この本は院内にある本屋で購入した
「あん」がこの病院に並んでいたのは
何か意味があるのかも知れない
「あん」という小説が樹木希林の主演で
映画化され公開されることも内容も少し
ながら知っていたのだが
最初はあえて読もうとも 映画を観ようとも思わなかった
それは ハンセン病をテーマとして
描かれているという重さに
耐えられない自分がいたからだ
「小島の春」に始まり松本清張の
「砂の器」の重々しさ 映画ベンハー
での描き方でライ病(ハンセン病)への
偏見 悍ましさが増幅されたせいだろう
岡山県の日生諸島にある長島愛生園はハンセン病の
施設として有名だ 小島の春のモデルともなった
その施設は最近一般に公開されるようになったとも聞いた
ライ予防法が無くなりハンセン病が
完治する現代になっても
やはり どうしてもその病に対する
偏見は無くならない後遺症の見た目に負けてしまうのだ
強制隔離という悲しい歴史に今我々は
向き合っていかなければならない
眼をそらしてはいけないのだ