自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆季節は移ろうも 「死刑はんこ」の生臭さ

2022年11月11日 | ⇒ニュース走査

   前回のブログの続き。兼六園には「紅葉山」とも称される「山崎山」がある。唐崎松の雰囲気とはまったく異なる景色で、カエデやトチノキなどが赤や黄に色づいている=写真・上=。高さ9㍍ほどの、いわゆる築山(つきやま)、造られた山だ。山頂にある茅葺き屋根の四阿(あずまや)からは兼六園の紅葉が見渡すことができる。

   そして、きょうのニュースでは、能登半島の沖の定置網に冬の味覚を代表する寒ブリ600本が水揚げされたという。今月6日にはズワイガニ漁が始まり、定置網には寒ブリが。北陸の季節の移ろいを感じる。

   それに比べ、世の中は生臭い。NHKニュースWeb版(11日付)によると、葉梨法務大臣が自民党岸田派の国会議員のパーティー(9日)に出席し、死刑執行命令書に署名する自らの大臣職務について、「朝、死刑のはんこを押して、昼のニュースのトップになるのはそういう時だけという地味な役職だ」などと発言した。この発言に批判が集まり、きのう10日の国会で謝罪して発言を撤回した。ところが、過去のパーティーで4回以上も同様の発言をしていたことが発覚。本人はきょう付で辞表を岸田総理に提出した=写真・下=。

   岸田政権下の辞任劇はこれだけではない。先月24日に世界平和統一家庭連合(旧「統一教会」)と深い関係性が指摘されていた山際経済再生担当大臣が辞任している。旧統一教会との関係が国会で何度も追及され、さらに教団本部の総裁と一緒に映っている証拠写真を突きつけられても、山際氏は「資料がない」「記憶が定かではない」などとあいまいな発言を繰り返していた。

   言葉は本人が込めた想いとは裏腹に誤解を招きやすい時代環境にある。語る場にもよるが、政治家が客観性のない言葉を聴衆に面白げに話せば話すほど、そして言葉をあいまいにすればするほど誤解と不審を招く。   

⇒11日(金)夜・金沢の天気   くもり


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