今年話題となった言葉を選ぶ「2019ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞に、ラグビーワールドカップの決勝トーナメントに進出した日本代表のスローガン「ONE TEAM」が選ばれた。予想通りだった。多国籍を超えて、日本チームとして結束しているところが見事だった。国歌斉唱では外国人選手も「君が代」を歌い、むしろグローバルさを感じたものだ。
この「ONE TEAM」の在り様は、日本が取るべき将来の進路ではないかと考える。急速に進む少子高齢化で働き手や担い手が不足する中、日本の多国籍化を進めていく。国際化と言うと共通の理念が求められるが、目標に向かって結束する場合は多国籍化でよいのではないか。多国籍化が求められるのは、スポーツだけでなく、研究開発やマーケット戦略、生産性や教育分野など幅広い。市民生活でもあえて日本人の社会に溶け込む必要はない。たとえば、金沢に「ニュージーランド村」や「南アフリカ村」があってもいい。日本の法律の下でお互いに暮らし安さを追求すればそれでよいのではないか。そんなことを想起させてくれたのが「ONE TEAM」の戦いぶりだった。
そのほか個人的に選ぶ流行語大賞は、やはり「令和」だ。4月1日午前11時35分から総理官邸で開かれた会見で、菅官房長官が墨書を掲げて新元号を公表する様子をネットの動画中継を見ていた。「大化」(645年)から248番目の元号が「令和」と発表されたとき、時代の転換点に立つような、改まった気分になった。安倍総理もその後の記者会見で、「春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように一人ひとりが明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたいとの願いを込めて決定した」と述べていた。 なんと平和なことか。昭和、平成、そして令和の時代を生きることは喜びではないかのか、ふと気づかされたものだ。平成の世と同じく、令和も戦争のない平和な時代であってほしいと願うばかりだ。
「新紙幣」も個人的には流行語大賞だ。「令和」の発表の8日後、新紙幣を2024年度に発行すると麻生財務大臣が記者会見で発表した。1万円、5千円、千円の紙幣(日本銀行券)の全面的な刷新だ。平成の1万円札の主役を担った福沢諭吉から、令和は渋沢栄一に代わる。しかし、「独立自尊」の福沢の精神は未来も変わることはない。
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