goo blog サービス終了のお知らせ 

花浄土鹿児島

鹿児島の花や風景、祭りなどを巡るブログです。
(季節の花、吹上浜、桜島、霧島など)

トッゴロに追われた次郎次郎踊り 射勝神社 2015/03/01 (薩摩川内市)

2015-03-02 17:15:27 | 祭り・伝統行事
3月1日、薩摩川内市指定の無形文化財「次郎次郎踊り」が水引町(みずひきちょう)の射勝(いすぐる)神社に奉納されました。

13時過ぎ 神社に到着


午前中は小雨が残りましたが、午後になり時々太陽が顔を出しました。次郎次郎踊りはスグロドン祭りという豊作祈願の神事の後に行われる芸能です。鹿児島では敬称の「殿」をドンと言い、スグロドンとは射勝神社のことです。

準備が進む「トッゴロ」


トッゴロは火のついた太い丸太です。火加減を見ながら燃やし、鉄鍋には焼酎が熱燗になっています。竹の切り筒で見物人に振舞いますが、最近は車運転者が多く飲む人は少ないそうです。「昨年は虫が出て米の値も悪かった」、「今年(の祭)は大いに頑張れ」と半分冗談交じりに演者を励ます声が何度か聞かれました。

梅の花が散り春の兆しも


次郎次郎踊りは地元に保存会が組織され、各公民館長が運営委員となり3月初旬の日曜日に射勝神社に奉納されています。昨年は神社到着が遅れたので、今年は早めに行きました。

13時過ぎはまだ訪れた人はまばらで、周辺を歩いてみました。神社の東には小川が流れ、梅の花が散って春を思わせる田園風景が広がっていました。神社西側には溜池があり、今も周辺農地を潤しています。

14時20分から 加紫久利(かしくり)神社の巫女さんによる神舞


昨年と同様におごそかな舞が二差し奉納されました。

14時43分から 川内みなと棒踊り


爽やかな衣装が境内の木々に映え、軽やかに棒を打ち合い、掛声もすずやかで気持良い踊りでした。棒踊りは勇壮で力強い男踊りのイメージがありましたが、リズミカルで華やかな感じを受けました。

14時57分 害虫や雀を追い払う仕草


子供たちが椎の木の枝で害虫や雀を追い払う仕草をします。まず東側、次に西側を払います。境内が清められ、いよいよ次郎次郎踊りの本番です。

午前中の高江町南方神社での太郎太郎踊りと同様に豊作と安産祈願の農耕劇です。
大きく異なるのは、次郎次郎踊りの演者は顔を手ぬぐいで隠して終始無言なので少し不気味です。誰が演じているのかはごく少数の人しか知りません。

15時2分 田んぼの水口を整えて一休みのテチョ(丁長)


コッテウシ(雄牛)で田作り


見物人を追い出すトッゴロ


見物人を害虫に見立てていますので顔先や足元にトッゴロの煙が迫ります。後半はトッゴロを投げ出す場面もありハラハラしました。

無言なので動きが読めず不気味


こちらに向ってきた


席を追い出されたカメラマンたち


目の前に迫るトッゴロ


投げ出されたトッゴロ


15時14分 嫁女を迎えて喜ぶテチョ


15時17分 最後に米と落花生が撒かれて祭はお開きに


トッゴロに追われキャーと悲鳴が上がり、逃げ回る見物人も祭の花。社殿で叩く太鼓の音がトッゴロの迫る緊迫感を盛り上げます。逃げ回るほどに面白がって追いかけるようですが、あくまでも祭ですからケガ人は出ないよう関係者が気を配っていました。

私の足元にも何度かトッゴロの煙が迫り、後ろにのけぞりました。もう撮影どころではありませんが、これも祭の楽しみ。

ひとしきりトッゴロが暴れまわったところでヨメジョ(嫁女)が登場。喜んでテチョと抱き合うと子供が生まれます。頭に載せたモロブタ(長い箱)から米と落花生を撒き、祭りはお開きとなりました。昨年の次郎次郎踊りの様子はこちらのブログ記事をご覧ください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小雨の中で太郎太郎踊り 高江町南方神社 2015/03/01 (薩摩川内市)

2015-03-02 13:33:23 | 祭り・伝統行事
3月1日、小雨が残る高江町(たかえちょう)南方(みなみかた)神社境内は少しぬかるみ、農耕劇にふさわしい舞台になりました。今年も大人に混じって地元の峰山小学校児童十数名が参加、ユーモラスな伝統芸能「高江町太郎太郎(たろたろ)踊り」が奉納されました。

息の合った農耕劇 10時40分頃から開始


10時前 画面右手にあった駐車場は変更されていました


昨年まで駐車場だった神社入口前の広い場所は太陽光発電所になっていました。すぐ近くを走る九州西回り自動車道は3月7日に薩摩川内都~川内水引間の10.2kmが開通します。高江地区から鹿児島市の武岡トンネルまで30分で行けるようになり、地区の発展が期待されています。

境内裏手で焚き火を囲む人たち


社殿周囲の3箇所にもお供えが飾られて、裏手では祭の小道具になる薪を燃やしていました。小雨が残り風が出て肌寒く、焚き火の温もりに感謝しながら世間話をしました。

右奥のオンジョ(爺)が児童に田起こしを教える場面


境内の説明板を参照し、おおまかに踊りの内容を紹介します。

昭和37年 鹿児島県指定無形民俗文化財
高江町太郎太郎踊りは、南方神社の春祭に伴う芸能として毎年三月の第一日曜日に、五穀豊穣・安産・無病息災を祈願して奉納される農耕劇です。本来、上高江の志奈尾神社で奉納されていましたが、明治四十四年に合祀されて以来、南方神社で奉納されています。

神事のあと、子供たちの「タロタロー ウショヒイテケー」(太郎太郎 牛を引いて来い)という掛け声で始まります。主人公のオンジョ(祖父・爺)、テチョ(父)、太郎(息子)の3人が方言でやりとりしながらユーモラスに演じます。

仕事をさぼろうとする太郎と、それをいさめるテチョとのやり取りが見物客の笑いを誘い、最後はヨメジョが赤ん坊に見立てた自然石(ヨネマッジョ)を産み落とし皆で祝います。
古い田打ちの素朴さがよく表現されている貴重な伝統芸能です。

焼酎を飲み交わす お湯わりではなく生のまま?


暴れ牛で耕す


生まれたヨネマツジョ(丸石)をなでながらテチョが川内名所の歌を披露


最後は神主さんが米を撒きます


雨予報でしたが多くの人が集まり、こっけいな仕草に笑いの起こる楽しい踊りでした。11時10分頃にはお開きになり、午後は次郎次郎踊りのある草道地区の射勝神社に行きました。
昨年の太郎太郎踊りのブログ記事はこちらからどうぞ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花浄土/鹿児島

鹿児島の花や風景、祭りなどを巡るブログです。