社会福祉法人・札幌この実会は二十三日までに、入所者に地域のグループホームなどで自立生活を送ってもらおうと、同市西区の知的障害者入所施設「手稲この実寮」を廃止した。健常者と障害者が共に暮らすノーマライゼーションの考えが浸透する中、入所施設解体の動きが進んでいるが、道保健福祉部は「道内初のケースでは」としている。
同寮は一九七三年開設。八〇年代以降、障害者は施設から地域に生活の場を移すべきだ-として、最大五十人の定員を徐々に減らしてきた。
その一方、同市内の住宅やアパートを借り上げ、入所者が専門家の支援を受けながら共同生活を送れるグループホームなどを整備。計八十七人が、グループホームなどに移住し、昨年一月で入所者はゼロになった。今年三月末、廃止を道に届け出た。
知的障害者の入所施設をめぐっては、国立で唯一の施設「のぞみの園」(群馬県)が五年前に新規入所を中止。宮城県や長野県などでも「脱・施設」の取り組みが広がる。
道も二〇〇六年、同年施行された障害者自立支援法に基づき、道内に約一万二千人いる身体・知的障害の入所者を、一一年度までに14%削減する目標を立てた。
同法人専務理事の加藤孝さん(68)は「三十五年かけて、障害者を地域に戻せた。今後の課題は受け皿の充実。住居と所得保障、日常の生活支援態勢の確保が急務だ」と話す。
同寮は一九七三年開設。八〇年代以降、障害者は施設から地域に生活の場を移すべきだ-として、最大五十人の定員を徐々に減らしてきた。
その一方、同市内の住宅やアパートを借り上げ、入所者が専門家の支援を受けながら共同生活を送れるグループホームなどを整備。計八十七人が、グループホームなどに移住し、昨年一月で入所者はゼロになった。今年三月末、廃止を道に届け出た。
知的障害者の入所施設をめぐっては、国立で唯一の施設「のぞみの園」(群馬県)が五年前に新規入所を中止。宮城県や長野県などでも「脱・施設」の取り組みが広がる。
道も二〇〇六年、同年施行された障害者自立支援法に基づき、道内に約一万二千人いる身体・知的障害の入所者を、一一年度までに14%削減する目標を立てた。
同法人専務理事の加藤孝さん(68)は「三十五年かけて、障害者を地域に戻せた。今後の課題は受け皿の充実。住居と所得保障、日常の生活支援態勢の確保が急務だ」と話す。