当初の5月発売予定が延期されていた、ソニー単焦点標準レンズ、Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM (写真はフリー画像)が、ようやく7月26日に発売されました。
35mmフルサイズ対応の高級レンズで、メーカー直販価格は148,800円(税込)。価格.comの最安値では129,799円(税込、7/30現在)となっています。
カールツァイスレンズだけに、けっこうな値段で、注目度も高いです。やはり性能は良いのでしょうか。
ネットで2つのレビューを見ました。
・ITmedia デジカメプラスの「交換レンズ百景:魅惑の高級レンズで楽しむスナップ&ポートレート」
2つのレビューで共通しているのは、絞り開放からのピントが合った部分のシャープネスの高い描写、背景などのソフトなボケに対する高い評価でした。
実写例を見た個人的な感想では、シャープはシャープでも、カリカリの描写ではなくどこか潤いのある感じがしました。ポートレートなど、瞳がうるんでいるようでとても美しい。
ボケの方は、等倍にアップすると色々気になるところがあります。開放では、点光源ボケに色のついた縁取りがうっすら出ます。植物の枝などにはやや「二線ボケ」の傾向も。強い光線の周囲にはパープルフリンジ。ひどくはないですが色収差も残っています。
しかし、等倍でなく適度な大きさで見ると、とてもすっきりした良い描写。収差といってもできるだけ抑えられており、さらに中央と周辺の画質がほとんど変わらない、プラナーたるゆえんの「平坦さ」が素晴らしいです。
並みのレンズでは「中心部はすごくシャープですよ。でも周辺部は堪忍して…」と言いわけしているようなところがありますが、このプラナーはいっさい妥協なし。周辺でもボケたり流れたりせず、中心部の画質をほぼ保っています。
F5.6以上に絞った風景を見ると良くわかります。本当に安心できる描写です。
レンガ壁などを写すと、軽い樽型の歪曲収差が分かります。これは、特に気になる人と、それほど気にならない人と、好みが分かれるかもしれません。
このレンズの誕生裏話については、ソニーの「特別座談会」のページが参考になります。
それまでのプラナーのレンズ構成「ガウスタイプ」(対称形のダブルガウス)でないところに設計上の工夫があるようですね。
良いレンズだと思いますよ。高いのが難ですが…
αユーザーがうらやましい。