つれづれ写真ノート

   カメラと写真 そして世の中の色々なこと---

金星の太陽面通過NASA映像

2012年06月07日 | 宇宙

 金星の太陽面通過の映像をNASAが公開しています。

太陽観測衛星「SDO」が撮影したもの。

この動画が素晴らしいですね(NASA提供=You Tubeより)。

 

 金星は通常の軌道上にあって、なにも太陽面に最接近しているわけではないのですが、灼熱の太陽面をかすめていくように見えます。

NASAのSDOのページには、ダイナミックなYou Tube動画がほかにもたくさんあります。

 これなども迫力があります。特殊な波長の光(極紫外線?)で撮影しているようです(NASA提供=You Tubeより)。

 

 例えは適当でないかもしれませんが、グツグツ煮えたぎる地獄の釜の上を飛んでいるみたい。

太陽の、すさまじいエネルギー。それがあればこそ地球の生物は生きていられるのですが。

 

ところで、NASAの所有する静止画、音声ファイル及び動画素材について、NASAは通常著作権を主張していません(商用目的は別)。

おかげで、クレジットをつければ、個人のウェブページに自由に載せることができます。こうしたオープンな姿勢、ありがたいですね。

(いったんニュースメディアを経由した素材は、そのメディアが転載を許諾しない限り自由に扱えません)

 


次の天体ショーは…

2012年06月06日 | 宇宙

8月14日は「金星食」

天体ショー当たり年の今年。お天気に恵まれ、金環日食(5/21)も金星の太陽面通過(6/6)も見ることができました。

次の天体ショーは何かな、と思って調べたら8月14日早朝の「金星食」だそうです。

金星が月の裏側を通って隠れ、また現れる現象。

国立天文台のページ「金星食」によると、月の向こうに隠されることを「潜入」、月の向こうから現れることを「出現」と呼ぶそうです。

 

以下は地域別の金星食が見られる時刻(提供:国立天文台)

  主な場所での潜入時刻・出現時刻

場所  潜入開始時刻  出現開始時刻  日の出時刻
札幌   2時47分     3時50分     4時39分
東京   2時44分     3時29分     4時59分
福岡   2時41分     3時27分     5時40分
那覇   2時53分     2時56分     3時00分

出現の様子のイラストを同サイトからお借りします(提供:国立天文台)。

金星はいつ見ても、ほかの星より際立って美しく輝いています。大好きな星なのですが、午前2時~3時台という時間帯が少々しんどいですね。夜更かしをするか、途中で起きるか…

「今回のように、夜間、ほぼ日本全国で、金星食を潜入から出現まで観察することができるのは、とても珍しい(国立天文台)。」そうですが、さて、どうしましょうか…

 


金星の太陽面通過を撮影

2012年06月06日 | 宇宙

2012年の天文ビッグイベントの一つ、6月6日の「金星の太陽面通過(日面経過)」。

前日は曇。梅雨前線が近づいてきそうで、まさか見えるとは思わなかったのですが、大阪は晴れて、見ることができました。

さきの金環日食と同じく、日食グラスをカメラに張り付けてのイージーな撮影です。

金星の太陽面通過(2012年6月6日 午前10時47分。撮影地・大阪)

 

もうすこし拡大してみましょう(ピクセル100%画像)。

太陽の黒点らしき模様も見えます。

 

金星の太陽面通過は、金星が地球と太陽のあいだに入り、太陽面を小さな黒い円盤となって移動していく現象。今回が21世紀最後。次に地球上で観測できるのは105年先の2117年12月11日だそうですから、今の人たちが再び見ることはほぼありません。(参考サイト:国立天文台

そう思うと宇宙の壮大さ、永遠というものを深く感じさせられます。

 

午前11時26分の映像。あまり変わらないように見えます。約6時間半かけて、ゆっくり横切っていくそうです。

この日は、TBS テレビと産経新聞がそれぞれの YouTube チャンネルで生中継しています。

もう少ししてから経過をアップしようと、食事をしているうちに、金星の位置がかなり変わっていました。

午後0時44分撮影。もうすぐ終わりです。このあと雲が出てきたので、撮影を諦めました。

太陽の黒点の位置に注意すると、時間とともに太陽面が回転しているように見えます。また金星もカーブを描いて移動するように見えました。

調べて見ると、それは間違いではないようです。ただ、金星は実際には、太陽の上をまっすぐに横切っているそうです。

 

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撮影カメラ・レンズ

  Canon  EOS KissX4  

      TAMRON  AF 28-300mm 3.5-6.3 XR Di VC LD Aspherical[IF]Macro

撮影データ

  マニュアル露出 (絞りF11、シャッター速度1/100秒) 

  ISO感度  100

  焦点距離  260mm(35mm判換算 416mm)

                   *300mmでないのは、ズームレンズの自重によるズレ

  フィルター  日食グラスを利用した簡易フィルター

   画質  RAW

  ホワイトバランス  太陽光

  ピクチャースタイル  スタンダード

   画像処理  Digital Photo Professionalなどでコントラスト調整、トリミング 

 

 

 


金環日食 撮れた!

2012年05月21日 | 宇宙

お天気の偶然に恵まれて、金環日食が撮れました。

前夜は雨。これはだめだなと思いながらも一応目覚まし時計をセットして寝ました。

あくる朝午前6時半過ぎに起きると、なんと、まぶしい太陽がさんさんと。

日食グラスをかけて見ると、もう欠け始めているではありませんか。あわててベランダに三脚を立てて撮影。

太陽がリングになる時間帯には薄雲がかかってきたので、フィルターなしで通常の撮影となりました。

日本では25年ぶりの金環日食。(5月21日午前7時29分、撮影地:大阪)

 

  撮影カメラ : Canon  EOS KissX4  

  レンズ : TAMRON  AF 28-300mm 3.5-6.3 XR Di VC LD Aspherical[IF]Macro

  撮影データ

  マニュアル露出  絞り F11 / シャッター速度 1/2500秒

  ISO感度  100

  焦点距離  249 ㎜

   画質  RAW

  ホワイトバランス  太陽光

  ピクチャースタイル  スタンダード

  フィルター  なし

    画像補正  なし(トリミングなし)

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  というわけで、この一枚だけでもいいのですが、いろいろ試行錯誤をした過程も記しておきます。

日食撮影用のNDフィルターを買っていなかったので、日食グラスをレンズの前に張り付けて撮影開始。

 

ボール紙とビニールテープで、簡易NDフィルターの出来上がり。

どうですか、このやっつけ仕事。当日、起きてからやりました。

こういうことをしては本当はいけないという見本です。

市販のNDフィルター(ND 100000など)では、F11、1/125秒という露出の目安がありますが、日食グラスはそれより露出をかける必要がありました。目のために安全性を考慮してあるようです。

 

 

7時12分(F11、1/80秒、簡易フィルター)

 

7時24分(F8、1/10秒、簡易フィルター)

 

7時26分(F11、1/2500秒、フィルターなし)

 

7時28分(F11、1/2500秒、フィルターなし)

 

7時29分(F11、1/2500秒、フィルターなし)

 

7時31分(F22、1/4000秒、フィルターなし)

 

7時35分(F16、1/4000秒、フィルターなし)

 

7時44分(F8、1/50秒、簡易フィルター)

 

7時51分(F8、1/50秒、簡易フィルター)

 

マニュアル露出(F11、1/80秒)、ピント無限大で撮り始めました。

太陽は意外に大きく移動するものですね。フレームをはみ出すので、一定間隔の連続撮影はあきらめ。事前のシミュレーションができていないからこうなります…

 

太陽がリングになり始めたところで雲が出てきました。すぐに簡易NDフィルターをはずして通常撮影に切り替え。雲が厚くなったり薄くなったりで、マニュアルでの露出変更は難しかったですね。

 

雲が切れると、あっというまに露出オーバー。太陽の光は強烈!

露出を絶え間なく変えているうちに、いつの間にかISO感度も触ったらしく、後のコマはISO100から200に変わっていました。このため露出オーバーのままのコマも。ドジですね~

 

金環日食の間、あたりは少し暗くなり、風もこころなしか涼しく。

あらためて、壮大かつ不思議な自然現象を実感しました。

 

 


日食グラスは来たけれど

2012年05月20日 | 宇宙

5月21日朝の金環日食(金環食)に向けて、アマゾンで注文していた日食グラスが届きました。

晴れるかどうか分からないし…と思って安いものを。

AFOM(エイフォム)の日食グラス。480円。

 

何か子供向け雑誌の付録みたいなチープさ。かけてみると何も見えません(当たり前)。

蛍光灯も全く分からないぐらい。これなら大丈夫、目を傷めることもないでしょう。

 

問題はお天気ですね。少し前まで「曇時々晴れ」予報だったのが、東京・大阪などは今日20日時点で「曇」になってしまいました。

全国的にはどうでしょうか。tenki.jp(日本気象協会)から、当日の21日午前7時の「天気マップ」が発表されています。

14時発表のマップを見ると、金環日食が見られそうなのは東海地方と四国の香川県。部分日食は北海道・東北・北陸・沖縄で見られそうです。

どうしても見たければ東海地方へ! とくに一番の狙い目は愛知県の沿岸のように思います。

 

私はといえば無精なので、自宅にいて、かすかな可能性に望みをつなぎますが…

 


スプライトの映像

2012年04月22日 | 宇宙

雷雲の上に発生する光

4/22のテレビ NHKスペシャル「宇宙の渚」で、スプライト(sprite)なる珍しい映像を見せてもらいました。

宇宙ステーションからと、地上から飛行機を飛ばして撮影したみごとなものでした。

 

強烈な雷が発生するとその雷雲の上方に、瞬間的に赤い光の柱やクラゲのような形の発光が現れる現象。

NHKの高感度カメラのスローモーションで見ると、空中で強烈な閃光が走ったかと思うと上へも下へも光の粒がほとばしり、巨大な花火のようでした。自然の、恐ろしいほどのエネルギーです。

宇宙へ向かって放電が行われ、その電気が大きく広がって地球をすっぽり包んでいるのだそうです。地球は電気の星でもあるとか。そんなこと思ってもみませんでした。

 

試しにフリー画像を探してみると、学会の研究発表のような画像がありました(英語でないので内容は不明)。

Secuencia de inicio y desarrollo de un spriteSecuencia de inicio y desarrollo de un sprite / Kanijoman

 稲光のように雷雲から光の帯が連続するのではなく、はるか上空の、何もないところで突然光が現れ爆発するように見えます。不思議ですね。

ウィキペディアによると『高度約50~80kmで発光し、鉛直方向の大きさは20km程度、水平方向の大きさは数km~70km程度である。』と書かれています。

 専門の研究者以外の一般の人にも関心が広まっているそうです。

 

個人的には、雷は苦手。普通の稲光さえ怖くて撮る気がしません(雷写真コンテストなんていうのがあるんですけど…http://www.otowadenki.co.jp/contest/)。

NHKさん、雷雲の上を飛ぶ取材で危険性はなかったんでしょうか… クワバラ クワバラ …

 


キャノンが天体撮影専用一眼レフ

2012年04月03日 | 宇宙

キャノンが3日、天体撮影専用モデルの「EOS 60Da」を発表しました。

お! キャノンがまた新たな需要に応えましたね。

下はキャノンのホームページ

 

 

販売開始は4月中旬。同社直販サイト価格(ボディ単体)は154,800円。

 

星雲の赤みを再現

オリオン座大星雲(フリー画像)

 

「EOS 60Da」は、性能のほとんどが60Dと同じで、違うのは「Hα線の透過率を約3倍に上げた赤外カットフィルター」というところだけ。これによって、赤い星雲が鮮やかに写せるとのこと。

天体写真ファンの間でもデジタルカメラが主流になっていますが、悩みはデジタルカメラの撮像素子の前に付けられたローパスフィルター(正確にはローパスフィルターと一緒についている赤外線カットフィルター)が、Hα線という星雲の赤い波長の光をほとんどカットしてしまうことです。

このため、赤い星雲が赤く写らないのです。

撮像素子は人間の目以上に敏感で、赤外線にも感応。このため赤外線カットフィルターがないと赤っぽく写ってしまうので、同フィルターは必要なのですが、それが天体撮影にはじゃまになっています。

改造相次ぐ現状

そこで、ローパスフィルターごと赤外線カットフィルターを取り去ってしまう、荒っぽい改造が流行っています。価格的に安いEOS Kissの旧型から、60D、はては高価な5DMarkⅡまで改造してしまう人がいます。

改造を自分でやる人もいますが、とても難しく、下手をするとカメラが使えなくなってしまうため、専門のショップが2~3万円で請け負っています。

ローパスフィルターを取り外すことによって、ピントも変わってしまいますが、その辺は色々工夫されているようです。

こうした改造があまりに多いので、キャノンも見かねて(?)天体撮影専用の機種を出すことにしたのでしょう。ちょうど今年は、金環食をはじめ天体のビッグイベントが目白押し。天体撮影に興味を持つ人が増えるだろうと見込んだのかもしれません。商魂たくましきキャノン!

ただ、このカメラは普通に撮影すると赤っぽく写るはず。キャノンのページでも「赤外反射光の多い一般の被写体を撮影した場合は、実際より赤みがかった撮影画像になり、適切なカラーバランスが得られないため、一般被写体の撮影はお勧めできません。」と、お断りを入れています。あくまで天体撮影専用のカメラです。

馬頭星雲(下方)と、オリオン座の散光星雲。初心者でもこんな写真が撮れる?(フリー画像)

 

いまや風景写真の一分野 

星を写すという限られた目的のために、これだけのお金を出すのか---というのは一般の人の考え方。天文ファンにとっては待望のカメラでしょう。

天体写真というのは、これまで「難しい」「特殊なこと」というイメージがありました。「星を見るのが好き」というと、変わった人として冷やかす風潮も根強いものです。しかし、デジタルカメラの登場で、間口は広がり風景写真の一分野になってきたと「アサヒカメラ」4月号で特集しています。

それによると、手軽に使える赤道儀や、ペンタックスのアストロレーサーのように、ボディー内の手ぶれ補正機構を利用して星を追尾するアクセサリーもあるようです。

天体写真の垣根が低くなり、それほど苦労せずに撮れる時代になってきたのかもしれません。

 


宇宙への関心 月・金星・木星

2012年03月27日 | 宇宙

3つの明るい天体

月と金星と木星がほぼ一直線に並ぶ様子が、3月26日の夜に見られました。

月を挟んで、上に金星、下に木星という配置。

26日午後7時ごろ、帰宅途中にたまたま見たのですが「月を挟んで明るい星が二つ。あの星は何だろう」と思っていました。

翌日、新聞を見て判明。月を挟んで金星、木星がほぼ等間隔に並ぶ珍しい配置だったのです。(Astro Arts参照)

そこで一日遅れながら撮影してみました。いやあ、一日の違いは大きいですね、月の位置が左上に大きくズレ、一直線にはなっていません。

一応、月・金星・木星接近の図ではあります(上から月、金星、木星の順)。月の右上にかすかに薄い星の集まりが見えます。すばるのようです。

 

天文情報に詳しければ、1日前に珍しい写真が撮れたのですが…すみません(-_-;)。

無粋な電柱まで写ってしまって…

F1.8レンズを試す 

撮影的にはそれほど難しいものではありません。

三脚は必須。F1.8の明るい" シンデレラレンズ"を買ったばかりなので、使ってみました。

夜空の露出は、ISO感度を上げるか、シャッタースピードを遅くするかのどちらかです。

ISO感度を上げ過ぎるとノイズが目立ちます。逆にシャッタースピードを遅くしすぎると星が動いてしまいます。

下記の露出設定に落ち着きましたが、これがベストかどうかは分かりません。多少違う設定でも良いと思います。

ホワイトバランスも色々試した末に結局、オートに。少し青みが欲しかったので、Digital Photo Professionalで色温度を調整しています。

街中の悲しさで、背景の星の数を増やそうと長秒露出をすると、街灯の光などが空気に散乱して写真全体が明るくなってしまいます。月、金星、木星の背後に広がるたくさんの星---という写真を撮るには、人工光の少ないところへ行かないとムリですね。自動追尾装置も必要になってくるでしょうし、なかなか大変。

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撮影カメラ 

       Canon EOS Kiss X4   EF50mm F1.8 II

撮影データ

       マニュアル露出 (絞りF11  シャッター速度8秒)

       ピント  マニュアル(無限大)

       ISO感度 400

       画質  RAW

       ピクチャースタイル  風景

       ホワイトバランス  オート(Digital Photo Professionalで色温度調整)

       三脚使用

 

 

 


宇宙への関心 金環食

2012年03月10日 | 宇宙

5月21日(月)の朝、日本の太平洋側の広い地域で、 金環食(金環日食)が観測できます。

国立天文台の金環日食のページや、天文ファンのサイト「2012年5月21日は金環食(金環日食)を見よう!」が詳しい情報を提供しています。

日本国内で見られる金環食は1987年9月23日の沖縄以来25年ぶりとか。次回も2030年6月1日に北海道と、18年先になります。非常に珍しい天体ショーです。

しかも見られる範囲が広いのでたくさんの人に可能性があります。九州、四国、近畿、中部のそれぞれ南部、関東地方など広範囲で観測でき、とくに東京は中心食線(日食帯の中心線)が通るため、完全な(真円)金環食が見られます。

金環食が観測できる代表的な都市と大体の最大食時刻「2012年5月21日は金環食(金環日食)を見よう!」による)

•鹿児島 … 7:22:10頃
•高知 … 7:26:46頃
•大阪 … 7:29:52頃
•名古屋 … 7:31:35頃
•静岡 … 7:32:13頃
•東京 … 7:34:33頃
•水戸 … 7:36:22頃

惜しいのは平日の通勤時間帯ということ。当日、勤務を休めない人は、駅や通勤途上で日食グラスをかけてながめることになるのでしょうか。

大手カメラ店などではすでに日食グラスを店頭に並べています。

 値段はそれほど高いものではないのですが「当日、晴れるといいけどねエ~」と思いながら、買おうかどうしようか、迷っています。

 

 ビクセンの日食グラス

安全性などの面から、天文ファンのサイトおすすめ。

アマゾンで1,499円(3/10時点)

 

他のメーカーから、もっと安いものも色々出ています。

昔やったようにススを付けたガラスや下敷き、サングラスで金環食を見るのはやめたほうがよさそうです。目に悪い影響を与える可能性があるとして、メーカーが注意を呼び掛けています。

 

一方、カメラで撮影するのに必要なフィルターも販売されています。

 

マルミの太陽観測用NDフィルター DHG ND-100000。

横浜のCP+ 2012でも展示されていました。

口径58mmと77mmがあり、口径が合わない場合はステップアップリングを使用。

 

 

ケンコー・トキナーでは、減光フィルターとして光量を10万分の1にする角型の「Pro ND100000」、光量を1万分の1にする角型の「Pro ND10000」を用意。

光量を400分の1にする丸型の「ND400」を2枚重ねて使用する方法もあるそうです。

撮影するときは、ファインダーで直接太陽を見ることのないよう十分に気をつけ、デジタルカメラの場合、液晶画面を使用したライブビュー撮影が良いとのアドバイスも(ケンコー・トキナーのページ)

太陽の写る大きさについても考える必要があります。

太陽は撮影レンズの焦点距離の約1/100の大きさに 写るとされていて、35mm判のフィルム又は撮像素子(約36×24mm)に直径10mmで写しこむには約1000mmのレンズが要る計算になります。

こんな超望遠レンズを持っている人は少ないでしょう。

天文ファンなら望遠鏡を使うでしょうし、一般にはフルサイズカメラより、撮像素子の小さなカメラ、APS-Cサイズの一眼レフや高倍率ズームのコンパクトカメラのほうが適しているかもしれません(フィルターがつけられる機種)。

今年は、6月6日午前に、金星の日面通過(金星が太陽面をシルエットで通過)という珍しい現象もあり、2度も太陽を見上げることになりそうです。

 


宇宙への関心 オーロラ

2012年03月10日 | 宇宙

太陽表面の爆発現象による「太陽嵐」が地球に到達し、世界各地でオーロラが観測されたそうです。

9日のAP=共同の記事なので、新聞各紙とも内容は同じ。とりあえず10日の毎日.jpの記事から引用します。

『太陽表面の巨大な爆発現象「太陽フレア」で放出された電離ガス(プラズマ)などによる太陽嵐が地球に到達し、米東部時間9日未明(日本時間9日夜)、世界各地で幻想的な色を放つオーロラが観測された。 (中略) 今回のオーロラの原因となった太陽フレアは米東部時間6日に発生。プラズマは同8日に地球に到達し、同9日まで降り注いでいた。(共同)』

米アラスカ州で撮影された美しい写真(AP)が付いています。

太陽からプラズマが地球に届くまで2日かかるのですね。広大な宇宙。写真ファンにとって魅力的な世界です。(下はフリー画像。9日のAPの写真ではありません)

 
Northern Lights @ Aurora Village / Hyougushi

 ところで、オーロラを撮影するにはどんなテクニックが必要なのでしょうか。

「ヤムナスカ」という山岳・ネイチャーツアー会社のページ「オーロラ情報館」が参考になります。

それによると、オーロラ撮影の難しさは、

  • 暗い(夜なので当然。高感度、長秒露出が必要)
  • オーロラは動く(長秒露出が過ぎると、ぼやけてしまう)
  • いつ出現するかわからない
  • いつ消えるかわからない
  • 極寒の地(凍傷の危険、カメラの寒さ対策)

といったところにあるようです。とくに暗い中で動くものを撮るというのはとても難しいことです。ISOを高感度に設定すれば、こんどはノイズが発生してきます。

その中で、F1.4の明るいレンズがあるとして、露出の適切な組み合わせ例を見てみますと、

  • ISO感度  400   絞りF1.4  シャッター速度10秒
  • ISO感度  800   絞りF1.4  シャッター速度5~6秒
  • ISO感度 1600   絞りF1.4  シャッター速度2~3秒

などと出ています。レンズのF値が大きく(暗く)なれば、その分シャッター速度を遅くしなければなりません。つまり被写体ブレの可能性は大きくなります。(F値2.8以下がベター)

高感度に強い(ノイズが少ない)カメラ、明るいレンズがいいのは当たり前ですが、同サイトでは、コンパクトカメラでも、マニュアル露出ができるカメラなら撮影できるとして、リコーのGX100、GX200やキャノンG10を例に挙げています。

たとえばキャノンのEOS 5D Mark Ⅲだと、ISO感度3200ぐらいまで上げてもノイズがほとんど分かりませんから、きれいな写真が撮れそうですね。ただ、使用可能温度 が0℃~+40℃ ですから温めてやる必要がありそうです。

そして、カメラを三脚に据え、絞り解放、ピント無限大、レリーズを使ってバルブ撮影――ひたすらオーロラを待つということになります。

旅費もかかり、防寒装備、忍耐、運も必要という、かなり大変な撮影行ですが、これを専門にしているカメラクラブもあるそうです。何しろ雄大、幻想的な宇宙ショーですからね。

毎日.jpのサイトには「オーロラ フィンランドで見た 2012年は当たり年」という写真特集もありました。今年はオーロラが出現しやすいのかも。