ゴエモンのつぶやき

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障害者ニーズと隔たり/施設委託費 那覇市が半減

2008年04月13日 21時32分25秒 | 障害者の自立
障害者ニーズと隔たり/施設委託費 那覇市が半減

 障害者が創作活動などを通して交流する地域活動支援センターの利用実績が要綱の基準を満たさないことを理由に、那覇市が本年度事業委託費の半減を決めた問題は、障害者の自由な活動の場を目指す施設側と、生産性や効率を求める行政側との間で考えに大きな隔たりがあることが浮き彫りになった。障害者が必要とするセンターとは何か。利用者の目線に立った契約の見直しが求められている。(社会部・座安あきの)

運営者の責任


 実績を重視した委託契約要綱は障害者自立支援法に基づき市が二〇〇六年度に策定。市は三月末、一日当たりの利用人数が要綱の最低基準の五人に届かなかった支援センター「はんたぴあ」に対し、〇八年度は契約しない方針を伝えた。別の支援センター「あごら」については前年度の委託費五百五十万円の基準だった十人を下回ったとして三百万円に減額して契約することを通知した。

 これに対し利用者や運営者が反発。市は今月に入り、利用者としての正式登録はしていないものの利用している人をカウントする形で、両センターとの契約更新を決めた。

 これにより「あごら」は前年度並みの委託費を維持できる見通し。

 一方「はんたぴあ」は委託費が半減するため、「職員の人件費も捻出できない」として前年度並みの契約を求めている。だが市は「利用人数を確保できなかったのは運営者の責任」とし、これ以上の話し合いには応じられないとの姿勢だ。


潜在利用者も


 県内にあるセンターの多くは、家族や地域が障害者の受け皿の必要性から築いてきた小規模作業所が前身。両センターが利用人数基準を達成できなかった背景には、主に精神障害者を受け入れてきた事情がある。「あごら」の久保田誠施設長は「精神障害者は体調に波があり、定期的な通所を求めるのは彼らの回復を制限する」と話す。

 二十歳を過ぎて発病した利用者の女性は「仕事中に幻聴が聞こえたり、急に落ち込んだりしてもここならみんなが理解してくれる。少しずつ自信を取り戻しているのに、この場所を失うとまた元の状態に戻るのでは」と不安げ。

 あごらの登録者数は市の利用人数の基準を大幅に上回る三十人。実際に利用した人だけをカウントする市の基準では、潜在的な利用者の存在が無視される。久保田施設長は「いつでも利用したいときに利用できる本来のセンターの役割が今の要綱では果たせない」と矛盾を指摘した。