聴衆は、音楽家がステージに現れた瞬間には準備ができていなければならない。
ピアニストの視点。
ピアニストの思考。
演奏家の仲間の一人ではあるけれど、会話をすることは、ほとんどない。
ピアノに向かって、指揮者を見たり楽譜をみたり。耳では、他の演奏者の出す音を
聞いたり、会場の音もたぶん聞いているだろう。
同じステージにいるけれど、他の演奏者とは違う存在。
存在感がありすぎて、空気のようになっている。
ピアニストのノート
ヴァレリー・アファナシエフ
大野英士 訳
講談社