25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

人類の未来

2018年10月20日 | 文学 思想
 iPS細胞による治療、免疫療法、ゲノム編集。癌も撲滅に近く、病気のほとんどのものが克服され、そのうえに若返りの薬および治療も実現可能になりつつある。人間は神のように全知全能ではなく、無知であり、知の力を信じることになった。実は知の力は神の力でもあったはずだから、産業革命から始まる科学革命は宗教からの脱出でもあった。この科学革命は物理、化学、数学、生物、あらゆる分野に及び、2035年あたりで現在起きつつある第四次革命の頂点が来ようとしている。
 人類はどうなっていくのか。この質問に明確に答えられるには、次の問題の解決式がなければならない。
 人間の関係が作り出す理想の集団とは何か。国家も含め、当然政党も含め、ありとあらゆる集団が人を殺さず、平和裡に個人が存在できる。そんな集団とはどんな集団なのか。

 この問と答こそが人類の先を見通す鍵である。この問が解けないかぎり人類はいつも絶滅の可能性を持って生きるにちがいないし、あらゆる知的発明は殺すための武器ともなろう。<知>を支配する者と支配される者もでてくる未来は想像がつく。

 ぼくなどは戦争にも行かなくてもよい時代に生まれ、豊かになることが当然のような時代の中で生きてきた。自分個人を考えてみれば、百円相乗りタクシーや相乗り白タクの規制緩和してくれて、どこででも乗り降りできればいいや、と現実ではこのくらいの不平をもつくらいである。それもやがて実現されるだろう。
 高橋洋一が日本のもつ資産が1000兆円で、さらに日銀に450兆円あり、借金は1450兆円だと言って芸人がだまされようと、安倍首相に森かけ問題がつきまとおうと、片山さつきがだれかのために口利きしようがすまいが、紀伊半島の三方が山崎で一方が海の猫のひたいほどの土地で暮らすぼくには現実的に切実感のあることではない。
 しかし科学を哲学として考えれば、先の問題は切実なのである。知的興奮もある。なぞなぞを解きたいとも思う。