後期の講座が今週から始まりました。
N先生ご自身の著書『読みもの日本語辞典』をテキストとし、そこにお書きになれなかったことなども話してくださいますのでとても勉強になります。
今回は「芽ぐむ」「涙ぐむ」の「ぐむ」、「蹴上がり」「蹴返す」の「け」、「健気だ」の「けな」の語源についてで、「健気だ」のところでは、調べる手順についてのお話がありました。
これは他の語を調べる時にも応用できるな、と喜んで聞いていたのですが、古典語の知識が豊富でなくては無理そうです。やはり何事も積み重ねが大事だと思いました。
接尾語「ぐむ」について、上接する名詞は「芽」「涙」「角」、そして動詞の連用形に付くものは「差し」だけとのことでした。
が、受講生の方から「瑞歯ぐむ」がありましたとのことでした。
それを受けてデジタル辞書でちょっと調べてみました。
その結果、該当するのでは?と思えるものがありました。
名詞に付いているもの:「汗ぐむ」「上ぐむ」「水ぐむ」
動詞についているもの:「老いぐむ」
検索することに付いては、誠に申し訳ないことながら浅学なものでもいろいろなツールを利用することで現代ではあっという間に調べることが出来てしまいます。パソコンさまさまです。
『国語大辞典』
ぐ・む
〔接尾〕(四段型活用)名詞に付いて、そのきざしが現われてくることをいう。そのものが現われはじめる。また、現われる直前までくる。「涙ぐむ」「芽ぐむ」など。
『日本国語大辞典』
1.ぐ・む
〔接尾〕(四段型活用)名詞に付いて、そのきざしが現われてくることをいう。そのものが現われはじめる。または、現われる直前までくる。
*源氏〔1001〜14頃〕賢木「千人にもかへつべき御さまにて、深う尋ね参りたまへるを見るに、あいなく涙ぐまる。
『Web大辞林』
ぐ・む
(接尾)
〔動詞五[四]段型活用〕
名詞に付いて、そのもののきざしが現れてくる、それが現れ始めるなどの意を表す。
涙―・む
芽―・む
『日本国語大辞典』
3.あせ‐ぐ・む【汗─】
〔自マ五(四)〕(「ぐむ」は、そのような気配がおこる、きざすの意の接尾語)汗が出ようとしている。汗がにじむ。汗ばむ。
*古今著聞集〔1254〕一〇・三六三「敦近、はだに、かたびらばかりを着て参りたりけれ
『広辞苑第六版』
あせ‐ぐ・む【汗ぐむ】
〔自四〕 汗がにじみ出る。汗ばむ。
*古今著聞集10「寒げに見えけるが、御馬の数つかうまつりければ、―・みにけり」
うわ‐ぐ・むウハ‥
〔自四〕 上気する。のぼせあがる。
*大鏡道隆「―・みて人々の御顔をとかく見給ひつつ」
おい‐ぐ・む【老いぐむ】
〔自四〕 年よりになる。老ふける。
*大石寺本曾我「―・みて見ゆるものかな」
みず‐ぐ・む【水含む】ミヅ‥
〔自四〕 水分をふくむ。また、果物などが熟し過ぎる。
*古今著聞集18「瓜を取り出でたりけるが、わろくなりて―・みたりければ」
みずは‐ぐ・む【瑞歯含む】ミヅ‥
〔自四〕
(1)老人に瑞歯が生える。
(2)甚だしく年をとる。
*源氏物語夕顔「―・みて住み侍るなり」
⇒みず‐は【瑞歯・稚歯】
『国語大辞典』
みずは‐ぐ・む【瑞歯ぐむ】(みづは‥)
〔自マ四〕(「みずわく(ぐ)む」「みつわく(ぐ)む」とも。老人に「瑞歯2」がはえる意か)きわめて年をとる。はなはだしく年老いる。
*大和‐一二六「むばたまのわが黒髪はしらかはのみつはくむまでなりにけるかな」
[補注]語義については、「瑞歯(みづは)ぐむ」のほか、歯が上下三本だけ抜け残る「三歯組む」とする説、足腰の三重に折れかがまる形容「三輪(みつわ)組む」とする説、関節のがたがたになる形容「支離(みつわくむ)」とする説、また、「大和物語」の檜垣嫗の歌が「水は汲む」の意だけであったのが老人のさまをいうと誤解されて、さまざまの語源説が付会されたとする説などがあり、表記についても「みつはくむ」「みつわくむ」のふたつが入りまじっている。
N先生ご自身の著書『読みもの日本語辞典』をテキストとし、そこにお書きになれなかったことなども話してくださいますのでとても勉強になります。
今回は「芽ぐむ」「涙ぐむ」の「ぐむ」、「蹴上がり」「蹴返す」の「け」、「健気だ」の「けな」の語源についてで、「健気だ」のところでは、調べる手順についてのお話がありました。
これは他の語を調べる時にも応用できるな、と喜んで聞いていたのですが、古典語の知識が豊富でなくては無理そうです。やはり何事も積み重ねが大事だと思いました。
接尾語「ぐむ」について、上接する名詞は「芽」「涙」「角」、そして動詞の連用形に付くものは「差し」だけとのことでした。
が、受講生の方から「瑞歯ぐむ」がありましたとのことでした。
それを受けてデジタル辞書でちょっと調べてみました。
その結果、該当するのでは?と思えるものがありました。
名詞に付いているもの:「汗ぐむ」「上ぐむ」「水ぐむ」
動詞についているもの:「老いぐむ」
検索することに付いては、誠に申し訳ないことながら浅学なものでもいろいろなツールを利用することで現代ではあっという間に調べることが出来てしまいます。パソコンさまさまです。
『国語大辞典』
ぐ・む
〔接尾〕(四段型活用)名詞に付いて、そのきざしが現われてくることをいう。そのものが現われはじめる。また、現われる直前までくる。「涙ぐむ」「芽ぐむ」など。
『日本国語大辞典』
1.ぐ・む
〔接尾〕(四段型活用)名詞に付いて、そのきざしが現われてくることをいう。そのものが現われはじめる。または、現われる直前までくる。
*源氏〔1001〜14頃〕賢木「千人にもかへつべき御さまにて、深う尋ね参りたまへるを見るに、あいなく涙ぐまる。
『Web大辞林』
ぐ・む
(接尾)
〔動詞五[四]段型活用〕
名詞に付いて、そのもののきざしが現れてくる、それが現れ始めるなどの意を表す。
涙―・む
芽―・む
『日本国語大辞典』
3.あせ‐ぐ・む【汗─】
〔自マ五(四)〕(「ぐむ」は、そのような気配がおこる、きざすの意の接尾語)汗が出ようとしている。汗がにじむ。汗ばむ。
*古今著聞集〔1254〕一〇・三六三「敦近、はだに、かたびらばかりを着て参りたりけれ
『広辞苑第六版』
あせ‐ぐ・む【汗ぐむ】
〔自四〕 汗がにじみ出る。汗ばむ。
*古今著聞集10「寒げに見えけるが、御馬の数つかうまつりければ、―・みにけり」
うわ‐ぐ・むウハ‥
〔自四〕 上気する。のぼせあがる。
*大鏡道隆「―・みて人々の御顔をとかく見給ひつつ」
おい‐ぐ・む【老いぐむ】
〔自四〕 年よりになる。老ふける。
*大石寺本曾我「―・みて見ゆるものかな」
みず‐ぐ・む【水含む】ミヅ‥
〔自四〕 水分をふくむ。また、果物などが熟し過ぎる。
*古今著聞集18「瓜を取り出でたりけるが、わろくなりて―・みたりければ」
みずは‐ぐ・む【瑞歯含む】ミヅ‥
〔自四〕
(1)老人に瑞歯が生える。
(2)甚だしく年をとる。
*源氏物語夕顔「―・みて住み侍るなり」
⇒みず‐は【瑞歯・稚歯】
『国語大辞典』
みずは‐ぐ・む【瑞歯ぐむ】(みづは‥)
〔自マ四〕(「みずわく(ぐ)む」「みつわく(ぐ)む」とも。老人に「瑞歯2」がはえる意か)きわめて年をとる。はなはだしく年老いる。
*大和‐一二六「むばたまのわが黒髪はしらかはのみつはくむまでなりにけるかな」
[補注]語義については、「瑞歯(みづは)ぐむ」のほか、歯が上下三本だけ抜け残る「三歯組む」とする説、足腰の三重に折れかがまる形容「三輪(みつわ)組む」とする説、関節のがたがたになる形容「支離(みつわくむ)」とする説、また、「大和物語」の檜垣嫗の歌が「水は汲む」の意だけであったのが老人のさまをいうと誤解されて、さまざまの語源説が付会されたとする説などがあり、表記についても「みつはくむ」「みつわくむ」のふたつが入りまじっている。