障害者を取り巻く環境を「Dカルチャー」と名付け、障害を持つ人のあこがれとなるようなライフスタイルを紹介するウェブマガジン「D.culture」(http://disability-culture.jp/)が人気を呼んでいる。編集人は統合失調症当事者。著名人インタビューや体験ルポ、漫画、制度解説など、硬軟織り交ぜたコンテンツをそろえ、障害の有無に関わらず楽しめると評判だ。
「Dカルチャー」は「障害(disability)文化」の意味。障害をポジティブに、ジャーナリスティックな視点とエンターテインメント性の両面から捉えた新感覚の媒体を目指している。 <iframe class="teads-resize" style="height: 0px !important; width: 100% !important; min-height: 0px !important; margin: 0px; display: block !important; border-image: none; padding: 0px !important;"></iframe>
編集人の桐谷(きりたに)匠さん(57)=ペンネーム=は、業界紙記者やコピーライターの職歴を持つ。仕事のストレスなどから40代初めに統合失調症を患い、10年間ひきこもるように過ごした。「何もかも失った」と悲観する中、助けになったのは、障害がある人たちのネット上での発信。勇気をもらった一方、知りたい情報が網羅されたサイトがないとも感じた。
「それなら自分が読みたいものを作ろう」と、旧知の編集プロダクション経営者、山中俊幸さん(58)と「障害文化センター」を設立。2016年2月にウェブマガジン発行を始めた。デザインも工夫した。
これまでインタビューで取り上げたのは、俳優のリリー・フランキーさん、作家の辺見庸さん、漫画家の卯月(うづき)妙子さんら。連載の執筆陣には、元パラリンピック陸上選手の花岡伸和さん、弁護士、発達障害があるフリーペーパー編集長ら、多彩な顔ぶれが並ぶ。統合失調症の漫画家の新連載も春に始まる予定だ。
フェイスブックとも連動し、1000近い「いいね」が付く記事も。ネットの双方向性を生かし、読者参加型の企画も検討中という。桐谷さんは「障害者は誰かを感動させようと思って生きているわけではない。等身大の姿を知ってほしい」と話す。

ウェブマガジン「D.culture」で当事者や家族に役立つ情報発信を続ける桐谷さん
毎日新聞 2018年1月17日
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます