真っ赤な電車に揺られて、漁港を訪ねに来ました。料金箱を備えた、2両編成のワンマン電車。1両目の一番後ろにある扉から乗って、運転席のすぐ後ろの扉から降りる電車。餘部まで乗ったワンマン列車を思い出します。
この電車に乗って西尾の高架駅を出たことが、遠い昔のように思い出されます。駅を発車した電車は、ビルが建ち並ぶ街の空気を脱ぎ捨てるようにスピードを上げ、のっぺりと灰色を帯びたコンクリート橋を駆け下り、やがて田園地帯に突入しました。
電車は、カタンカタンとせわしないリズムを奏でながら快走します。タイルのように敷き詰められた茶色い田んぼが車窓を流れていきます。
電車は猛スピードで鉄路を飛ばし、あれよあれよという間に幡豆 (はず) の町に到着しました。降りたのは三河鳥羽 (みかわとば) 駅。無人駅です。この駅に限らず、名古屋鉄道蒲郡線は両端の吉良吉田駅と蒲郡駅を除いてすべて無人駅です。
電車が行ってしまうと、駅が日差しと静けさに包まれました。鳥のさえずりが聞こえてきそうです。海からまだ遠いせいでしょうか、期待していた潮の香りは出迎えてくれませんでした。
幡豆漁港めぐり目次
ここには、各記事を旅程順にまとめた目次を掲載しています。下の画像やテキストをクリックすると、該当する記事が表示されます。記事はすべて写真付きで書いているので、写真だけ拾い読みという楽しみ方もあり。
(1) ローカル線の旅 |
(2) 単線踏切無人駅 |
(3) 漁の合間 |
(4) 暖冬の吉良海岸 |
(5) ドラム缶赤茶色 |
(6) 漁具の山 |
(7) 木箱も一休み |
(8) 吉良宮崎マリンハウス |
(9) 春のくさび |
(10) 秘密の特産品 |
(11) リヤカーの列 |
(12) 踏切のぬくもり |
(13) 西幡豆駅夕景 |