややのキラキラ

モー娘。の勢いを知る世代として

あの時代と空気のビビッドな再生に

ものすごーくハマってしまったw

 

 

灰色にモヤった日々に射し込んだ、桃色のあややの元気パワーに

主人公がガツンとくらった感じが、よくわかるし

 

対象がなんであれ、どんな世代にも

なにかに夢中になった「あの頃」をしょっぱく、切なく

思い出させると思う。

 

それに女子にとっては

どんなに仲良くても、もうひとつ入ることができず不可解だった

男子の「かたまり」(=椎名誠さんの奥さま・渡辺一枝さんがおっしゃっていた言葉ですごくしっくりくる。笑)の

なんだかわからないけどちょっとうらやましい生態が

リアルに描かれていて、おもしろかったっす。

 

“中学10年生男子”という彼らの日々を観ながら

なんだか、全員をギュッとしてあげたくなってしまいました。

――いや、してほしくないのは、わかっとんですが(笑)

 

 

アニメやゲームに詳しく「ヲタク」と自認する松坂桃李氏が

まさに適任!だし(笑)

 

若い衆のちょっと先輩役を演じる

芹澤興人さんが、すげー存在感でした。

 

★2/19(金)から全国で公開。

「あの頃。」公式サイト


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