人間になり損なった虎は、怖い虎のイメージのほかに、どこか間の抜けた、ある意味でお人よしなキャラクターとして民話の中にいくつか登場する。
代表的なものは、コッカム(干し柿)と虎であろうか。↓過去ログであるが、挙げておこう。
http://blog.goo.ne.jp/goomcnj0561/d/20120811
このほかにも、虎のキャラクターを、面白おかしく表す民話は多い。
ある日、うさぎ(ットッキ)が山を歩いていた時、突然、虎が現れてうさぎを捕まえてしまった。
腹をすかしていた虎は、早速うさぎを食べようとした。うさぎは必死に懇願して、
「虎様、私の様な、小さいものを食べても、おなかの足しにはなりません。私が、もっとおいしいものを差し上げますから、私を助けてください。」
虎はいかがわしそうに、うさぎを見ながら、
「何、本当に、そんなうまいものがあるのか。」
「私が、藪の中にもぐって、鳥たちを追い立てますので、虎様は、ここで、目をつぶったまま、口を開けて待っていてください。口に入った鳥たちを食べれば、いくらでも食べられます。」
すっかりその気になった虎は、大口を開けて待っていた。
うさぎは、大急ぎで藪に入ると、風上から火をつけて、急いで山の中へ逃げて行ってしまった。
早くうまいものを食いたいと、目を閉じて、口を開けて待っている、間抜けな虎のイメージが伝わって来る。
この話には続きがある。
ある寒い冬の夜、里の入り口で、うさぎは、バッタリ、虎に出くわしてしまう。
虎は、早速うさぎを捕まえて、
「この前は、良くも俺様をだましたな。今度こそ、お前を食ってやる。」
「虎様、もうしわけありませんでした。お詫びのしるしに、虎様に、美味しい魚を差し上げますので許してください。」
「こんな村里に、魚がいるわけがあるか。嘘をつくと承知しないぞ。」
「あそこに池があります、あの中には魚がたくさんいますので、虎様は、水の中にしっぽをつけて待っていてください。そうすれば、魚が寄って来てすぐにつかまえられます。」
虎は、魚の魅力に負けて、池の中に尻尾をつけて待っていた。
周りの寒気は、池の水を凍らせ始めていた。
虎が気が付いた時は、すっかり凍って、虎は動けなくなっていた。
うさぎはそれを見て、大喜びで、山へ帰って行った。
ーーーーーー
大体、朝鮮の民話に出て来る虎のキャラクターはこんなものが多いようです。
それでは、今日も勉強です。
①ホランイ ルル メンソン ウロ チャプヌンダ。
~ルル:~を。 メンソン:素手。 ~ウロ:~で。 チャプヌンダ:捕まえる。
②ホランイ タンベ モグル チョク。
タンベ:煙草。 モグル:吸って。 ~チョク:~頃。
②は、訳は難しくはありませんが、どんな意味でしょうか。