知的障害、発達障害などで判断力やコミュニケーション能力に問題がある人は、災害時の避難や生活に大きな困難を伴う。行政の対応を求めるとともに、さまざまな自助の取り組みも出てきた。
日本自閉症協会(東京)は先月、支援者向けに「防災ハンドブック」(A6判、二十三ページ)を作った。
自閉症の人たちは▽想像力が弱く危険が迫っていることを理解できない▽困っていることを他人に伝えられない▽声をかけられても適切な返事ができない▽避難生活に混乱して集団行動も取りにくい-などの問題を抱えやすい。
ハンドブックでは「指示や予定は明確に」「大声でしかるのは逆効果」といった対処の基本を解説。一般の避難所では生活できない人のための「福祉避難所」の大切さを訴えている。
同協会では「日常からの積み重ねが大切。親たちがハンドブックを手に、周囲への理解を求めていってほしい」と話す。
◇
知的障害、発達障害の人は、日常生活でも迷子になったり、挙動不審で通報されたりと、さまざまな災難に巻き込まれることがある。東京都板橋区の福祉関係者らで組織する「板橋安心ネット」では、名刺大の「いたばしSOSカード」を作った。地域の障害者団体や警察が連携し、トラブルに対処する目的だ。
「このカードの持ち主はあなたの助けを必要としています。困っていたり、トラブルにまきこまれている時は、裏面の電話番号にお知らせください」と表記。裏面には、会員番号や連絡先、生年月日などの情報を載せている。板橋安心ネットの加盟団体を利用する障害者が登録し、カードを取得できる。
ネット事務局の桜井基樹さんは「地域全体で障害者を支えていく姿勢を示したカード。障害への理解が警察、消防、コンビニなどに広がっていくことが大事。それが災害時にも大きな力になると思う」と話す。
◇
災害時に支援が必要な高齢者、障害者などの「要援護者」について、国は二〇〇六年に指針をつくった。防災と福祉の関係部局で横断的なチームをつくり、情報を共有して支援に当たることなどを定めているが、各自治体の取り組みはまだ温度差が大きい。
長野県松本市では、各地区で「防災と福祉のつどい」を開催。住民や行政職員が地域の課題を話し合うほか、地域の高齢者、障害者の家庭を訪ねて、要援護者台帳への登録を呼び掛けるなどの活動をしている。
「互いに知り合い、信頼関係を築くことが緊急時に役立つ。今、要援護者の支援プランを作成中。障害のある人をだれが福祉避難所に連れて行くか、専門家とどう連携するか、なども盛り込んでいきたい」と同市の防災担当者。
九月一日の防災の日には、中学生も参加して福祉避難所の設置運営の訓練を行う。
日本自閉症協会(東京)は先月、支援者向けに「防災ハンドブック」(A6判、二十三ページ)を作った。
自閉症の人たちは▽想像力が弱く危険が迫っていることを理解できない▽困っていることを他人に伝えられない▽声をかけられても適切な返事ができない▽避難生活に混乱して集団行動も取りにくい-などの問題を抱えやすい。
ハンドブックでは「指示や予定は明確に」「大声でしかるのは逆効果」といった対処の基本を解説。一般の避難所では生活できない人のための「福祉避難所」の大切さを訴えている。
同協会では「日常からの積み重ねが大切。親たちがハンドブックを手に、周囲への理解を求めていってほしい」と話す。
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知的障害、発達障害の人は、日常生活でも迷子になったり、挙動不審で通報されたりと、さまざまな災難に巻き込まれることがある。東京都板橋区の福祉関係者らで組織する「板橋安心ネット」では、名刺大の「いたばしSOSカード」を作った。地域の障害者団体や警察が連携し、トラブルに対処する目的だ。
「このカードの持ち主はあなたの助けを必要としています。困っていたり、トラブルにまきこまれている時は、裏面の電話番号にお知らせください」と表記。裏面には、会員番号や連絡先、生年月日などの情報を載せている。板橋安心ネットの加盟団体を利用する障害者が登録し、カードを取得できる。
ネット事務局の桜井基樹さんは「地域全体で障害者を支えていく姿勢を示したカード。障害への理解が警察、消防、コンビニなどに広がっていくことが大事。それが災害時にも大きな力になると思う」と話す。
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災害時に支援が必要な高齢者、障害者などの「要援護者」について、国は二〇〇六年に指針をつくった。防災と福祉の関係部局で横断的なチームをつくり、情報を共有して支援に当たることなどを定めているが、各自治体の取り組みはまだ温度差が大きい。
長野県松本市では、各地区で「防災と福祉のつどい」を開催。住民や行政職員が地域の課題を話し合うほか、地域の高齢者、障害者の家庭を訪ねて、要援護者台帳への登録を呼び掛けるなどの活動をしている。
「互いに知り合い、信頼関係を築くことが緊急時に役立つ。今、要援護者の支援プランを作成中。障害のある人をだれが福祉避難所に連れて行くか、専門家とどう連携するか、なども盛り込んでいきたい」と同市の防災担当者。
九月一日の防災の日には、中学生も参加して福祉避難所の設置運営の訓練を行う。