軽量一眼レフのキヤノンEOS 6Dに合う明るい単焦点レンズを探しているところです。
キットレンズのEF24–105mm F4L IS USMは、6Dには少し重めで、スナップにはしんどいですね。
35mmあたりの単焦点はどうかな… と探していて、とりあえず候補に上がったのが下の4本。
・キヤノンEF35mm F2 IS USM
・キヤノンEF35mm F1.4 L USM
・キヤノンEF40mm F2.8 STM
・シグマ35mm F1.4 DG HSM
まず、EF35mm F2 IS USM ですが、自分なりの感触と財布のぐあいから見て、このあたりが一番手ごろかなと思っています。
キヤノンEF35mm F2 IS USM(写真はフリー画像)
2012年12月に発売された新しいレンズで、手ぶれ補正つき。価格.comで最安61,820円。普通の量販店で買うと、もう少し高くなりますが、キヤノンのキャッシュバックキャンペーン中なので、5000円のキャッシュバックがあります。
値段もさりながら、性能的にも良さそうです。
雑誌「カメラマン」5月号の特集「どっちのLENS SHOW」で取り上げられていました(写真、フリー画像)。
APS-Cサイズ機の標準レンズにはどれがいいか、という視点なのでカメラはEOS 7Dを使い、比較対象の中に、シグマのAPS-C専用 35mm F1.4 DC HSM が入っています。
ということで取り上げられたのは次の4本。
・キヤノンEF35mm F2 IS USM
・キヤノンEF35mm F1.4 L USM
・シグマ30mm F1.4 DC HSM
・シグマ35mm F1.4 DG HSM
何となく、シグマ30mm F1.4 DC HSMを宣伝するような感じもする企画で、全体に評価が高いのですが、これに劣らず好評なのがEF35mm F2 IS USMだったのです。
同誌のテスト結果を抜粋してみます。
case1. 強逆光ポートレート
遠く高い場所にいる女性の顔を見上げた構図で、太陽が写り込む強逆光。
厳しい条件ですね。ポツンと写っている女性の顔のアップを比較して、ちょっとびっくりしました。なんとシグマ35mm F1.4 DG HSMがピンボケ!
『シグマ35mmのみどうしてもピントが来なかった。シグマ30mmとキヤノン35mmとキヤノン35mm F1.4もやや前ピンとなり、キヤノン35mm F2 のみがジャスト』
とのこと。これまでの色々なレビューでシグマ35mmの評価が非常に高かっただけに、これは意外でした。
また、パープルフリンジ(紫色の偽色)が少ないのはシグマ30mm。逆に目立つのがキヤノン35mm F1.4。
順位をつけると、
シグマ30mm=キヤノン35mm F2 > キヤノン35mm F1.4 > シグマ35mm
でしたが、どのレンズもゴーストや光芒の発生がなく、4本とも高い性能。
case2.順光ポートレート
まず気になるAF。ジャスピンなのはキヤノンの2本。シグマはほんのわずかに前後している印象。AFというのは純正かサードパーティかでかなり影響するのでしょうか…
そして、目元のシャープネスさが一番問題ですが、最もシャープで『エッジがパキパキ』なのはキヤノン35mm F2。ついでシグマ30mm=キヤノン35mm F1.4。最後にシグマ35mm。
といっても差はわずか。『このクラスはどれもスゴイ』そうです。
一方、ボケ味は焦点距離なりの感じ。明るいレンズほどよくボケていますが、同じF1.4でもキャノンの方がボケています。
case3.遠景描写チェック
煙突のある工場風景。
どのレンズも極めてシャープです。しかし、細部を拡大するとシャープネスさが中央と四隅で順位が入れ替わっています。
・中央ピント位置では
シグマ35mm > シグマ30mm > キヤノン35mm F2 > キヤノン35mm F1.4
・右下隅では
キヤノン35mm F2 > キヤノン35mm F1.4 > シグマ30mm > シグマ35mm
となり、順位付けは難しいところです。
case4.周辺光量チェック
一応順位はついていますが、実写例を見てもあまり差がありません。実用上、問題ないと思われます。
case5.逆光・全身ポートレート
日なたと日影で輝度差がある状況。
パープルフリンジ、色収差の少なさで順位をつけると、
キヤノン35mm F2 > シグマ35mm > キヤノン35mm F1.4 > シグマ30mm
シャープネスで見ると、
シグマ30mm > キヤノン35mm F2 > キヤノン35mm F1.4 > シグマ35mm
という結果でした。
結局、5つのケースによる総合評価は、シグマ30mmとキヤノン35mm F2 が互角でトップ。
シグマ30mmはAPS-C専用なので、フルサイズのEOS 6Dにはキヤノン35mm F2が良いということになりますね。
とにかく、「開放からキレキレ」という評価が高かったシグマ35mm F1.4 DG HSMの評価がそうでもなかったので、自分の中での優先順位がガラガラとかわってしまいました。
買うつもりでいたんですが…
でも、同じ「カメラマン」5月号の別のページでは、
「ニコンD7100のポテンシャルを活かす!」として、シグマ35mm F1.4 DG HSMを使ったポートレートが載っていて、
『画質は超絶ハイクオリティ。画面の隅々までまったく破たんがないだけでなく、キッチリと解像しているのは見事。』
と紹介されています。
高画素ゆえに「レンズを選ぶ」といわれるD7100に適した、高性能レンズというわけです。
さきのテストとニュアンスが違うのは、撮影状況が異なるのに加えて、EOS 7DとD7100の画素数の差が影響しているのかもしれません。
さて、キヤノンEF35mm F2 IS USMか、シグマ35mm F1.4 DG HSMか。
迷いますね。
「カメラマン」の特集を見てからは、多少キヤノンEF35mm F2 IS USMに傾いていますが…