ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

秋、そしてひとつフタをする

2011年10月17日 | R1150RT (2001) あお号

気がつけばすでに10月も半ばを過ぎ、秋もいよいよ深まりを見せる。

ひこばえで青々とした田には、毎朝びっしりの露が下りて、

陽が昇るとそれが湯気のようにモヤって、あたり一面に立ち込める。

2000m級の峠はそろそろ怪しくなるね。

秋の走りは格別で、特別だけれど、

このあと訪れる雪と氷の季節に急かされているようで、

落ち着かない気分になることも確かだ。

だから、時間が許す限り、飛騨や信州の峠を訪ねて行っては、

すばらしい紅葉の景色を目に焼き付け、

「また来年来るね・・・」とフタを閉めていく。

この週末に訪れた開田高原や野麦峠はまさにそんな季節の真っただ中だったよ。

            〇

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土曜の激しい雨で、木曽川は濁流が渦を巻いていた。

クルマもいつもより明らかに多くて、そんな濁流とは真逆ののったりとした流れの国道19号線。

それでも天気は最高で、川沿いの山の木々は少し色をくすませて、

秋の訪れをはっきりと感じさせてくれていた。

平地ではやや暖かかった週末だけど、

木曽路はすべて山の中、で、「須原」の宿場を過ぎるころから、空気が急に冷たく感じられるようになったよ。

流れは相変わらず悪くて、最初は「奈川」まで出て野麦峠へ上がるつもりだったのに、

木曽大橋の交差点で誰も開田方向へ曲がらなかったものだから、

気まぐれで国道361号線へ入ってしまった。

この国道はなぜか山の中の超快走路で、ボクはあまり好きじゃあない。

いつもは旧道を走ったり、手前の県道20号線で開田へ上がる。

でも、その日は19号がノロノロだったことと、

天気が素晴らしくて、気持ち良い青空だったことから気分が良くて、

思いっきり走らせてもらったよ。

したらば、ほとんど他のクルマにも合わずに

峠の「新地蔵トンネル」まで本当に「あっ」ちゅう間に来てしまった。

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そしてこのサブくて長いトンネルを抜けると、

そこは「秋」だった。

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去年の紅葉は良かったけど、今年は台風に何度か襲われてるので

「ダメかなー」とボク的には予想していた。

でも、今年も紅葉の色付きが良いように感じたけど、どうだろう。

特にモミジやカエデの赤がすごい!

まさに燃えるような感じだったよ。

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開田高原は雲もほとんどない快晴。

日和田へ抜ける長峰の峠では、

御岳の嶺が裾からズバーッと見える大パノラマ。

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思わず走りながら、鼻歌が出るような気分だったね。

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高山方面へ下りながら、高根ダムのダム湖の途中で

県道39号線(岐阜県、長野県・奈川野麦高根線)へ折れた。

最初の集落に入ると正面に乗鞍が見えるんだけど、

大きな雲が中腹より上にのっていて全景が見えない。

峠までまだしばらくかかるので、その頃には晴れるだろうと期待して山道を進む。

野麦峠へ向かうこの県道辺りはすでに晩秋の気配が漂う。

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明け方までの嵐のような雨で、路面はまだびしょびしょ。

おまけに広葉樹の大きな落ち葉が一面に敷き詰められてにゅるにゅるだぉ。

わざとABSを利かせたり、ふいにABSに助けられたりで

あお号(’02R1150RT)との共同作業で峠へ向かう。

風が出てきてさらに落ち葉が吹雪のように舞い散る。

カラマツの葉は細かい針のようで、ヘルメットのシールドを下ろしていないとすごく痛いよ。

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峠の駐車場はマスツーリングのグループで占拠されてたので

少し離れた駐車スペースまで行ってあお号を停める。

野麦峠は相性があまり良くないんだけど、

今日はよく晴れて、風もそれほど強くない。(けっこう吹いてはいるけどね)

乗鞍は結局見られなかった・・・

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今日もストーブを持って来たので、湯を沸かしてメシを喰う。

ひと気がなくなると、「あーーーーー」と湯船で上げるような声を出してくつろぐ。

あんまり良い景色ばかり見てると、いつか自分もそこに熔け込んじまって消えてしまうかもな。

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うん、悪くないな、それ。

こんな景色を見ながら、そこで空気みたいになって溶け込んでいけるならそれもいいな。

あお「おいおい、置き去りはよせ」

ボク「あ、そうか」

あお「アホなこと云ってるとABS利かせへんからね」

ボク「うそうそ、帰るって」

はたして峠からの下りはすごい濡れ落ち葉のじゅうたんで、

ABSをわざと利かせながら降りてきたよ。

            〇

今年はこれが最後かな。

そうして「パタン」と野麦峠のフタを閉める。

また、来年くるよ。

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