自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★人に寄り添うAI

2019年12月20日 | ⇒メディア時評

    社是が「地球上で最もお客様を大切にする企業」である。どのような企業なのか一度覗いてみたかった。きのう(19日)それが実現した。まず、エレベーターが金属っぽくない。ダンボールで貼り紙をしたような柔らかい感じで、つい寄りかかってしまいたくなるデザインなのだ。

    会員が自由に使える「コ・ワーキングスペース」(158席)=写真=に入った。ここを活用するのは主に開発者や起業家の人たちで、何人かでアイデイ出しや突っ込んだ話をしたい場合は、会議室(定員6)を1時間単位で無料で利用ができる。予約の受付はしていないので、当日受付で利用をオファーする。飲み物や弁当も販売しているので、利用者は午前10時から午後6時まで集中できる。

   最大のサービスはこの場で月5,6回開催されるセミナーやハンズオン(体験型学習)といった勉強会だろう。午後6時30から2時間ほど。訪れたこの日は「Deep Learning フレームワークと推論」と題するセミナーだった。Deep Learning (ディープ・ラーニング、深層学習)は能の神経回路まねた機械学習のこと、AI(人工知能)の本命と言える。自動翻訳や画像認識の精度が格段に上がったのも、ディープ・ラーニング技術によるものだ。このセミナーに参加したかったが、時間が許さなかった。

   企業名も示さずに冒頭から長々と述べたが、訪れたのは「アマゾン ウェブ  サービス (aws)ジャパン株式会社」(東京都品川区上大崎)。コ・ワーキングスペースは昨年10月に、aws社が「挑戦をカタチにする場所」として開設した。サンフランシスコ、ニューヨークに続いでの設置という。クラウドコンピューティングという新しいカタチのテクノロジーがこの世に登場してから十数年がたち、アイデイア次第で新たなサービスやビジネスが実現するチャンスが広がった。同社はそれを支援することをミッションと位置付け、「地球上で最もお客様を大切にする企業」の社是を掲げる。

   ところでAIというと、怖いという印象だと話す人も少なからずいる。犯罪に使われたり、今の仕事がAIに取って代わられる、との不安感など。aws社を訪ねたのは、教材ビデオの出演の依頼が目的だった。身近に寄り添うように人間を支えるテクノロジーとしてのAI(人工知能)について語っていただけないかとマネージャーの方にお願いした。たとえば、人に学び、人を理解し、人をサポートするAIロボットだ。情調的動作が人間に与える影響が大きければ、「第3の医療」の道が拓けるかもしれない。強さを追求するゲームAIとは異なる、楽しみを生み出す、人間に合わせた温かみのあるゲームAIの可能性もあるのではないだろうか。次なるAIの有り姿をぜひ語っていただきたいとお願いしてきた。

⇒20日(金)朝・金沢の天気     あめ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする