週末にBABELの試写会に行ってきました。日本人女優、菊地凛子さんが助演女優賞でアカデミー賞にノミネートされたことでも話題になったモロッコ・アメリカ/メキシコ・日本が舞台のヒューマンドラマ。
あらすじはモロッコを旅行中のアメリカ人夫婦が何者かによって銃撃を受け妻が負傷する事件が起き、同じ頃東京に住む聴覚障害のある女子高生(菊池凛子さん)は満たされない毎日と偏見にいらだち、孤独な毎日を送ってた。アメリカで白人宅のベビーシッターをしているメキシコ人は、息子の結婚式の日にベビーシッターを休めなくなりある行動を起こす・・・。
それぞれの国で起こる出来事は人間の愚かさの象徴する旧約聖書に書かれる『バベルの塔』をモチーフにしていて、異なる事件が絡み合いながら同時進行する・・・という映画。
あらすじにもあるようにこの映画では菊地凛子さんが演じる聾唖の女子高生が登場します。通常日本で公開される洋画の場合日本語の字幕が付きますが、当初『BABEL』の日本公開版では日本語シーンに日本語の字幕がなかったそうです。日本人女優が聾唖の役を演じ評価されたということでも話題になり、この映画の中では多くの聾唖の方がエキストラとしても参加されていたのにそのままの状態では聾唖の方たちが日本語シーンがわからず映画を理解出来ない状況になっていたのです。
偶然ですが今回、試写会に誘ってくれた友達のお友達も聾唖の方で日本版の日本語シーンに字幕を入れてもらえるように私のお友達も署名活動を手伝っていたそうです(ニュースにもなっていた話だったので、ビックリしました)。彼女のお友達曰く、字幕のある映画は健常者の友達と一緒に対等に楽しむことのできる大切なアミューズメントなのだそう。この映画の中でも『音のない世界』を表現するシーンが登場するのでとても切ない気持ちになりました。このようなことが、コミュニケーションの"難しさ"と"大切さ"がテーマのこの映画で言いたかったことなのではないかと考えさせられました。(※署名活動後、ギャガから『全フィルム日本語字幕をつける』連絡が入ったそうです) 関連記事:バベルにも字幕を
これから公開される話題の映画なので、私の(どうでもいい)感想は追記に書きますね(ネタバレあり)
先週見た「ホリデイ」の予告やTVCMで『絶対見たーい』と思っていたBABEL。すっごく楽しみにしていたけど、この映画は(ジャンルとして)楽しむ映画ではありませんでした。見終えてなんだか切ないような悲しくなる映画、たぶんそれは聖書に書かれていたくらいの昔のお話がこの現代でも大きな問題になっていて結局人間は変わらないんだなぁと思ってしまうから。
①モロッコ山岳部の羊飼いの兄弟に、オオカミを撃つために与えられたライフルで誤ってツアーバスを打ってしまう。②そのツアーバスに乗っていたのは夫婦仲を改善しようとモロッコ旅行に来ていたアメリカ人夫婦。奥さんが打たれまともな病院もない田舎の村に足止めされる③そのアメリカ人夫婦の家のベビーシッターのメキシコ人は夫人の事故で他のシッターが見つからず翌日メキシコで行われる息子の結婚式に子供たちを連れて行くことに④東京の聾唖の女子高生は、自殺した母のこともあり父との関係もギクシャクしている。思春期の時期だけに障害者として異性に見られることに強い反感を覚えながら異常な行動に出る。モロッコでのアメリカ人銃撃事件のライフルの所有者であった父親に尋ねてくる刑事に淡い想いを抱き・・・
と①~④の都市での出来事が交差するのですが、正直④の日本の話は①~③の話に対して関わりも少なく、別の映画としてある話のように思えてしまいました。(つながりがうまくなかったというか??)演技のことはよくわからないけど、菊池凛子さんの演技は文字通りかなり体当たりです。ビックリしたと同時に、女性から見ると(映画の内容とかは別として)あまり気分のいいものでなかったかな・・・とりあえずなんだか日本のシーンだけかなり偏ってます。
ラストは『この現代に改めて問う』という感じの終わり方。住む場所や話す言葉、立場や環境が違っても人間は何度も同じこと(戦争や差別など)を繰り返したりしているということが訴えたい映画なのかな~?という感想です。これから見られる方たちの感想も聞いてみたいです(私も友達も『コレ』っという結論が出なかったので)自分自身、あまり理解していないのでワケのわからない感想ですが以上。