餌金日記

金魚と川魚飼いの日常です、

コンセプトジャパン

2022-11-21 22:04:33 | 本と雑誌

松岡正剛/太田真三写真「見立て日本」読了。
分厚い文庫本でいきなり表紙が町中にそそり立つ大仏様の後ろ姿です。パラパラめくると怪しい写真がいっぱい。祟りとか呪い関係?訝しいく思いながら読んでみると面白い。コンセプト・ジャパン=百辞百物百景として見開きの写真に見開きの文章がつくというスタイルでした。「週刊ポスト」のグラビア連載だったそうで。それはまたいかがわしい。お姉さんの写真の後にこういう真面目に文化を語る記事があるのが楽しいです。
古い言葉とその言葉の使われ方の変遷、そして今ではどうなっているか。「物実(ものざね)」の写真が一面にならんだガチャガチャの前で出てきたガチャとその機体を携帯で写真にとるヒジャブの女性。どんな物事にもそれをつくりあげた要因があることだとか。宗方三神もスサノオの物実で生まれた。これを化生(けしょう)と名付ける。半分魔法で半分類感しあう現象。「おまけ」はサービスだかそこに物実がひそむと何かが化生して出て来る。欲しいものだったりいらないものだったり。多くの化生が潜んでいるのね。
「不思議綺麗(ふしぎきれい)」もともと綺麗は奇麗であって珍しいものを愛でるこ気持ちだったそうで。信長が若いころ中国から堺に入って来た金魚は、たちまち交配を重ね江戸時代には大流行しました。写真は見事な更紗ランチュウのアップです。奇はたまたま。このたまたまの奥にある珍しさやくすしさを評価する才能。この当たり前ではない感動を「奇妙不思議」とも「不思議綺麗」とも言ったそうで。並外れて珍しく胸を打つような美しさ。うん、いきなり見たら驚くよね。
古代から現在に続く日本の言葉がビジュアルで楽しめます。