唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
F-35で米国側が甘言
9月28日に「最初の一機、最後の一機」と題する小文を書いた(see here)。その最後に「F-22の導入が不可となって以降、FXの選定に大きな遅れが出ているが、国内製造、更には改良開発可能な事を第一条件として、速やかに決定し、導入する必要がある」と、郷秋<Gauche>は書いた。
それはつまり、まだ出来てもいないし、日本国内での生産が出来ないF-35でもなければ、基本設計が古く、騒音が大き過ぎるF/A-18E/Fでもなく、ステルス性で劣るなど、4.5世代とも云われるが、国内での生産が可能で、次々機FXとなり得る完全国産戦闘機を作るための技術習得が可能なユーロファイター・タイフーンに決定し、一日も早く導入せよと云う意味である。
航空自衛隊はF-86以来常に米国製戦闘機だけを主力戦闘機として使ってきたことから、ヨーロッパ製の戦闘機にスイッチすることを躊躇しているきらいがある。米国も、共同作戦を展開する際の障害になり得るなどと「脅し」かけている気配もあるが、NATO軍ではタイフーンが米軍機と共同作戦を展開している事実を考えれば、まったく問題にもならないことである。
戦闘機を持つ以上、仮想敵国に付け込まれないだけの圧倒的な戦力を持った最新鋭機を配備することが望まれるのは当然だが、今の日本に必要なのは、それ以上に、遠くない将来に完全国産の戦闘機を作るための技術を習得、蓄積できる戦闘機である。その点から最も相応しいのがユーロファイター・タイフーンなのである。
そんな日本の事情を知っている米国側が、機体の組み立てや構成品の生産など一部国産化を認めている内容の提案書を防衛省に提出したとの報道。その価格と共にF-35を導入する際の大きな障害になっている「国産化」条件を緩和することで、FX選定を有利に進めようと云う米国側の魂胆である。
しかしだ、そんなことを真に受けて契約を結んでも、結局は「ノックダウン」しかできないなんて結果が待っている可能性は大ありだ。いま日本に必要なのは目先の抑止力ではなく、自力で自国を守ることが必要だと云う確固たる信念である。米国の圧力・甘言に屈せず、惑わされず、己の行くべき道をしっかりと歩まなければならないのである。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、なるせの森の谷戸奥の田んぼでの稲架掛け(はさがけ、刈り取った稲を天日干しにする)作業。