北朝鮮が28日午後5時前、日本海に向けて弾道ミサイルを2発発射した。これを受けて、国家安全保障会議(NSC)を開催した安倍総理は終了後、記者団に「北朝鮮の度重なる弾道ミサイルの発射は我が国のみならず国際社会に対する深刻な挑戦だ」と述べた(28日付・朝日新聞Web版)。このコメントに対する北朝鮮の反応がすさまじい。
韓国の中央日報(30日付・Web版日本語)によると、 北朝鮮外務省の日本担当副局長が30日談話を発表し、「安倍は本当の弾道ミサイルが何かをもうすぐ非常に近いところで見ることになるかもしれない」と述べ、「その時に放射砲弾と弾道ミサイルがどのように違うかをよく比較して知っておくことを勧告する」と皮肉ったと伝えている。北朝鮮が打ち上げたのは超大型ロケット砲であり、弾道ミサイルではないと主張している。総理が「国際社会に対する深刻な挑戦」と述べ、弾道ミサイルの発射は国連の安保理決議に違反すると指摘したのに対し、北朝鮮側はこうした批判をかわしたいとの狙いもあるのだろう。それにしても、「間近に落としてやるから、その違いを勉強しておけ」という凄み方が堂に入っている。
イギリスBBC(30日付・Web版)も「North Korea threatens Japan with 'real ballistic missile'」(北朝鮮が「本当の弾道ミサイル」を落とすと日本を脅す)との見出しで伝えている=写真=。記事では、北朝鮮側は、安倍総理を「完全な馬鹿者で、政治的小物」と呼び、「写真つき報道を見ておきながら、多連装ロケット砲とミサイルの区別もつかない、史上最も愚かな男、世界唯一のまぬけだ」と罵倒した、と報じている。
中央日報とBBCの記事から読み取れることは、北朝鮮は日本に向けた新たな発射を示唆 していることだ。単なる脅しではないかもしれない。
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