図書館本。
読了しました。まあ、内容的にはインデックスファンドのおすすめ本なのですが、文章が平易で、なぜおすすめなのか
その理由がちゃんと書いてあるところがいいです。
いくつか印象的な内容、文章もありました。
コストとかかわって。
115ページ
「最近まで私は明らかな現実を見落としていた。゛資産運用報酬は安くない゛というか、高い。非常に高い。」
117ページ
「単純な計算をしてみよう。あなたは自分の資産を持っているのだから、運用手数料の公正な金額は自分の資産に対する比率ではなく、
マネージャーが稼ぎ出すリターンとの対比で計算すべきである。この現実に即したわかりやすい計算をすると「たった1%」の手数料は例えば14%
の高額手数料になる(米国株式の将来のリターンが7%との一般的予測に基づいたケース)。このように計算の前提を変えると゛たった゛という
3文字は使えない。この発想の転換は、結局運用手数料に対する考え方を変える第一段階だ。」
この後半の方の言っている意味はわかりますか。
投信の信託報酬が1%だったとしますね。もっと高いものもありますが。それはその資産残高の1%ですわ。
だから、300万の評価額の投信なら3万円ね。だけど、なんで自分が保有している資産の額に対して報酬を払わないといけないのかという話ですわね。
そら、あんたが儲けてくれた分に対しての報酬でしょと。で、アメリカの株式は、まあ、だいたい年7%らいは平均すれば上昇するかな。
で、その7%のうちの1%を持っていくとなったら、これは1/7で14%強になりますわな、信託報酬の比率はと。そういうことね。
1%というとなんか小さい数字で大したことないように思うけど、そんなことないという話です。
しかも、まずアクティブ投信は、この平均の成績以下にしかなりませんよというのが全編にわたり繰り返し出てきます。
このあたりのコストのことは山崎元さんなんかがよく言いますね。
市場は、昨日、今日のように1日で数%動くこともあります。そういう数字とこういう数字をごっちゃにしてはいけないということです。
他にも、マラソンのエピソードやMr.マーケットの話などもなかなかよかったです。
一点、
143ページ
「自分自身でアクティブ運用する投資家の成績はこれよりはるかに悪い」。
これは、結果的には私自身の20年ちょっとの運用にはあてはまらないです。
米国株だけの20年のインデックス投資と比較したらどうかなー、それはわからないけど、
日本株の指数との比較だったら、明確に大きく勝ってはいます。
ただ、これは「ずる」というか、いろんな「たまたま」「まぐれ」が含まれた結果です。
IPOは通常の市場での売買とはかなり異なる面がありますが、ここから得られている利益の部分が
かなり大きく、数字的にもここの貢献が大きいというところがありますから。
別に自分自身が銘柄選択や売買が上手なわけでは全然ないですね。
「たまたま」持っている銘柄の中で大きく上昇してくれるものがあったというところも大きいです。
しかし、この「たまたま」「まぐれ」も、なにもせずにそういうことがあるわけではなくて、そういうことが
おこる前提条件は整え、そういう場所にはいたということで、そこは評価していいのかもしれません。
まあ、よいところは、自分の意識としては無理な売買はほとんどしないというところと、
メンタル的に大きく動揺することが減少したということでしょうか。
つまり、上手ではないけど、「ド下手」「最悪」となるケースは少ないということです。
インデックスファンドの利点や意味はわかりました。ですが、日本株については、ここからも「アクティブ」でいきます。
それは結局インデックスに負けるかもしれませんが、これはまさに自己責任であり、同時に大きな楽しみでもあります。
139ページ
「アクティブ運用をしていると面白くてわくわくするだろう。しかし、投資は遊びではない。」
そうかな-、インデックスファンド推奨系の本は、こうした指摘があることがわりと多いような印象があります。
趣旨はわかりますが、投資を「遊び」、「遊び」というと何かイメージがよくない「エンターティンメント」と言い換えましょうか(^_^;)、
にして何が悪いのかと思います。
当然、一発勝負の博打的売買とか、無理をしてレバレッジをかけたような売買なんていうのは、人生そのものを大きく狂わす可能性もあり、
すすめられるものではありません(細かい単位での場合はともかく)。
が、自分なりの一定の相応に合理的と思えるルールの範囲でアクティブ投資をすすめることは、人生におけるかなり大きな楽しみともなりえ、
同時にその果実を得られる可能性もあるものです。ここらあたりのことをどなたがいい感じで書いてもらえないですかねー。
億近のレポートなんかはこのイメージに近いものがあるのですが。
銘柄研究所
https://double-growth.com/category/labo/
まあ、これはインデックスファンド投資の合理性と対立するようなことでもないんですけどね。