「政府専用機」危うし

 1991年に受領、1993年から正式な運用が開始された2機の政府専用機、ボーイング747-400(ダッシュよんひゃく)の今後が危うい状態となっている。

 

 問題の発端はJALの経営破たん後の再建策として、JALがすべての747を売却したことである。2機の政府専用機、747-400は航空自衛隊に所属する「軍用機」だが、整備は国内では747の運行と整備に関して最も実績のあるJALに委託されていたのである。そのJAL自身が既にすべての747を売却した今、メンテナンス用のパーツの在庫は無くなり、同時にメンテナンス技術のノウハウも失われようとしているのである。

 

 飛行機は、完璧な整備工場の存在いなくしては飛ぶことは出来ないが、整備工場はあっても747の整備が出来ない工場では話にならない。ならばANAに委託すればよいではないかと郷秋<Gauche>は考えたのだが、そうこうするうちにANAもまた、経営の効率化を図ることから2015年までには747を全機退役させる方針を打ち出した。2015年以降は、国内で747を運行(と同時に整備を)するエアラインが無くなってしまうのである。

 

 件の747は既に機齢20年だが、747は優に30年以上使うことが出来るから、本来退役の時期ではないが、この際、運航効率の良い中型機、具体的にはボーインク787にリプレイスし、さらに国内および近距離海外への移動用には10機程度のMRJを購入すればよいだろうと郷秋<Gauche>は常々主張していた。しかしだ、3.11震災の復興予算捻出のためにはそんな贅沢もいっていられない状態になってしまったのである。

 

 八歩塞がりであるなぁ。しかしだ、発想を変えて、3.11以来停滞する日本経済活性の起爆剤として、純国産のMRJ10機、その機体の30%が日本製であることから「準国産機」とも云われる7872機、どど~~~んと買ってみてはどうだろうか。ついでにと云っては何だが、FX(次期主力戦闘機)は100%国産化、国内向けの改良・改造可能なユーロファイター タイフーンを導入する。この二策で国内の航空機産業は大いに活気づく事、間違いなしだ。

 

 航空機産業は自動車産業以上にすそ野が広い産業である。航空機産業が活気づけば、多少時間はかかっても間違いなく国内のあらゆる産業にその影響が出てくるはずである。それは単なるカラ元気ではなく、高度な産業技術の蓄積となってあらゆる分野の底上げにつながるだけではなく、来たるべき純国産戦闘機製造の礎となることは間違いない。こと航空機産業に関しては、日本国内での技術蓄積の可否を最優先項目として検討・判断しなければならないと、郷秋<Gauche>は激しく思うぞ。

 

 

例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、数日前に作成した「アソート」。中身の3点は、いずれもこれまでにご覧いただいたものですが、この3点を撮らせていただいたお宅(全て同じお宅のものです!)へのプレゼント用に「アソート」として一枚にまとめたもの。評判が良ければポストカードにもしてみようかと思っております。説明の要もないかとは思いますが、右が桜(幹から直接咲いた花)、左上が枝垂れ梅、下が紫陽花です。

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