自在コラム

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★北と南が「弾道ミサイル」を発射した日

2021年09月15日 | ⇒ニュース走査

   北朝鮮がまたミサイルを発射した。NHKニュースWeb版(9月15日付)によると、岸防衛大臣は夕方、防衛省で記者団に対し「北朝鮮は、きょう午後0時32分と37分ごろ、内陸部から、少なくとも2発の弾道ミサイルを東方向に発射したもようだ」と述べた。その後、防衛省は追加でコメントを発表した。「発射された弾道ミサイルは、従来から北朝鮮が保有しているスカッドの軌道よりも低い高度(最高高度約50km程度)を、変則軌道で約750km程度飛翔し、日本海上に落下したものと推定されます。落下したのは、我が国の排他的経済水域(EEZ)内と推定されます」(防衛省公式ホームページ)

   さらに、読売新聞Web版(同)は「防衛省によると、ミサイルは能登半島の舳倉島の北方約300㌔の海域に落下したと推測される」と報じている。舳倉島から輪島市は約49㌔の距離。つまり、能登半島の約350㌔先のEEZ内に落下させたということだ。

     北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて、菅総理は記者会見で、「北朝鮮が弾道ミサイルと判断されるものを発射した。本年3月25日以来、約6か月ぶりの弾道ミサイル発射は、我が国と地域の平和と安全を脅かすものであり言語道断だ。国連安保理決議にも違反しており、厳重に抗議するとともに強く非難する。我が国の排他的経済水域外の日本海に落下したと推定されるが、政府としては、これまで以上に警戒監視を強めていく」と述べた(総理官邸公式ホームページ)。

   韓国の中央日報Web版日本語(同)によると、文在寅大統領は15日午前、青瓦台(大統領府)で40分間余りにわたり中国の王毅外交担当国務委員兼外交部長と面会した。文大統領はこの席で「わが政府は中国を含めた国際社会とともに韓半島(朝鮮半島)の非核化と平和定着のために努力している」としながら「中国の変わりない支持をお願いしたい」と述べた。この後、文大統領は弾道ミサイルの発射に立ち会っている。

   韓国の聯合ニュースWeb版日本語(同)は、韓国が独自開発した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験に初めて成功したと伝えている。発射実験は15日午後、国防科学研究所の総合試験場で文大統領をはじめとする政府・軍関係者の立ち会いの下で行われた。韓国のKBSニュースWeb版(同)=写真=は「世界でSLBMの打ち上げに成功したのは、米国、ロシア、中国、イギリス、フランス、インドに次いで我が国で7番目。文大統領は、SLBMの開発は北朝鮮の挑発に応じたものではなく、むしろ独自の軍事力増強計画に従っていると述べた。しかし、我々のミサイル兵器の増強は北朝鮮の挑発に対する明確な抑止力になり得ると強調した」と述べた。

   北朝鮮は今月11、12日に新たに開発した長距離巡航ミサイルの発射実験を行った。今回、矢継ぎ早に弾道ミサイルを日本のEEZに打ち込んだ。北朝鮮の意図は、韓国のSLBMを意識した「先制パンチ」だったのか、あるいは中国の王毅部長と韓国の文大統領の会談に対する当てつけだったのか。南北が同じ日に弾道ミサイルを発射したことは、日本の防衛にとって警鐘であることだけは間違いない。

⇒15日(水)夜・金沢の天気     はれ


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