◆「CP+」でタッチ&トライに長蛇の列
横浜で開かれていたカメラショー「CP+(シーピープラス)2017」(2/23~2/26)。
新製品ラッシュだったオリンピックイヤーの昨年とは一転、今年はあまり目立った新製品の展示がなさそうだったので、行くのを見送りました。しかし事務局によると、会期中の来場者は66,665人と昨年より少なめながら、結構盛況だったようです。
なかでも、富士フイルムのブースでは、同社初の中判ミラーレスカメラ「GFX 50S」(2月28日発売)が大変な人気で、タッチ&トライに長蛇の列が出来たという話。
初日の一般入場開始直後には70分待ち(Stereo Sound ONLINE)。その後も、富士フイルムの人にあとで聞いたところでは50分~40分の行列が続いていたそうです。
「CP+ 2017」で行列ができた富士フイルム中判ミラーレス「GFX 50S」のタッチ&トライコーナー(写真はStereo Sound ONLINEより)。
35mmフルサイズ機と比較して約1.7倍という大きなイメージセンサー(43.8x32.9mm、5140万画素)を搭載した中判サイズのカメラ。
最高級の画質が必要なファッション広告や大伸ばしの風景写真に使われるプロ用機で、カメラ・レンズあわせて「100万円コース」。
高根の花ですが、カメラファンなら「触って」みたいですよね。
◆サービスステーションでも展示
「CP+ 2017」に行けなかったかわりに、大阪・心斎橋の 富士フイルム大阪サービスステーション で展示機を触ってきました。(同サービスステーションは今年1 月、これまでの本町から心斎橋プラザビル本館9 階へ移転しています。)
富士フイルム「GFX 50S」(大阪サービスステーションで)。
CP+ と違って待ち時間なし。また、すいているので、じっくり見られます。
レンズは「 GF63mm F2.8 R WR ( 35mm判換算で約50mm )」がついていました。
このほか、標準ズームレンズ「GF32-64mm F4 R LM WR」( 35mm判換算 25-51mm )、中望遠マクロレンズ 「GF120mm F4 R LM OIS WR Macro」( 35mm判換算 95mm )もカメラ本体と同時に発売。
加えて単焦点レンズ3 本(110mm F2、23mm F4、45mm F2.8 )が年内に発売され、計6 本となる予定。
サービスステーションの人の話によると、今後まだまだレンズは増えていくそうです。
上から見たところ。イメージセンサーのある辺りが、普通の一眼レフより厚みがあります。
上部ダイヤルは左がISO感度、右がシャッタースピード。絞りはレンズの絞りリングで操作。電源がOFFの状態でも露出設定を変えられるしくみ。
一方で、シャッターボタン下部と背面の右上にはコマンドダイヤルがついており、機能を割り当てるとコマンドダイヤルで素早く露出を変えることもできます。
右肩には大きくて見やすいサブ液晶モニター。情報表示はカスタマイズ可能。
持ってみました。意外に軽い!
着脱式のEVFを装着しても 約920g (バッテリー、メモリーカード含む)。
大きさも普通の一眼レフとそう変わらないので、扱うのがとても楽です。
同じ中判カメラでライバルになる、一眼レフ方式の「PENTAX 645 Z 」は約1550g(バッテリー、SDカード1枚含む)ですから、かなり違いますね。やはりミラーレスは軽い…
3.2インチ、約236万ドットの背面液晶モニターは、「X-T2 」と同じ3 方向チルト式。タテ位置撮影でも光軸と一致した自然な形で撮影できます。
タッチパネル式です。
再生画像の拡大・縮小、画像送り、AFエリア選択など指先で直感的に使える、スマホ並みのイージー操作。
中判カメラという“敷居の高さ”を全く感じません。
部屋の花を撮って拡大。シャープで美しい画質。
いいですね~
欲しくなりました。(ムリか…)
AF の速さは、そう速いという感じではありませんが、ストレスなく撮影できました。
AF測距点は、117点 / 425点 選択。ファインダーをのぞきながら、背面のフォーカスレバーのスティック操作でスピーディーにAF 位置を動かせます。AF モードは1 点、ゾーン、ワイドなど6 種類。
また、こうしたタイプのカメラだと、AF でなくマニュアルフォーカスで使う人も多そうです。ライブビューで画像を拡大してマニュアルでピントを厳密に追いこむ、という撮り方。それも操作しやすくなっています。
ライブビュー画像を拡大しているところ。
背面右上のダイヤル(リアコマンドダイヤル)を親指で押しこむと拡大表示モードに。そのままダイヤルを回すと拡大率が変わります。
拡大率は、2. 5 倍、4 倍、8 倍(等倍)、16. 7 倍。
等倍以上の拡大率で、納得できるまでピントを調整できるのがいいですね。
別売りのアダプターを付けると、EVF を縦にチルトしたり、横回転することが可能になります。
背面液晶モニターも3 方向に動かせるので、まさに自由自在。
ところで、高画素機の大敵はカメラの微ブレや振動。
ブレ防止、静音対策も考慮して、メカニカルシャッター(フォーカルプレーンシャッター)と電子シャッターを組み合わせた以下のシャッター方式が用意されています。
・メカニカルシャッター(最高1/4000秒)
・電子先幕シャッター(最高1/4000秒)
・電子シャッター(最高1/16000秒)
・メカ+電子シャッター(最高1/16000秒 )
・電子先幕シャッター+電子シャッター(最高1/16000秒)
電子シャッターでは完全無音になります。
こうしたきめ細かい設定ができるところ、さすがプロ機だと思いました。
カタログに掲載された「GFX 50S」のシステム。
縦位置バッテリーグリップはもちろん、過去の中判フイルムカメラ用H マウントレンズを使うためのアダプター、大判のビューカメラと接続するアダプターも用意。
カタログの作例。
(GFX 50S GF32-64mm F4 R LM WR 1/125秒 F5.6 ISO 100 PROVIA Photographer : Linkai Kong )
◆「想定を超える予約」
これまでのプロ写真家のレビューを見ても好評の「GFX 50S 」ですが、予約が殺到しているとか。
2月22日に富士フイルムから次のような「お知らせ」が出ています。
『2月15日の発売日お知らせ以降、中判ミラーレスデジタルカメラ「FUJIFILM GFX 50S」、「フジノン GFレンズ」および専用アクセサリーは、想定を大きく超えるご予約をいただいており、一部製品について生産がご注文に追い付かない状況となっております。
そのため、ご注文いただいた製品をお届けするまでにしばらく日数をいただく場合があります。
お客さまには大変ご迷惑をお掛けいたしまして、誠に申し訳ありません。
鋭意生産に努めており、約1か月後には本状況が解消する見通しです。』
サービスステーションで聞いた話でも、注文から1 カ月はかかるということでした。
高価なカメラですが、買える人(会社?)があるんですね…
◆画質比較
他のメーカーと比較した、実際の画質はどうなんでしょう。
「カメラマン」3月号に、5000万画素級の高画素機4 機種を比較した記事が出ていました。
「富士GFX 50S 」、「PENTAX 645 Z 」、「キャノンEOS 5Ds R 」、「ソニーα7R II」の解像感、高感度性能を風景撮影で「対決」させたもので、その結果はいずれも、
GFX 50S > α7R II > 5Ds R > 645 Z
という評価。『GFX 50S のシャープネスが抜きんでている!』と、ベタほめでした。
(PENTAXがかわいそう…)
カメラ本体のほかに、レンズ性能も影響すると思うので、鵜呑みにすることはできないと思いますがご参考までに。
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・『ミラーレス中判カメラ「GFX 50S」と「X1D-50C」の方向性の違いに見る、カメラの使い分けの重要性』(GIZMODO)
・『男の120回払いも辞さない! 富士フイルム中判ミラーレス一眼「GFX 50S」実写レビュー #CPplus 』(GIZMODO)