コロナ禍では「はやりこうなる」のか。国土交通省がきょう23日、1月1日時点の公示地価を発表した。金沢市の繁華街では軒並み下落している。とくに、中心分である片町2丁目のスクランブ交差点付近では1平方㍍41万5000円、前年が46万円だったので、マイナス9.8%だ。片町付近は最近では人の流れはそこそこ回復しているようにも見えるが、それまでは土日曜日でもゴーストタウンかと思うほど静かな風景を感じたものだ。北陸新幹線開業(2015年3月)の効果もあって、金沢は順調に地価が上昇していたので5年ぶりの下落だろう。コロナ禍が地価という数字となって表れた。
観光地も直撃している。石川県には5つの温泉地(和倉、粟津、片山津、山代、山中)があるが、片山津で3.5%、粟津で3%、和倉で2.4%などとそれぞれ下落している。それまではインバウンド観光客などのニーズもあって、「温泉観光」はにぎわいを見せていた。それが、観光客の激減で5つの温泉地ともに厳しい状況にさらされている。すでに、休業や廃業に追い込まれたホテルや旅館もある。
もちろん、首都圏4都県で続いていた緊急事態宣言は今月21日に解除され、観光需要が高まるのではないかと思わないでもない。ただ、観光地や温泉地などは、むしろ「インバウンド頼み」となっているの現状だ。日本政府観光局(JNTO)公式ホームページによると、訪日観光客数は2019年で3188万人だったが、コロナ禍で2020年は411万人と激減している。ちなみに、兼六園を訪れた観光客は2019年は275万人で、うち47万人はインバウンド観光客だった(「金沢市観光調査結果報告書2019年」など)。率にして17%だ。
景気に連動するとされる地価。観光が地域経済の主力の一つとされる金沢では、ホテルや飲食店などによる土地需要が落ち込めば地価も下がる。地価が下がれば、投資をしようにも金融機関からの融資も回らなくなる。バブル崩壊後に寂れた金沢の光景とダブってしまう。コロナ禍の収束と経済回復を期待するしかない。(※写真は2020年4月25日、金沢市片町の大通りの風景。大型連休初日だったが閑散としていた)
⇒23日(火)夜・金沢の天気 はれ
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