◆ニコン、カメラ交換に応じる
中国のテレビでやり玉に挙げられたニコン「D600」のセンサー・ゴミ問題で、ニコンがカメラの交換に応じることになりました。中国のほか、日本でも実施されます。(ニコンのお知らせページ)(日経新聞)(デジカメWatch)
ニコンにとっては、中国での「D600」販売中止だけでなく、厄介なことになってしまいましたね。
ニコンのお知らせページの一部を抜粋させてもらうと、
『撮影した画像に複数の黒い粒状の像が写りこむ現象はデジタル一眼レフカメラの構造上避けられず、完全に無くすことは困難と考えておりますが、D600ではまれに粒状の像が多く写り込んで目立つ場合もありましたので、これを軽減するための対応につきまして改めてご案内申し上げます。
【対応について】
使用説明書の「ローパスフィルターのお手入れについて」に記載された手順に従って、イメージセンサークリーニングやブロアーによる清掃を実施しても改善されない場合は、弊社サービス機関にご相談ください。
往復の送料を含めて無償にて点検・清掃および、シャッター、関連部品の交換などを実施させていただきます。
これらの対応を複数回実施しましても、なお改善が見られない場合には、D600または同等製品への交換をさせていただきます。』
中国では2回以上の修理記録がある消費者がカメラ交換の対象になっているようですが、日本では「複数回」とあるだけで回数は明らかではありません。
そして「D600または同等製品への交換」がどういうことになるのか…
メーカーがカメラの機種を決めるのか、消費者がたとえば「D610」に換えてほしいと言えばそれに応じるのか、よくわからないところがあります。
どうにもはっきりしない…
さすがに、ことここに至っては、ニコンファンからも対応を批判する厳しい声が出ているようです。
“ニコンたたき”のつもりはありませんが、企業の姿勢に厳しい現代の風潮から考えて、最初からもっと透明性ある対応をしていれば良かったのに… と思いますね。機能的には良いカメラなのに。
これからめんどうな対応を迫られるニコンサービスセンターの職員さん、しんどそう…
◆ニコンの場合の問題性
ニコンがお知らせページで言っている通り、イメージセンサーのゴミが「デジタル一眼レフカメラの構造上避けられない」ことは確かです。
フィルムカメラでも多少ホコリの問題はありますが、ひとコマごとに撮像面が入れ替わるフィルムと違って、デジタルカメラではイメージセンサーが固定されていることから、とくにレンズ交換式のデジタルカメラでは、レンズ交換のたびに侵入したホコリがセンサー面に蓄積していく可能性が高いわけです。
それを防ぐ対策として、センサーを微振動させてホコリを振り落としたり、といった機能がたいていのデジタルカメラには備わっています。
それでも100%防ぐことは難しい。だからどのメーカー製カメラでも、黒い点のようなものが写りこむことはよくあります。
今回のニコンの場合、問題なのはそのホコリの量がかなり多いこと、そして外から侵入する以上にボディー内部からホコリ(海外のWebサイトでは oil/dust と表現)が発生しているらしいこと。
つまり「D600」にはメカニズム上の欠陥があるのではないか、と疑われているのです。
「D600」の後継機「D610」では問題になっていないことからも、何らかの構造上の問題があったのではないかと、素人的にも感じられます。
(当ブログ「2012.11.24 D600センサーのホコリ問題」 参照)
◆他のカメラのセンサー汚れ体験
では、同じ35mmフルサイズ機で同じような価格帯のキヤノン「EOS 6D」はどうかというと、いまのところ問題になっていません。
ニコンとの公平を期すため、自分が持っている「EOS 6D」で何回かやったセンサーのゴミのチェックでも、ゴミの数は少ない方です。
それでも…
今日やってみた「EOS 6D」のセンサーチェック。カメラの絞りを一杯に絞り込んで、白い紙を撮影しています。ピクセル100%に拡大してみると、中央付近にぼんやりした黒いものが写っていました。
右下にも薄い点。
1つの画面に計2個、ホコリらしきものがありました。
100%に拡大してこの程度では、画像にほとんど影響なし。すでに何万カットも撮っていますが、困った経験はありません。
一方、レンズ交換式でないコンパクトデジタルカメラでも、ボディーやレンズのすき間からホコリが入り込み、センサー面にくっつくことがあります。
下はソニーRX100のホコリ。
新幹線の窓から撮った富士山。山麓にポツンと黒っぽい点がありますね(2013年2月撮影)。
ピクセル100%に拡大したところ。
これが新幹線の窓の汚れでないことは次の別の場所での写真で分かります。
東京・上野の都美術館。中央の青空に同じような点があります(2013年2月撮影)。
100%画像。
明らかにセンサーに付いたホコリです。
これを画像処理で消すのは簡単、とはいえ気分的に嫌なもの。
ムービーではさらに目立ちます。おまけに修正しにくい(動画でも消す方法があるのでしょうが)。
レンズ固定式なので、一眼レフと違って、自分でセンサーの掃除をすることは不可能。サービスセンターに持ち込むしかありません。コンパクトカメラはこういうときにやっかい。カメラを一時期使えなくなるし、お金もかかる--- ちょっとした悩みでした。
ところが、ところが… なんと1年後には消えていました。
今日撮った空。
100%画像。薄雲がかかっていますが、ホコリがあったとおぼしきあたりに、何の汚れも見当たりません。
どうやら、何かのはずみでホコリが自然に落ちてしまったようです。こんなこともあるんですね~
いつきれいになったのかは分かりません。ともかく愛用のカメラだけにホッとしています(お金もかからなくてうれしい!)。
が、いつまでたっても取れないホコリもあります。
コンパクトカメラのリコー「CX 1」で撮った「あべのハルカス」(建設中の2012年3月撮影)。
右下の空に見える黒っぽく丸いものがホコリ。
100%に拡大するとこんなにデカい。とても目障りです。
このホコリは雨の日の撮影に使ってからのことで(水滴のシミかも?)、今も取れていません。
こんなに目立つ汚れがある場合、空のような均一な背景に入らないように撮るか、あとの画像処理で消すのが必須になってきます(ひと昔前のカメラなので、今はほとんど使っていませんけど)。
センサー汚れ、デジタルカメラの泣き所ですね。