D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Programmed AE (F=7.1, SS=1/200s), -0.3EV (Matrix metering), ISO200, WB=Sunny (-1), f=38mm (35mm-equivalent: 57mm)
午後の製材所。作業服に身を包んだ男たちが、丸太を大きなノコギリにかけて材木を切り出していきます。辺りに漂う木のにおい。新築の木造家屋のにおい。
D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Programmed AE (F=9.0, SS=1/320s), -0.3EV (Matrix metering), ISO200, WB=Sunny (+0), f=24mm (35mm-equivalent: 36mm)
冬の透き通るような空にすっくと立つクレーン。川に浮かぶ丸太を陸に引き上げるためのものです。
D70s with SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macro thru Kenko Pro1D Protector (W), Programmed AE (F=7.1, SS=1/200s), -0.3EV (Matrix metering), ISO200, WB=Sunny (+0), f=17mm (35mm-equivalent: 25mm)
静かに時を刻むレール。川から引き揚げられた丸太は、台車に載せられてこのレールの上を移動し、道路を横切って製材所に運ばれます。
ここは堀川沿い。堀川を訪ねるのは、去年の夏に堀川まつりを撮って以来のことです。
堀川は名古屋城を築くために掘削されたと言われ、運河としての性格を持っています。
豊かな木曽の山々を背後に擁し、そこから流れ出る巨大な木曽川にも恵まれた名古屋は、木曽ヒノキの集散地として栄えました。
山深くから切り出された木材は、いかだに組まれて木曽川を下り、名古屋港を経由して堀川に運ばれました。江戸時代の初期には、既に堀川に貯木場が設けられていたようです。
貯木場はその後変遷をたどり、現在では埋め立てられて、跡地が白鳥庭園、国際会議場、公園などとして利用されています。
堀川も昭和後期に至るまで名古屋の物流を支えてきましたが、時代の流れは残酷でした。物流の主役はトラックに移り、速度と効率で劣る水運は時代遅れとされました。川の水は排水で汚染されて悪臭を放つようになり、人々の関心も堀川から遠ざかってしまいました。
そんな堀川ですが、川沿いには今でも製材所や材木商がいくつも建ち、巨大な丸太を集めては材木に加工しています。
「堀川のこんな風景も、そのうち見れなくなるよ」
製材所のおじさんから投げかけられた言葉。流れの早い現代です。「そのうち」とは、私が生きている間を指すのでしょうか。
かつては木曽の山々から切り出された丸太。時代が下って、輸入されるようになった丸太。今では現地で製材された材木が輸入されるようになり、丸太さえ数が減っています。
古くから木とともに暮らしてきた日本人。その歴史が残り火となって堀川沿いにともっていました。
参考リンク:
名古屋堀川ライオンズクラブ …… 堀川の浄化、美化を目的とするボランティア団体。堀川の歴史についても詳しく説明しています。