自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆「令和元年」回顧=台風余波

2019年12月25日 | ⇒ドキュメント回廊

    4月30日「平成の大晦日」の夜は金沢のワインバーで過ごした。ワインの話で盛り上がっているうちに、カウントダウンが近づいた。5月1日まであと10秒。カウンターの客が「9、8、7、6、5、4、3、2、1」と声をそろえた。「令和」が始まった。すると、ソムリエがシャンパーニュを振る舞ってくれた。改めて、令和の幕開けに乾杯した。2019年における感動の一場面だった。平成の世と同じく、令和も戦争のない平和な時代であってほしいと願うばかりだ。まずは、「令和元年」を振り返ってみる。

       「台風19号」がさらなる風評被害を呼ぶとしたら・・・

     北陸に住む一人としてショックだったのは、10月の台風19号の大雨で長野県千曲川の堤防が決壊し、長野市にある新幹線車両センターの北陸新幹線の車両が水に浸かった画像だった。豪雪にも強いと頼っていた北陸新幹線だけに、10編成、120車両が並んで水に浸かっている様子は痛々しかった。13日の始発から東京-金沢間すべて運休となった。10月13日から25日までの全面運休。石川県の調べで、県内の主な温泉地と金沢の主要なホテルだけで2万1700人のキャンセルがあったという。中小のホテル・旅館、ゲストハウスなど含めれば、おそらくその2倍の数字になるだろう。

    北陸新幹線の東京-金沢間は同月25日には台風前の9割の本数で運転再開し、11月30日には定期列車の本数が台風前と同等になった。北陸人としてはホッとした。ところが、先日東京に出張があって山手線に乗ると、電光掲示板に「【北陸新幹線 お知らせ】北陸新幹線は、台風19号の影響で、暫定ダイヤで運転しています。時刻等の詳細はJR東日本ホームページをご確認ください。」と表示されている。ホームページをのぞくと、東京-長野間で一部減便となっている。でも東京-金沢は100%なのだ。

    もし、「金沢へカニを食べに行こう」と思い浮かべている人がこの掲示板を見たらどう思うだろうか。「台風19号の影響がまだ続いているのならあきらめよう」となるのではないか。関東にも相当なダメージを与えた台風だけに、「台風19号」そのものが風評被害となるのでは。JR東日本を責める訳ではないが、表現の仕方を工夫してほしいと思ったのは北陸に住む一人としての偽らざる気持ちだ。

⇒25日(水)午後・金沢の天気     はれ

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