自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★大陸間弾道ミサイル発射再開の地ならしか

2022年01月30日 | ⇒ニュース走査

    ことしに入って7回目のミサイル発射だ。松野官房長官はきょう午前9時、臨時会見を行った。総理官邸公式ホームページに掲載された会見動画によると、北朝鮮はきょう7時52分ごろ、北朝鮮内陸部から弾道ミサイル1発を東方向に発射。最高高度はおよそ2000㌔、飛しょう時間は30分、およそ800㌔を飛しょうし、日本海側のEEZ外に落下したものと推定される。付近を航行する航空機や船舶および関係機関への被害などは確認されていない。

   気になるのは、最高高度が2000㌔ということは、打ち上げ角度を高くする、いわゆる「ロフテッド軌道」型の弾道ミサイルということだ。2017年5月14日に発射した中距離弾道ミサイル(IRBM)級の新型弾道ミサイルは、2000㌔を超える高度に達した上で800㌔飛しょうさせている。さらに、同じ年の11月29日に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)級新型弾道ミサイルは4000㌔を超える高度に達し、1000㌔を飛しょうした。ここから推測できることは、北朝鮮はICBMの発射の地ならしを始めたのではないか、ということだ。

   北朝鮮は今月19日に開いた朝鮮労働党の政治局会議で「アメリカ帝国主義との長期的な対決に徹底して準備しなければならない」とする方針を決定し、2018年に中止を表明していたICBMの発射実験や核実験については見直しを検討するとしている(1月27日付・NHKニュースWeb版)。

   このブログでは日本海側に住む者の一人の危機感として、北朝鮮のミサイル発射の動向をその都度記している。この1ヵ月で7回の発射は異常で、ミサイルの多様化には異様さを感じる。今月5日は極超音速の弾道ミサイルだった。11日の弾道ミサイルも極超音速型で、ミサイルから分離された弾頭が1000㌔先の目標に命中した。14日には鉄道から短距離弾道ミサイル2発を発射。17日に戦術誘導弾として弾道ミサイル2発を日本海上の島に「精密に打撃」した。25日にも長距離巡航ミサイル2発を「9137秒飛行し1800㌔先の島に命中」させている。6回目の27日は2発の戦術誘導弾を標的の島に「精密に打撃」、爆発威力は「設計上の要求を満たした」ものだった。

   そしていよいよ大陸間弾道ミサイル発射を再開させ、「ロケットマンが自殺行為の任務を進めている」(2017年9月、アメリカのトランプ大統領の国連総会演説)のステージに逆戻りするのか。

(※写真は、2020年10月の北朝鮮軍事パレードで登場した新型ICBMと見られる弾道ミサイル、令和4年1月・防衛省発表資料「北朝鮮による核・弾道ミサイル開発について」より)

⇒30日(日)午後・金沢の天気    くもり時々はれ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ☆若者の地方移住は「デジタル... | トップ | ☆佐渡金山を深堀りすれば »

コメントを投稿

⇒ニュース走査」カテゴリの最新記事