不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ビル・エヴァンス タイム・リメンバード

2019-04-30 21:38:36 | は行

ワシすらもCD持ってる

ジャズピアニストのドキュメンタリー。

 

*************************************

 

「ビル・エヴァンス タイム・リメンバード」69点★★★★

 

 *************************************

 

音楽に疎いワシすらもCD持ってる

名ジャズピアニストのドキュメンタリー。

 

本人肉声のインタビューと周囲の人々の証言で綴られ、

作りはオーソドックスなんですが

ワシはその人生に、こんなにも悲劇があるとは知らず

驚きました。

 

幼いころからクラシックを学び

20歳そこそこでプロの道に進んだ彼の音楽は

誰もが「美しい!」と絶賛するほど

本当に、哀愁と叙情に溢れるというか

繊細で哀しげで、美しい。

 

 

しかし、そんな音楽を生み出した本人は

相当な麻薬常用者でもあり

人間関係にもかなり冷徹だったらしい。

 

結婚するも、浮気をし、

妻に別れを切り出したところ、

彼女がショックで列車に飛び込み自殺(!)

 

が、本人はその2ヶ月後に再婚するという

けっこうな人ぶり。

 

その後、子をなして、やっと幸せに・・・・・・かと思うと、

再び麻薬をやりはじめ、

さらに一心同体だった兄も自殺。

 

そして

本人も死を望んだとしか思えぬほど

大量の麻薬を摂取し続けた――。

 

 

音楽の神に魅入られた才能の代償とは

こういうのもなのか、と

思わずにいられない。

 

 

でも、それを知ったとて

彼の音楽の美しさ、深さはまったく変わらないんですけどね。

 

劇中でインタビューに答えるトニー・ベネットが

ビル・エヴァンスに言われたという言葉があるんです。

 

「美と真実だけ追究しろ。あとは全て忘れろ」

――この言葉が、彼の人生、思いのすべてなんだなあと。

 

平成最後のスーパー黄金週間、

美しい音楽にじっくり浸るのもまた良し、ですな。

 

★4/27(土)からアップリンク渋谷・吉祥寺、角川シネマ有楽町、横浜シネマリンほか全国順次公開。

 

「ビル・エヴァンス タイム・リメンバード」公式サイト

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 山懐に抱かれて | トップ | 誰がために憲法はある »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

は行」カテゴリの最新記事