オリンパスの、エントリー向けミラーレス一眼「 OM-D E-M10 Mark II 」が9月4日から発売されました。
2014年2月に発売、人気を集めたマイクロフォーサーズ機「 OM-D E-M10 」の後継機で、大幅に機能アップして登場。オリンパスプラザ大阪で発売2日前に見てきました。
実写したデータの持ち帰りもOKでした。
「 OM-D E-M10 Mark II 」(別売りグリップ付き)。もう1台の「 OM-D E-M10 Mark II 」で実写したもの。
キットレンズの「ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」が付いていました。
まず外観の変化。別売りのグリップが付いている上の実写では紛らわしいので、もともとのボディーの写真で新旧比較してみると…
新しい「 OM-D E-M10 Mark II 」(オリンパスのホームページより)
こちらは旧モデルの「 OM-D E-M10 」(オリンパスのホームページより)。
新モデルは、グリップ部分が斜めになりました。上部のダイヤルやペンタ部の形状も変更されているのが分かります。
ダイヤル類が向かって左側に集まり、高さが増しています。もともと小さいカメラなので、ダイヤルはこれぐらいの高さがあった方が指1本で回しやすく操作性が良いと思います。
持った感じでは、小型ながらしっかりとした高級感が感じられます。
◆軽量化を歓迎!
重さは、「 OM-D E-M10 」が350g(本体のみ)なのに対して、「 OM-D E-M10 Mark II 」は342g(同)。
ボディーサイズは旧モデルより、わずかに大きくなっているのに、逆に軽量化しているというのがすごい。
機能的には3 軸手ブレ補正だったのが5 軸手ブレ補正に、連写速度も最高8.0コマ/秒から8.5コマ/秒 へアップ。
メカ的に重量が増えそうな改良だと思うのですが、それでも重くならずに逆に軽くするとは… ささいなことかもしれませんが、こういうところにオリンパス技術陣の努力を感じます。
カメラはできるだけコンパクトに、軽く。これが各メーカーの基本であってほしいですね。年を重ねると特にそう感じます。
◆良くなったファインダー
電子ビューファインダー(EVF)が美しく見やすくなりました。旧モデルが144万ドットだったのが「E-M5 Mark II 」と同じ236万ドットにレベルアップ。
背面の液晶モニターは、3.0型 104万ドットのチルトタイプ、タッチパネル方式で前と変わりませんが、「AFターゲットパッド」が新機能。
電子ビューファインダーをのぞいている時に、液晶モニターをタッチしてAFエリアを移動させることができます。パナソニックのタッチパッドAFと似ています。ただ、「AFターゲットパッド」を使うために液晶モニターを2回ポンポンとタッチする必要があり、こういう操作、オジサンは苦手。パナの場合は必要なかったと思うんですけど… まあ、慣れればパソコンのマウスのダブルクリックと同じかも。
電子ビューファインダーで光学ファインダーに近い見え方を再現する「OVF シミュレーション」も搭載。
面白い機能ですね。
電子ビューファインダーは、明暗がきつすぎる被写体だと、明るいところが白トビ、暗いところはつぶれて見えにくい、という場合があります。これを光学ファインダー並みに見やすくするもの。実際にやってみましたが、確かに見やすいです。その代り、露出補正、ホワイトバランスの設定はファインダーに反映されません。
状況によっては使えるかな… と思いました。
◆AF、電子シャッター
AFはスムーズ。「E-M10 」に比べて、C-AFの合焦率が改善されているそうです。ただ、店内に動きものがなかったので未確認。
ピント位置を少しずつずらした複数枚の写真を一度に撮影、あとで好きなカットを選べるという「フォーカスブラケット」も新機能。何やら、LYTRO ILLUM や、パナソニックが「GX8」の将来のファームアップを約束している「フォーカスセレクト」機能を連想させます。
でも事前の知識がなく、ちょっと難しそうなので、今回は試しませんでした。
代わりに写真家・田中希美男さんがツイッタ―で書いているくだりを紹介します。
『オリンパス・E-M10 Mk2。新しく電子シャッターの機能(静音モード)が搭載され、フォーカスブラケット(ピント自動ずらし撮影)も。フォーカスブラケットモードを選ぶと勝手に電子シャッター撮影になる。電子シャッターは完全無音無ショック。撮ったぞ、という気持ちがぜんぜん感じられない。
E-M10 Mk2のフォーカスブラケットで、言い忘れてた。そのモードで設定できるのは撮影枚数とフォーカスステップ。どれくらいのピント幅で何カット撮るかだ。フォーカスステップは10段階。撮影枚数はなんと最大999枚!。ステップ幅最大で999枚も撮ったら、いったいどーなのるのかな。
E-M10 Mk2のフォーカスブラケット、追加情報。少し時間ができたので、999枚に設定して撮影してみた。撮影シーンやステップ幅によって3枚や5枚で撮影ストップ、30枚や60枚以上撮れることも。ピントを合わせた位置から∞方向にピント送りする。不明な点が多し。』
田中さんもまだ完全にはわからないみたいですね…
ちなみに電子シャッター(1/16000~60秒)は、便利な時があります。試したところ、完全に無音。何の反応もないので頼りないぐらい。子どもの演奏会などでは活躍するでしょうね。
◆ OM-D E-M10 Mark II 実写例
「 OM-D E-M10 Mark II 」のイメージセンサーは4/3型 1,605万画素で、旧モデルと同じです。ただ、画質は、画像処理しだいで変化があるもの。一応実写させてもらいました。いずれもプログラムモード、JPEGで撮影、画像補正・トリミングなしです。
冒頭のカメラの外観写真のオリジナル画像から。サムネイル写真をクリックすると大きめの画像になります(1920×1440。等倍ではありません)。
実はオリジナル画像(等倍、4608 x 3456)をアップしたのですが、gooブログ側でリサイズされてしまったようです。
「 OM-D E-M10 Mark II 」の外観(絞り F3.5、1/60秒、ISO 400)。クリックで拡大画像(1920×1440)に。
オリンパスプラザ大阪の店内(絞り F3.5、1/60秒、ISO 200)。
クリックで拡大画像(1920×1440)に。
(絞り F4.0、1/100秒、ISO 200)。
クリックで拡大画像(1920×1440)に。
(絞り F4.0、1/100秒、ISO 200)。
クリックで拡大画像(1920×1440)に。
上の写真の部分(等倍画像)。
わずかな実写で言うのも何ですが、すっきりした、きれいな画質だと思います。
もっと本格的な実写例は、「PHOTOYODOBASHI」に掲載されていますので、参考にしてください。
◆初期不良?
ところで、販売開始早々「 OM-D E-M10 Mark II 」が回収され、ネットショップでは販売休止になっているという話が出ています。
「Digital Camera Life 」によると、マウント周りの不具合で、9月7日(月)に対応発表とか。
ただしアマゾンには在庫があることになっています(9/6現在)。
詳細は不明ですが、初期不良の可能性があり、購入については少し様子を見た方が良いかもしれません。
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9月7日追加
◆一時販売休止!
「 OM-D E-M10 Mark II 」の回収の噂は事実だったようです。
9月7日、オリンパスから『デジタル一眼カメラ「OM-D E-M10 Mark II」 一時販売休止のお詫びとお知らせ 』が出ました。
それによると、
『このたび、デジタル一眼カメラ「OM-D E-M10 Mark II」において、カメラ本体にプラスチックマウントの交換レンズを取り付けた場合に、ロックが外れやすいものがあることが判明しました。
現在、改善を検討しておりますので、その間、販売を一時休止させていただきます。
販売再開の時期は、9月下旬を目処に本サイトにて改めてご案内させていただきます。
既にご購入いただきましたお客さまへのご対応につきましては、大変お手数をおかけいたしますが以下に専用窓口を設けましたので、お問い合わせをいただければ幸いです。(専用窓口 0120 - 227 - 030)』
となっています。
レンズ交換式カメラとしては基本的なマウント関係の不良とは… 注目の機種だけに、がっかりですね。
「ニコン(あるいはキヤノン)だったら絶対、こんなことないよな…」とか、他のユーザーの声が聞こえそう。
いつだったか「CP+」の会場で、写真家の阿部秀之さんが「ぼくがニコンを好きなのは、どんなレンズをつけてもカチンとマウントに収まるからです」と解説しているのを聞いたことがあります。たぶん、ニコンはその辺がしっかりしているのでしょう。不変の「F マウント」ですものね。
キヤノンはどうか? 良く分かりません。
オリンパスも、今回ちゃんと対応したこと自体は良かったので、あとは、十分な改善策を施してから販売再開して欲しいものです。
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・『オリンパスOM-D E-M10を試す』(当ブログ2014年3月13日記事)