少し時期はさかのぼりますが、今でもこの現実に大差はないのです。
応益負担が無くならない限りは、今の負担軽減措置が打ち切られて大きな経済的負担を強いられるかは、隣り合わせです。
いつ負担が増えるか、脅えながらの私たち当事者の毎日の生活です。
安心して暮らせる日は本当に来るのか・・・。いつも不安を拭いきれない毎日です。
「障害者自立支援法」が施行(2006年4月)されて9ヶ月が過ぎた。人間が生きていくうえで欠かせない排便、食事といった活動にまでお金を課すというこの悪法は、「障害者自『殺』支援法」といわれる。実際、昨年11月には札幌市の区役所敷地内で障害者が抗議の自殺をする事態も起きている。
介助者の報酬単価も引き下げられるなど、障害者を取り巻く環境は厳しくなるばかりだ。何とかしてほしい―窮状を訴えるメールがJanJan編集部に寄せられた。発信者はNPO法人『自立生活センターHANDS世田谷』で介護派遣コーディネーターを務める篠部洋介氏。
住宅地図を頼りに訪れた『HANDS世田谷』は、東京・世田谷豪徳寺の閑静な住宅街にあった。ガラス張りになっているので、中で何をしているのかが、手にとるようにわかる。地域とのコミュニケーションを大事にするためだ。
『HANDS世田谷』は16年前に産声をあげた。場所は先々代の理事長宅(用賀)のガレージ。メンバーはわずか3人だった。現理事長の横山晃久さんもこの3人の中にいた。
『HANDS世田谷』の「売り」は、障害者がプランニングする障害者のための介助だ。健常者の立場から考えた行政のお仕着せのような、介助ではない。
例えば一人暮らしを始める障害者がアパートを探している場合。メンバーが一緒に不動産屋回りをする。障害者の視点に立って物件を選ぶので、住みやすいのか住みにくいのかがよくわかる、と好評だ。
スタートした16年前はひと月に3~4件しか仕事の依頼がなかったが、今ではひと月40~50件にまで増えた。16人の常駐スタッフ(うち障害者は10人)が、障害者の立場に立った介助のために知恵を出す。そしてスタッフ(主に健常者)を派遣する。
地域に根付いた事業は順調に進んでいた。ところが昨年4月、天下の悪法「障害者自立支援法」が施行された。障害者は介助費用の1割を負担しなければならなくなったのだ。重度の障害者であればひと月の負担額は、2万4,600円~3万7,000円となる。当然、障害者は介助を受けるのを手控えるようになる。『HANDS世田谷』には痛手だ。
「そもそも稼ぎがない障害者がどうやって金を払えるのか」「僕はトイレの中で食事をしてるんです。介助は時間でお金を取りますから」。横山理事長は憤る。自身が障害者である横山理事長も毎月3万7,000円を負担している、という。
何でも小泉改革のせいにするのは明らかにステロタイプなので当てはめたくない。だが、「障害者自立支援法」は明らかに小泉改革の悪しき面と言われる「弱者切捨て」である。
「世の中だんだん住みにくくなってきた」。取材の最後に横山理事長は呻くように言った。
◇
『HANDS世田谷』では介助スタッフ(時給1,000円)を募集中。
ホームページアドレス
http://www.sh.rim.or.jp/~hands/
応益負担が無くならない限りは、今の負担軽減措置が打ち切られて大きな経済的負担を強いられるかは、隣り合わせです。
いつ負担が増えるか、脅えながらの私たち当事者の毎日の生活です。
安心して暮らせる日は本当に来るのか・・・。いつも不安を拭いきれない毎日です。
「障害者自立支援法」が施行(2006年4月)されて9ヶ月が過ぎた。人間が生きていくうえで欠かせない排便、食事といった活動にまでお金を課すというこの悪法は、「障害者自『殺』支援法」といわれる。実際、昨年11月には札幌市の区役所敷地内で障害者が抗議の自殺をする事態も起きている。
介助者の報酬単価も引き下げられるなど、障害者を取り巻く環境は厳しくなるばかりだ。何とかしてほしい―窮状を訴えるメールがJanJan編集部に寄せられた。発信者はNPO法人『自立生活センターHANDS世田谷』で介護派遣コーディネーターを務める篠部洋介氏。
住宅地図を頼りに訪れた『HANDS世田谷』は、東京・世田谷豪徳寺の閑静な住宅街にあった。ガラス張りになっているので、中で何をしているのかが、手にとるようにわかる。地域とのコミュニケーションを大事にするためだ。
『HANDS世田谷』は16年前に産声をあげた。場所は先々代の理事長宅(用賀)のガレージ。メンバーはわずか3人だった。現理事長の横山晃久さんもこの3人の中にいた。
『HANDS世田谷』の「売り」は、障害者がプランニングする障害者のための介助だ。健常者の立場から考えた行政のお仕着せのような、介助ではない。
例えば一人暮らしを始める障害者がアパートを探している場合。メンバーが一緒に不動産屋回りをする。障害者の視点に立って物件を選ぶので、住みやすいのか住みにくいのかがよくわかる、と好評だ。
スタートした16年前はひと月に3~4件しか仕事の依頼がなかったが、今ではひと月40~50件にまで増えた。16人の常駐スタッフ(うち障害者は10人)が、障害者の立場に立った介助のために知恵を出す。そしてスタッフ(主に健常者)を派遣する。
地域に根付いた事業は順調に進んでいた。ところが昨年4月、天下の悪法「障害者自立支援法」が施行された。障害者は介助費用の1割を負担しなければならなくなったのだ。重度の障害者であればひと月の負担額は、2万4,600円~3万7,000円となる。当然、障害者は介助を受けるのを手控えるようになる。『HANDS世田谷』には痛手だ。
「そもそも稼ぎがない障害者がどうやって金を払えるのか」「僕はトイレの中で食事をしてるんです。介助は時間でお金を取りますから」。横山理事長は憤る。自身が障害者である横山理事長も毎月3万7,000円を負担している、という。
何でも小泉改革のせいにするのは明らかにステロタイプなので当てはめたくない。だが、「障害者自立支援法」は明らかに小泉改革の悪しき面と言われる「弱者切捨て」である。
「世の中だんだん住みにくくなってきた」。取材の最後に横山理事長は呻くように言った。
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『HANDS世田谷』では介助スタッフ(時給1,000円)を募集中。
ホームページアドレス
http://www.sh.rim.or.jp/~hands/