=118 ~木の因数分解~(家具工房つなぎブログ)

南房総でサクラの家具を作っています。ショールーム&カフェに遊びにおいでください。

危険な予感

2009年04月20日 | 【お出かけ】木のむくまま
(↑購入した板材をアパートの壁にこんな感じで立てかけています。大家さんがちょっと心配。。。)

本日は、伊那森林組合主催の「木のアウトレット市」に、クラスメート3名と行ってきました。

このアウトレット市は、毎年春秋の2回行われているようで、丸太のオークションや板材の販売、その他薪を販売しています。このような木の販売は森林組合の本業ではありませんが、今まで伐採した後に山に放置されてきた丸太などを、環境保護の高まりの中少しでも地元の方に使って頂こうという考えにより開催されるようになったようです。それゆえ基本的には採算割れ覚悟のアウトレット価格であり、素人目に見ても非常に安くお買い得な板が所狭しと並んでいました。





私を含めて素人なので、皆とりあえず何百枚もある板を端から見ていくしかありません。しかし、ところどころで組合の方々が親切丁寧に説明をして頂けるので、だんだんとなんとなくですが木のことがわかってきます。

↓親切な組合の方々


今回は、スギ、ヒノキに加え、エンジュ、ハリエンジュ(ニセアカシア)、イチョウ、カエデの樹種が多かった感じがします。いちょうはしっかりした板が多数出たということでしたが、残念ながらこのアウトレット市は昨日から開催されているため、かなり販売済みのものも多かったです。



材を購入するには2通りの方法があり、ひとつは樹種買いで、もうひとつは杢買いです。
樹種買いは例えば「サクラ」などある一定の樹種にこだわって購入する場合と、非常に希少な樹種が出てきたために買っておく場合があります。杢買いは、樹種にこだわらず気に入った杢の材を購入しておくことです。希少な樹種の場合と気に入った杢の場合は、一期一会ですから今購入する決断をしなければなりません。また一定の樹種買いも、材は加工するまでに数年寝かせなければならないため、数年後を見据えるのであれば購入し材を揃えておかなければいけません。

いずれにしても、木工家は仕入れをしておかなければいけないということです。
そのため木工家の庭先には多数の板が積み上げられることとなり、「あれらは放置されたお金の山だけど、いったいいつになったら還元されるのかしら」という木工家の奥様方の愚痴を聞くことになるのです。

私も最初はただなんとなく板を見ていたのですが、「いざ自分がお金を払って買う」という気持ちを持ち、どの板をどのような家具に利用するかイメージし、大きさを見て厚さを見て杢を見て値段を見ていると、ある意味緊張してきます。
特に気に入った木目を持った材などは、ここで買わなかったらもう二度と出会うことはないでしょう。また迷って一周しているそばから他のお客様が購入してなくなっていくものも多数あります。まさしく仕入れ人の決断が試されます。

私はだんだんと欲が出たのか、材木の魔力に取り込まれていったのかわかりませんが、当初は数千円の予算で一枚か二枚買えばいいかなと思っていたのですが、結局は3枚、計12000円分を購入していました。

◎1枚目はカエデの板。
ちぢれ杢のような木目と、通常なら2寸くらいの厚さで製材している板が3寸近い厚さがありそのボリューム感に惹かれました。しかし「1寸1年」という言い方があるらしく、これは1寸につき乾燥が少なくとも1年は必要という意味で、購入後も3年間は寝かせておかないといけないようです。価格はもともとは18500円でしたが10000円になっていたので思い切って購入。



◎2枚目はハリエンジュの板。
これは腐りもあり冒険でしたが机の天板にした際に樹皮を残したデザインができそうだったのでその可能性に賭けて購入しておきました。2500円をカエデの板も買ったので1500円に負けてもらいました。



◎3枚目はエンジュの小さな板
上記2枚はまだ使い道もわからずとりあえず将来の投資のために買ったものですが、せっかくなら自分の部屋の中にも何かおきたいと考え、手ごろな大きさで棚にできる板をと思って買ったのがこれです。ちなみに上のハリエンジュとエンジュは別の木です。

さて、購入したら早速皮剥ぎと割れの補修が必要なようです。皮を剥いでおくのは皮と木部の間を虫が好むために虫食い防止のためです。割れは特に木口からの割れを鎹を打ったり、ボンドで留める作業です。そしてその後は塗装やサンダーによる仕上げと続いていくようです。(実はまだよくわかっていない)

アウトレット市から戻った私達は私の部屋でしゃべっていたのですが、皆なんとなく早く自分の購入した板を早く愛でたいような雰囲気を感じます。特にY君の頭の中は自分の作成したいベンチの設計をイメージすることで一杯のようで、時折困ったような顔をしたりいいイメージが湧いたのかニヤニヤしながらメモをとったりしていました。



本日生まれて初めての仕入れを経験した私ですが、このお金を自分で払うという行為がとても大切なことだと思います。それによっていい緊張感が生まれ勉強し、また品質と価格のバランス感を養うこともできます。しかし同時に木を購入する楽しみを少し覚えてしまったような気がして、危険な予感を感じます。今後が怖いです。
またこれだけの板を廉価で購入できる市が身近にあることは木の国信州にいる強みを感じましたし、あとは私の愛車「サンバー」が長い材を運搬することに大活躍したことも喜びでした。

次回のアウトレット市は秋なので、それまでにもっと勉強しておきたいと思います。
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桜が散ったら

2009年04月20日 | 【写真】一本の木
桜が散ったら、今度はこんな色鮮やかな花がベランダ下に咲きはじめました。

伊那市(長野県)
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