唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
ウィリアムズは復活したのか
2012年F1第5戦スペインGP。誰もが予想だにしなかった、ウィリアムズFW34を駆るパストール・マルドナードがPole to Finishで優勝。スタートでこそアロンソに先行されるが、落ち着いたレース運びとチームの戦略は見事で、ウィリアムズのそしてマルドナードの優勝はフロックではなく、まさに賞賛に値いする一勝である。
それにしても、ウィリアムズの勝利は2004年最終戦(エンジンはBMW、ドライバーはファン・パブロ・モントーヤ)以来だと云うから、1980年代後半の「常勝ウィリアムズ」を知る身には、めでたいとは云いながらもいささか複雑な思いである。
2011年は絶不調をかこったウィリアムズ。今シーズンは開幕前のテストから好調ぶりが伝えられ、ついに第5戦にして8年振りの勝利の美酒を味わった訳だが、果たしてこれがウィリアムズ復活の嚆矢かと問われれば、郷秋<Gauche>は「否」と答える。
先にも書いたようにカタロニアでの、ウィリアムズのそしてマルドナードの戦いぶりは見事であったが、果たして次戦モナコでも同様の結果を導き出せるかと云えば、間違いない否。ウィリアムズは勝てない。勝てないどころかポイント獲得もおぼつかない事だろう。
それは何よりも、今シーズン5戦を経て勝者がすべて違うことが既に証明してくれている。中・上位のマシンのポテンシャルは拮抗し、僅かなタイヤ戦略が結果を左右するのが今年の今年のF1である。初戦優勝のバトンはセパンでは14位、セパン優勝のアロンソは上海では9位、上海優勝のロズベルクがバーレーンで辛うじて5位。バーレーン優勝のベッテルがカタロニアでは健闘空しく6位。優勝できてもそれが速さの証明とはならず、単に上手くいった結果でしかないのが2012年年のF1なのである。
ところでウィリアムズに8年振りの優勝をもたらしたマルドナードはベネズエラ人(ちゃんと国歌が用意されていた!)。8年前に「最後の」優勝をプレゼントしたのも南米・コロンビア出身のモントーヤ。常勝時代にはブラジル人のネルソン・ピケが在籍していたし、かのアイルトン・センナ・ダ・シルバが事故死したのもウィリアムズである。なんだかやたらと南米とは関係の深いウィリアムズであるが、昨シーズン、ウィリアムズを最後にF1から去って行ったブラジル人、ルーベンス・バリチェロはマルドナードの初優勝をどんな思いで見ていたことだろうか。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は。最近めっきり見る機会が少なくなった尺取虫。見かけないから尺を取るのを止めたのかと云うとそうではなく、ご覧のように相変わらず一所懸命尺を取りながら歩いておりました。お顔にピントが合っていないのはご愛嬌(^^;。