唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
「ブレない男」と「偏屈オヤジ」の境目はどこに
あのフィーバー(古い!)はどこに行ってしまったのだろうか。そう、もう20世紀末の出来事だったのだろうかと思える程に、記憶の遙かかなたに飛び去ってしまった出来事、金環日食の事である。
先週月曜日辺りから郷秋<Gauche>の人気が急激に高まったようで、やたらと声をかけられることが多くなった。何のことはない、声をかけられる理由は金環日食。そしてその内容はこの二つ。
「金環日食、撮るんですよね。撮ったら見せてください」
「金環日食、どうしたらきれいに撮れますか?」
そのたびに、「僕は別に天文ファンじゃないし、特に興味もないから撮らないよ」と答えるのだが、一様に白けた顔をされたものだ。白けられても、こちらが困る。郷秋<Gauche>は好きなものしか好きじゃないし、興味があるものにしか興味が無いし、撮りたいものしか撮らない。先にも書いたけれど、特に嫌いと云う事もないけれど特に好きでもない、つまりほとんど天文関係については興味が無いから、次に見られるのは何十年後、何百年先だからと云われても見る気も見るつもりも無いから、申し訳ないけれど「撮らないよ」と、にべもない返事しかしようがない。
そんなことを何度か繰り返していたら、ある女性が「郷秋<Gauche>さんはブレないんですね」と云った。云ったというよりは「云って下さった」。そうだよ、郷秋<Gauche>はブレないんだよ。「ありがたやありがたや」と思ったけれど、要するにそれって「自分の考えを曲げない偏屈オヤジなんですね」と同じ意味なんじゃないかと、今日になって気が付いた。
「ブレない男」はちょっとカッコいい気もするけれど、「偏屈オヤジ」は文字面からしてダサい。自分の考えを容易には変えないと云う意味ではどちらも同じことだろうが、でも、印象が随分違う。「ブレない男」と「偏屈オヤジ」の境目はいったいどこにあるのだろうか。