それは4速3800rpmで走行中だった。
スロットルパーシャルのはずなのに、突然エンジンブレーキがかかった。
!?
ストールしてる?
ガス欠?焼き付き?コック詰まり?電気系?
一瞬の間にグルグルと怖い想像が頭を駆けめぐる。
クラッチを切らずに(後続車もいなかったので)空走して様子を見る。
幸いにもほんの数秒でエンジンは息を吹き返した。
まぁーいっか。
と、ノー(能)天気にやり過ごして、
いつもの休憩ポイントに銀ジィ(’81R100R)を乗り入れる。
結果、15分後こんなことになっていた。
再出発しようとしたらセルは回るけどエンジンがかからない、かかる気配もない。
ニヤニヤしながら様子を見に来る野次馬を尻目にどんどん外装をむしり取る。
ガソリンコックを外してる時に近寄ってきて、煙草に火をつける阿呆をたしなめ、
(いや、こんなとこで分解してる方が悪いですけど、煙草に火を付けなくてもいいでしょ?)
何が悪いの?と尋ねるおっさんには、ターボチャージャーかなーと誤魔化し、
セルは元気良く回るのでコイルの結線を確かめる。大丈夫そうだ。
プラグを外して火花を確認すると・・・・・・、やっぱり飛んでない。
予備に積んでいたプラグに換えてみたけどダメだった。
・・・・・・コイルか?
茶色の手榴弾みたいなヤツに換えたばかりなんですけど。
まさか、ねー?
〇
ここで元ディーラーKさんに電話。
E「火花が飛んでないんですけど」
K「コイルかな」
E「でもダイナに換えたばかりだよ」
K「イグニッショントリガーが死んだかな」
E「レッカーでしょうか?」
K「そうだね」
あっさりと降参してロードサービスを頼む。
AMNのロードサービス付クレジットカードでレスキューを依頼した。
いつもだったらショップから迎えに来てくれるんだけど
この日は出られないということで、近くのレッカーサービスが来てくれた。
と一言で書いたけど、実際には山奥にいたので来るまで2時間掛かったよ。
でも、助けに来てもらえるだけありがたいから仕方ないね。
この日は意外にも風が涼しくて、木陰にいたから気持ちよかったよ。
蝉しぐれを浴びながら昼寝。
ヒグラシも鳴いている。
カナカナ、カナカナ・・・・・・
はっと目覚めても、まだ来ない。
草むらからヘビの子供が銀ジィを見に来た(ギャッ!)
ブロロローンとオートバイが時折通過していく。
あー腹減ったなー、と思っていたらやっとトラックが来たよ。
〇
それがすごいでっかいトラック。
荷台ごとスライドして地面に降りてしまう本格派(?)で積み込み楽々。
EXCELの青山さん、一生懸命で好感が持てます。
本宮山のワインディングを降りなくてはいけないので念入りに固定。
ドゥカティのロードサービスをやっていたことがあるとのことでオートバイにも慣れている様子。
安心して任せられましたよ。
本当にありがとうございました。
〇
青山さんのトラックに同乗させてもらい、
豊橋の元ディーラー「オートショップナカムラ」まで運んでもらった。
ずいぶん距離があって時間がかかったけど、
車内では青山さんとピックアップの苦労話で盛り上がって楽しかったよ。
ショップで銀ジィを降ろして、
さっそくKさんがコイルやプラグコードをチェックしてくれた。
けれど、その場では再始動できなかったので、預けて帰ってきた。
その晩、Kさんから電話があって
コイルを交換したら始動したということだった。
え、ダイナに交換したばっかなのにダイナしじゃん(おぉ!また駄洒落かよ)
確かにアメリカ製で、ダイナて何よ、ってな感じだけど、評判は悪くないよね。
でも、純正はBOSCHだし、ドイツ製だし、って同じ様なもんか。
翌日、手持ちの純正BOSCHコイルをピカピカに磨き上げてショップに持ち込む。
ネジ忘れて行ったりでドタバタしたけど、装着したら1発始動。
やれやれ・・・・・・マジですか。
〇
仕事の疲れもあって、今週は軽く流してくるだけにしよう、と走り出したんだけど
結局、家に戻ってこられたのは夕方5時くらい。
オートバイに乗っていたのは1時間弱かな。
いろんなところ、いろんな人から電話がかかってきたり、
レッカーで迎えに来てくれたり、
部品をチェックしたり、様子を見てくれたり、
たくさんの人に助けてもらった。
ありがたいなーと本当に思う。
商売だから、という人もいるかもしれないけど、
心がこもっていることは、間違いない。
真面目で直向きに取り組む人たちばかりで気持ちがいい。
いい人たちに助けられ、支えられた故障の一日だったよ。
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