原作もすごくいいです。
「劇場」70点★★★★
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永田(山﨑賢人)は、その日ボロボロだった。
劇作家を目指す彼は
劇団「おろか」を立ち上げ、脚本と演出を手がけているが
上演のたびに酷評され、客足は伸びない。
だが誰の助言も聞かず、尊大な態度を取る永田は
劇団員にも見放され、劇団は解散寸前だった。
いつまでもつだろうか。劇団も、自分の「才能」を信じ続けることも。
――さすがにヘコみかけていたそのとき、
永田は街で
咲希(松岡茉優)を見かけ、声をかける。
そして二人は付き合うようになるのだが――?!
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又吉直樹氏原作×行定勲監督。
才能や自分の限界をのらりくらりとごまかし
自意識だけは過剰で、自己チューで
人のことなど思いやれない。
そんなどうしようもない男と、それを甘やかす優しい女の話で
――って書いてても
痛い痛い!というか(苦笑)
誰にでも、どこか思い当たる
恋愛でやらかす身勝手や、相手への依存。
かなわない才能への嫉妬や焦り。
「自分」を直視できず、逃げ回ったり。
そんなグズグズに、えらく正面から向き合った作品だなあと。
実際、最初は
主人公・永田を見てるのがしんどいんですわ(苦笑)
こんなやつに付き合う、カノジョもカノジョだ!
咲希ちゃん、こんなやつ、とっととほかしたれ!とイライラする(苦笑)
しかし
演じる二人の、役への「情」の込めかたが巧みで
観ながらだんだん引きずられていく。
切ない気持ちになっていく。
この二人は
どちらが、どちらに、ではない。
互いにしがみついていたんだ――って。
それに恋愛話だけでなく、ジクジクとくるのが
特に表現者において避けられない「才能」という鬼門を
ほじって描いてるところなんですよね。
『火花』もそうだけど
おそらく自分にとっても一番痛いところを掘っていく又吉氏は
すごいと思う。
ということで
「AERA」にて又吉直樹さん×山﨑賢人さんの対談をさせていただいてます。
やっぱり聞きたかったのは、そこで
ほじくって聞いてます(笑)
AERAdot.でも読むことができますので
映画と併せて、ぜひご一読くださいませ!
★近日公開。
※公開情報は公式サイト、劇場情報をチェックしてください。
よきタイミングでご鑑賞いただけることを願っています。
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