つれづれ写真ノート

   カメラと写真 そして世の中の色々なこと---

黄葉の御堂筋さんぽ

2015年11月30日 | 風景・建物

季節は秋から冬へ。

紅葉だより(JR)などを見ると、「落葉」のスポットが増えてきており、早くもモミジの見ごろが過ぎようとしている感じがします。

今年は結局、京都の紅葉を撮る機会がないかも。

 

11月28(土)、29(日)に、近場の大阪・御堂筋で色づき始めたイチョウを撮ってきました。

最初は一人で、2日目は友人の誘いがあって…

何ということもなく、2日間も同じところをぶらつくことになりました。

 

御堂筋のイチョウ並木(大丸心斎橋店前で)。

緑色が残る樹もあり、まだ見ごろというには少し早かったようです。

 

黄葉に日が当たると美しい…

 

ショッピングを楽しむ人が行きかう、晩秋の御堂筋。

 

ところで、大丸心斎橋店の本館は建て替えのため、今年12月30日をもって一旦営業を終了、解体工事に入ります(営業は北館で)。

その前に、アールデコ様式を駆使したヴォ―リズ建築の豪華な店内を撮る「撮影会」があることは前に書きました(10月27日記事)。

ところが希望者が多かったらしく、抽選に漏れてしまいました。(あ~あ、です。クジ運が弱いので、何かそんな予感はしていましたけど。)

 

なので、このブログに店内写真を載せるチャンスはもうありません。

 

しかたなく外観を撮っていたところ、友人が「このアングルが良い」と…

本館の北側、北館との間。

おそらく大丸としては、あまり撮られたくない所だと思いますが、非常階段のある古びたたたずまいが何とも言えません。

「ニューヨークの裏通りのビルみたい。スチームでも出てればもっといい。」と、オジサン二人の感想。

 

ウ~ム…

 

第二次大戦の空襲でも焼け残った大丸本館。

リニューアルする新店舗については、貴重な外観は残すそうです。でも、いくらなんでもこの壁面はそのまま残さないでしょうね…

 

再びイチョウ並木。

 

黄金色に輝く樹もありました。

 

大丸から北へ歩くと、有名ブランド店が並んでいるエリアへ。

「FENDI」「Dior」「CHANEL」「LOUIS VUITTON」「Cartier」「SWAROVSKI」「GIORGIO ARMANI」「HERMES」「HARRY WINSTON」… 

もう名前を挙げるだけでも大変。圧倒されます…

 

面白いショーウインドウ。電球がモチーフ(FENDI)。

電球をアップリケしたトートバッグが人気だそうです。

 

ご存じ「CHANEL」。冬を通り越してもう春の色?

 

「Cartier」。これはクリスマスカラーかな。

 

大阪の老舗、「芝翫香(しかんこう)」。

 

結婚式場「セント・ラファエロチャペル御堂筋 ~アンジェルミエール~」。

 

HOMMACHI GAARDEN CITY」。

御堂筋イルミネーション2015 (11月29日~1月17日)のスポットのひとつとして、クリスマスイルミネーションが点灯されます。

 

御堂筋沿いの彫刻「ヘクテルとアンドロマケ」(ジョルジオ・デ・キリコ)。

銀色の金属質なのでモノクロにしてみました。

 

難波から淀屋橋まで歩いてきました(「淀屋橋odona」で)。

 

食事など

 

せんば自由軒」の名物インデアンカレー(手前)と海老フライなどのセット。スープ付きで850円(税別)。

船場センタービル9号館地下2階にある、明治43年(1910年)から100年以上続くお店です。

 

このカレーは、織田作之助の小説「夫婦善哉」に出てくるもの。最初からカレーとご飯が混ぜてあり、ソースをかけ、上に乗った生玉子をぐしゃぐしゃにして食べる。

 

小説の一節を引用すると…

『(蝶子は) 楽天地横の自由軒で玉子入りのライスカレーを食べた。「ここ(自由軒)のラ、ラ、ライスカレーはご飯にあんじょうま、ま、ま、まむしてあるよって(うまく混ぜてあるから)、うまい」とかつて柳吉が言った言葉を想い出しながら…』

 

玉子を混ぜるので、味はマイルドです。

 

ティータイムは船場センタービル近くのサンマルクカフェで、ウィンナーコーヒーを。Mサイズ 330円(税別)。

コーヒーの上に乗ったホイップクリームが美味しかったですね。

 

御堂筋では11月29日(日)から、長さ4キロにわたってイチョウ並木のイルミネーションが始まりました。

点灯式に先立って、「御堂筋オータムパーティ」も開催。F1カー(Ferrari F2003-GA)が走る珍しいイベントでしたが、人垣が一杯で全く見えず…

連れが興味なさそうだったこともあり、イベントの撮影はあきらめて帰りました。

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撮影カメラ・レンズ

   キヤノン EOS 6D

    EF24-105mm F4L IS USM

   ソニーRX100


なんば光旅 2015-2016

2015年11月26日 | イベント

この頃、寒くなりましたね。

あと数日で「師走」。

イルミネーションが似合う季節になりました。

 

先日撮ってきた、大阪・ミナミのイルミネーション「なんば光旅」(2015年11月13日~2016年 2月14日)です。

 

南海ビル(南海なんば駅北側、高島屋大阪店)。

 

このビルの中にある、なんばCITY本館地下1階、ガレリアコート。

ガレリアコート。ステンドグラス作家「MIE」さんの作品が並んでいます。

 

 

 

南海なんば駅直結の スイスホテル南海大阪では、一風変わったツリーがロビーに置かれていました。スイスのボトルブランド「SIGG」とコラボレーションしたもの。カラフルなボトルが吊り下げられています。

 

こちらは「なんば光旅」のメイン、なんばパークス(2階)。

 

 メインアプローチ(2階)。

左の階段を上がっていくと、パークスガーデン。右へ行くとショップやレストラン・カフェがある方向です。

 

今年は、パークスガーデンを物語仕立てで巡る趣向。案内板に「旅のはじまり」とありました。“願いがかなう”『スーパーフラワー』(8階、円形劇場)を探す旅…

ファンタジックなゲームみたいですね。

 

ただ、パークスガーデンの坂を登るのはしんどいので…

とりあえず、右に見える華やかなツリーを見に行きました。

『フェアリーツリー』。妖精の家、という設定です。

 

毎年デザインが違いますが、今年はフワフワ、モコモコした感じ。

 

 時間とともに色彩が変化。その仕方がパッパッと単純でなく、ソフトに、柔らかく、微妙に雰囲気を変えていきます。LED アートも進化しているようです。

 

 

 

ここから奥へ、キャ二オンストリートを進んでいくと、突き当たりに恒例の「光の滝」が。

 

ブルーの世界を演出する『光の滝』。記念撮影用のステージが用意されています。

 

近くにエレベーターがあるので、一気に8階へ上がってみました。

 

上から見た『光の滝』。

キャニオン(峡谷)に流れ落ちる滝のイメージ。

 

8階の円形劇場に『スーパーフラワー』がありました。

 

なかなか高級感のあるデザインですね。気に入りました。

 

ドラマチックに色彩が変化。

 

周りには、飛びまわる妖精の姿も投影されます(写っていませんが…)。

 

『スーパーフラワー』を背景に、自撮りする人。

 

あとは、パークスガーデンの各スポットを眺めながら、階段を下って行きました。

 

カジュアルフレンチダイニング「CHELSEA」(8階)。

 

カフェ&スイーツ・カジュアルダイニング「PORCO」(8階)。

 

通常は「花水木の広場」(7階)。「ヒッヒッ… 」と魔女がささやく『魔法の広場』になっていました(声が聞こえるわけではありません、念のため)。

 

ピザ&パスタ「TO THE HERBS」のテラス席などがある広場(6階)。

 

「TO THE HERBS」前で。

 

ミラーボールがキラキラと光を投げかける「せせらぎの杜」(5階)。

 

明暗の差が激しく、写真を“撮りにくい”スポット(撮影後に画像補正しています)。

また、暗くて段差があるので、行く時は足元に気を付けてくださいね。

 

通常は「水の広場」(4階)。物語の設定では、妖精が水面に映し出されるという『光の泉』… 

 

妖精が見えます?

 

「太陽の広場」(3階)。

 

「太陽の広場」。

 

メインアプローチの方へ戻る並木道。

 

メインアプローチの階段から、最初に来た2階を眺めたところ。

 

パークスガーデンから外へ出ました。

 

なんばパークスの東側の通り「カーニバルモール」。

クロスフィルターを使ってみました(ケンコー「R-サニークロス」)。

 

イルミネーションで飾られた樹はケヤキ。

岸和田の「だんじり」にはケヤキが使われているそうです。

 

南海なんば駅西口広場。

 

ざっと撮ってきたので「なんば光旅」のうち、見逃したスポットもあります。

最後に、  スイスホテル南海大阪 から見た俯瞰写真を。

上から見た、なんばパークスのイルミネーション。右側のビルはパークスタワー。

 ← サムネイルをクリックすると拡大写真になります。

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 撮影カメラ・レンズ

   キヤノン EOS 6D

    EF24-105mm F4L IS USM

   ソニーRX100

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 関連記事・サイト

  ・なんば光旅 Instagram・Twitter キャンペーン

  ・『なんばエリアでイルミネーション「なんば光旅」を開催』(ニュースリリース=PDF)


神農さん

2015年11月23日 | 行事・歳時記

「神農(しんのう)さん」(11月22日~23日)へ行ってきました。

製薬会社が立ち並ぶ、大阪・道修町(どしょうまち)の少彦名(すくなひこな)神社の例大祭で、正式には「神農祭」。

 

毎年、笹に付けた張子の虎をもらいに行くのが習慣になっています。

張子の虎。

笹に付けられた赤い札には「祈願家内安全無病息災」の文字。

 

道修町。

地下鉄堺筋線、京阪本線の北浜駅から南へ少し歩いたところ。

普段はオフィス街ですが「神農さん」の2 日間は、くす玉飾りや「吉兆」など老舗の献灯提灯が掲げられ、たくさんの露店が出てにぎわいます。

 

すごい人出。神社に参るには行列しなければなりません(右側)。

 

くす玉飾りに吊り下げられているのは薬の箱。ここは、江戸時代から続く薬の街。

 

ビルに挟まれた少彦名神社の参道。

日本医薬の祖神・少彦名命(すくなひこなのみこと)と中国医薬の祖神・神農炎帝(しんのうえんてい)がご祭神。安永9年(1780年)、薬種商の団体が建立したのが、神社の起源とされています。

 

 張子の虎(神虎)の由来。

 

参道脇にある、道修町を舞台にした谷崎純一郎の小説「春琴抄」の碑。

 

ようやく拝殿へ。狭い境内は人でいっぱい。

 

拝殿では、小刀を手にした巫女さんの舞がありました。

 

初めて見る舞。珍しいですね~

拝殿に参拝者が2人座っていたので、何かの御祈祷かもしれません。

 

 張子の虎の授与所。

 

張子の虎やお札を付けた神虎笹(2500円)。購入すると頭上で鈴を鳴らしてもらえます。

 

願い事を書いた絵馬。

医大、薬大の合格祈願や、「国家試験に通りますように」と書かれたものが多かったですね。また、ペットの健康を祈ったものも…

 

通りに軒をつらねる露店。

 

昔の面影をしのばせる小城製薬の建物。

 

生薬など天然素材を扱う会社のようです。

 

歩いていると、「杏雨書屋(きょううしょおく)」なる建物が目につきました。

武田薬品からの寄付をもとに創設された武田科学振興財団の図書資料館。

 

医学・薬学関係の展示があったので入ってみました。

 

「杏雨」とは、「杏林(医学)を潤す雨」の意味だそうです。

 

展示室は撮影不可なので写真を載せられませんが、実に興味深い資料が並んでいました。

漢方材料に使われた「犀角(さいかく=サイのツノ)」「一角(イッカクというクジラの長い牙)」、丸薬の製造道具、手術道具、漢方の医学書、医家の肖像画、そして有名な「ターヘル・アナトミア」「解体新書」などなど…

「皇帝が見た博物図鑑」という特別展示では、中国の明、清時代に皇帝の命令で作られた漢方材料の図鑑「本草品彙精要(ほんぞうひんいせいよう)」が展示されていました。

極彩色の美しい書物で、大変珍しいものだそうです。(杏雨書屋所蔵、展示品は写本)

杏雨書屋は古医書の蔵書で国内有数とか。いやいや、すごいものが道修町にはありますね。いいお勉強でした…

 

田辺三菱製薬の資料館も神農祭で特別開館。こちらは残念ながら、開館時間が過ぎていて入れず。(通常は要予約)

 

突然、ゆるキャラのパレードが… 「あっ、ジンタンや!」

 

「正露丸」と握手する人たち。

 

「神農さま」と「テクノくん」。

 

「奈良のくすり」をPR。

 

色々なものを見られたので、そろそろ帰ることに。

 

北浜のシンボル、大阪取引所(旧大阪証券取引所)と五代友厚の銅像。

五代さん、NHKの「あさが来た」で見てますよ。

 

一服するため立ち寄った「北浜レトロ」。

 

店内のシャンデリア。

おしゃれな英国風のこのカフェ、いつ来ても満員。

ちょっと待たされました。

 

紅茶とサンドイッチのセットを注文。

私の紅茶は「大大阪クラシック」(ダージリン、アッサム)、連れは「中之島アフタヌーン」(インド、スリランカ)。

「五代友厚の時代は大大阪だったよな~ 今はそうでもないけど。」と考えながら…

 

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撮影カメラ   ソニーRX100

 

 


ライカ Mの“シンプル”モデル

2015年11月20日 | カメラ

ライカの新しいフルサイズ・デジタルレンジファインダーカメラ「Leica M(Typ262)」が正式発表されました。

大まかに言うと、現行の「Leica M(Typ240)」から動画撮影の機能やライブビューを省略した“シンプル”モデル。

Leica M(Typ262)」(ライカのページより)

 

「動画なんかいらない。ただ写真が撮れればいい。」という愛好家も多いですね。そうした人に向いています。

『技術的に可能な機能をすべて採用することはあえてせず、写真撮影を純粋に楽しみたいフォトグラファーのためのカメラ』だそうです(ライカのページより)

 

ネットの噂サイトを見ていて、機能が削られたエントリー向けの「廉価モデル」かと思っていたのですが、デジカメWatch によると、『価格は税込85万3,200円。 (中略) ライカM(Typ240)の実勢価格は税込93万9,600円前後のため、Typ262は1割ほど低価格だ。』

とのことで、とても 「廉価モデル」とはいえませんね。(高~い!)

ライカが、ある意味のこだわりを持って、レンジファインダー型のバリエーションを増やしたと言った方がよさそうです。

(ということで、昨日の記事「二流のライカ」は、不適切なので削除しました。)

 

 Leica M(Typ262)の主なスペック

 ・2400万画素、35mmフルサイズCMOSセンサー
  ・画像処理エンジンに、高速な「LEICA MAESTRO(ライカ・マエストロ)」を採用
 ・シャッター速度 最高1/4000秒
 ・連写 3コマ/秒、連続撮影8コマ
 ・ISO感度 200~6400
 ・露出モード 絞り優先AE モードと、マニュアル露出モードの2種類
 ・92万ドット 3.0型液晶モニター

  (ここまでは Typ240 と同じ。以下は異なる点を挙げて見ます)

 ・動画撮影機能なし(Typ 240はあり)
  ただし、動画再生は可能。『ライカM(Typ 240)、ライカMモノクローム(Typ 246)モデルで撮影された動画データも再生することができます』と、取扱説明書には書かれていました。動画入りのSDカードを差して、再生できるようです。

 ・ライブビューなし(Typ 240はあり)
  撮る側から言うと、ライブビュー機能は便利なので、省略しないで欲しかったところ。
  ピント合わせをサポートする機能の、ライブビュー画面の一部を最大10倍に拡大する「フォーカスエイド」や、ピントが合っている被写体の輪郭を色づける「フォーカスピーキング」は使えません。
  これに関連して、外付け EVF も利用不可。
  また測光方式も、センサーを使用する測光(スポット測光、マルチ測光)は使えず、シャッター先幕のホワイトブレードに反射した光を測光素子が測光する、中央重点測光のみ。


 ・Typ240 に比べて、動作音が非常に小さいシャッターチャージ機構を搭載
  もともとシャッター音が小さいライカですが、さらに静かだというのは、いいですよね~

 ・トップカバーにアルミニウムを採用したことで、100g近く軽くなった(Typ 240は真鍮)
  Typ262 は約600g、Typ240 は約686g (バッテリー含む)です。

 ・メニュー表示は2画面に簡略化(Typ 240は5 画面)

 ・マルチファンクションハンドグリップM 用の底面端子を省略
  この結果、同ハンドグリップを介したGPSや、リモート撮影(パソコンで、接続したカメラを操作する、主にスタジオ用の撮影)は使えません。

 

とまあ、色々省略された機能はあり、ボディーの厚みが薄くならなかったのも残念ですが、シンプルで軽くて、シャッター音が静かなのは大きなメリット。価格も、少しだけ安い。

ライカのレンズ資産がある人なら、購入を検討してもいいかも…

個人的にはとても、とても手が出ませんけど。

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関連記事

 ・『動画機能とライブビューを省略した「ライカM(Typ262)」』(デジカメWatch)

 ・『気になるデジカメ長期リアルタイムレポート・ライカM【第3回】 』(デジカメWatch)

 ・『気になるデジカメ長期リアルタイムレポート・ライカM【第2回】 』(デジカメWatch)

 ・『気になるデジカメ長期リアルタイムレポート・ライカM【第1回】 』(デジカメWatch)


カメラ 冬のキャンペーン(ソニーα6000など)

2015年11月18日 | カメラ

最近、カメラの話題を書いてないな~ という感じ。

新製品はたくさん出ているのですが、どうも自分に合いそうなカメラがなくて。

 

ライカSL」(ライカ初の“フルサイズミラーレス”。11月末発売)なんて、時代を画するカメラだと思うのですが、全く高嶺の花ですし…

ボディーだけで100万円弱! また、ボディーもレンズもデカい…

 

ソニーのフルサイズミラーレス、ツァイス銘レンズも軒並み高価。

α7R II」など、ボディーだけで374,159円(価格.com の最安=11/18現在)。

とうてい、手が届きません。

 

パナやオリンパスのマイクロフォーサーズ機も興味があるけど、どうなんかな~

 

ソニーのキャンペーン

そんな中、雨の一日、カメラ関係のサイトをチェックしていると…

ソニー、「冬のキャッシュバックキャンペーン」を開催 』(デジカメWatch)という記事がありました。

 

ソニーの2015年~2016年「冬のカメラ キャッシュバックキャンペーン」。(ソニーのページより)

 

ボーナスを当て込んだ各社のキャッシュバックキャンペーンが、ほぼ出そろったようですね。

あまりキャッシュバックに乗り気でなかった感のあるソニーも、昨年に続いて同様のキャンペーンをやることになりました。

期間は11月20日~2016年1月17日。

対象の商品とキャッシュバック額(最高2万円)は以下の通りです。

α7Rボディ:2万円
α7Sボディ:2万円
α7ボディ:1万5,000円
α7ズームレンズキット:1万5,000円
α6000ボディ:5,000円
α6000ダブルズームレンズキット:1万5,000円
α6000パワーズームレンズキット:1万円
α5100ボディ:5,000円
α5100ダブルズームレンズキット:1万円
α5100パワーズームレンズキット:5,000円

 

  参考までに、昨年冬のキャンペーン(2014年-2015年)は次の通りでした。

  α7ボディ:1万円
  α7ズームレンズキット:1万円
  α6000ボディ:5000円
  α6000ダブルズームレンズキット:1万円
  α6000パワーズームレンズキット:5000円
  α5100ボディ:5000円
  α5100ダブルズームレンズキット:8000円
  α5100パワーズームレンズキット:5000円
  α5000ダブルズームレンズキット:3000円
  α5000パワーズームレンズキット:3000円

このときはキャッシュバックの最高が1万円でしたので、今年はパワーアップした印象です。

 

今年の対象商品のうち、フルサイズの α7Rα7Sα7 は、その後にいずれも改良型(型番 II 付き)が出ているので、いわば型落ち。

はっきりいうと、改良型の新モデルの方がスタイルや性能が進化、よく言われていたマウントの“脆弱性”も改善しているので絶対新しい方がおススメ(個人的感想)ですが、APS-C機の α6000 (2014年 3月14日発売)は今なお人気の機種。なので、結構「お得」感があります。

α6000 は軽くて、高速AFが魅力です。もっとも、間もなく後継機(α6100?)が出るのではと噂されていますけどね(デジカメinfo など)。

すぐ型落ちになるかもしれないけど安いカメラと、新製品だけれど絶対高価に違いないカメラと、どちらが良いでしょうか…

まあ、迷うところではあります。

 

ソニー以外の、キャッシュバックを含む冬のキャンペーン(順不同)

 ・キヤノン「All Canon プラチナ・キャンペーン
 ・ニコン「Winter Chance キャッシュバックキャンペーン
 ・オリンパス「OM-D & M.ZUIKO DIGITALレンズキャッシュバックキャンペーン
 ・パナソニック「LUMIX キャッシュバックキャンペーン
 ・富士フイルム「ちょっと早めのお年玉キャンペーン

まだほかにもあるかもしれませんが、確認できたものだけを載せました。

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関連記事

  ・Map Camera 「メーカーキャンペーン」


本田望結さん「つるんつるん」初滑り&点灯式

2015年11月13日 | イベント

「グランフロト大阪」3年目のクリスマス

早くもクリスマスのイルミネーションシーズンが幕開け。

グランフロント大阪(大阪市北区)では、3年目のクリスマスイベント「GRAND WISH CHRISTMAS 2015」を11月12日から12月25日まで開催。

その一つとして「うめきた広場」に、「ウメダ☆スケートリンク つるん つるん」(MBS主催)が登場しました 。

氷ではなく樹脂を使用した「転んでも濡れない」特設スケートリンク。昨年も開設され人気を呼びました。今年はリンク中央にシンボルツリーがお目見え。

12日午後5時すぎから、タレントでフィギュアスケート選手の本田望結(みゆ)さん(11 )の初滑り、点灯式がありました。

 

点灯式に使うスティックライトが配られていたので、もらってカウントダウンに参加。

 

カウントダウンのあと、午後5時15分に点灯された「エモーショナル・クリスマスツリー」。

高さ10メートル。デザインは、大阪出身のフラワーアート制作者・赤井勝氏の監修による、植物の花弁や茎で力強い生命力を表現したもの。さまざまな色彩に変化します。

 

本田望結さんが初滑りを披露。

 

集まった報道陣向けにポーズ。

衣装はサンタクロースとツリーをイメージ。可愛いですね~

 

ところで「エモーショナル・クリスマスツリー」、面白い仕掛けがあって、リンクの外側に吊り下げられた繭型のロボットと連動しています。

ロボットクリエイター・高橋智隆氏がヴイストン株式会社と共同開発した繭型のロボット。

名前は「WISH COCOON 」。花の中に抱かれたイメージですね。

目の周りが光り、時々おなかを動かします。思わず「これは何じゃ?」と思ってしまいました。

 

「皆の願いを輝きに替えて伝えるツリーの妖精」というのがコンセプト。話しかけたり、抱きしめたりすると、「エモーショナル・クリスマスツリー」の灯りが変化するそうです。

 

さっそく「WISH COCOON 」を抱っこしてみる望結さん。

「あったか~い」と感想。

 

インタビューに答える望結さん(左・赤井氏、右・高橋氏)。

 

笑顔が素敵。

 

 

関係者と記念撮影。

 

鮮やかなイルミネーションに浮かび上がる「ウメダ☆スケートリンク つるん つるん」。

営業は11月13日から、来年2月28日までです。

 

ツリーの色の変化をご覧ください。

 

 

 

 

グランフロント大阪周辺では、ケヤキ並木のイルミネーションも始まりました。

「GRAND WISH CHRISTMAS 2015」期間中、北館1階のナレッジプラザにヨーロッパの街角を再現。クリスマスマーケットやトリックアート「POP UP FANTASY」などのイベントも開かれます。

 

JR大阪駅ビルのイルミネーション

グランフロント大阪につながるJR大阪駅ビルでも、クリスマス飾りやイルミネーションが輝いていました。

「LUCUA1100」のクリスマス飾り。

 

大阪ステーションシティ「時空(とき)の広場」の「トワイライトファンタジー」。

「水の世界に入り込んだイメージ」だそうです。

 

時空の広場では、ヤマハプロデュース「Music Station 」も。

エレクトーンプレイヤー加曽利康之さんの演奏。「バック トゥ ザ フューチャー」や「Jupiter」の変奏など、すばらしい響きでした。

 

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撮影カメラ・レンズ

   キヤノン EOS 6D

    EF24-105mm F4L IS USM

   ソニーRX100

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関連記事

   ・グランフロント大阪のニュースリリース 第二弾(PDF)

   ・グランフロント大阪のニュースリリース 第一弾(PDF)

   ・『本田望結ドキドキ“ツリーの気分”で初滑り&点灯式』(日刊スポーツ)

   ・『本田望結、今年のXマスは「ケーキを作りたい」 』(ORICON STYLE)


京の文化財散歩(大覚寺の嵯峨菊)

2015年11月09日 | 旅行

京都の冷泉家公開を見に行ったときの続きです。

 

冷泉家を拝観したあとは、すぐ近くの京都御所(秋の一般公開、10月30日~11月3日)へ行っても良かったのですが、これまで何回も見ているし、地下鉄今出川駅から続く人の波に圧倒され、今回はパス。

地下鉄とJRを乗り継いで、嵯峨野の大覚寺に向かいました。恒例の「嵯峨菊展」(11月1日~30日)が開かれています。

 

JR 嵯峨嵐山駅から大覚寺までは、徒歩約17分。

この距離は微妙ですね~

歩けないこともない、とはいうものの、疲れるのでタクシーを使いました。

 

大覚寺。明智陣屋(正面)へ続く石畳。

 時代劇のロケに良く使われている大覚寺。こんな風景を使ったシーンもあったかも…

 

平安初期、嵯峨天皇の離宮・嵯峨院として建立されたのが大覚寺の前身。お寺になったのは貞観18年(876年)。真言宗大覚寺派の本山です。

明治時代初めごろまで、代々天皇・皇統の人が門跡(住職)を務めた格式高い門跡寺院。いけばな「嵯峨御流(さがごりゅう)」の総司所(家元)としても知られています。

 

さっそく嵯峨菊がお出迎え。

大覚寺ではこの時期、いたるところに嵯峨菊が飾られています。

 

境内の拝観と「嵯峨菊展」へは、式台玄関の横から入るようになっていました。

 

式台玄関(正面、玄関幕があるところ)の前に並ぶ嵯峨菊。

 

たくさんありますね~ 

拝観する前に、ここで花を撮ることにしました。

 

黄色の嵯峨菊「御所の秋」。

 

 
嵯峨菊は、嵯峨天皇の時代に、大沢池の菊ヶ島に自生していた野菊。その後江戸時代にかけて改良、洗練された古典菊です。

江戸菊や肥後菊と並ぶ日本三大名菊の一つとか。

 

花を先端に三輪、中ほどに五輪、下に七輪咲かせるように仕立てるのが王朝風。つまり「七、五、三」。

かぼそい、ほうきや茶筅のような花の姿。人によっては「どこが良いの?」と思うかもしれませんが、ありふれた菊より凛として優雅で、個人的には大好き。大覚寺の「嵯峨菊展」にも12年前に来ています(古い話…)。

 

ここの嵯峨菊は、おもに次の4色の品種でした。

上の写真の「御所の秋」(黄)のほか、「御所の雪」(白)、「御所の綿」(朱)、「御所の春」(ピンク)。

 

「御所の雪」。

 

「御所の綿」。

 

「御所の春」。

 

撮っているうちに、どんよりとしていた曇り空がにわかに晴れてきました。

 

秋空に映える嵯峨菊。

 

撮影後に、キヤノンのRAW現像ソフト「Digital Photo Professional 4」でピクチャースタイルを「風景」にして、青空を強調しています。それにしても、日差しが強くなると、こんなにも写真の色調が変わるんですね~

 

嵯峨御流のいけばなも展示されていました。

 

玄関の横から中に入り、これから建物の拝観です(料金は大人800円・小中高生600円)。

 

大玄関(式台玄関)松の間。

狩野永徳筆の障壁画の前に置かれているのは、ここで院政を行った後宇多法皇使用の御輿。

(説明書きに、「文化財保護の立場から国宝の文化財や重要文化財の仏像、障壁画、装飾画等は収蔵庫に収められております」とあるので、境内の障壁画などには複製が使われている可能性もあります。どれが複製かは確かめませんでしたが、まあ大体、想像はつきます…)

 

宸殿(しんでん)へ向かう途中の中庭。

 

宸殿(しんでん)。

江戸時代、後水尾天皇より下賜された寝殿造りの壮大な建物。

徳川2代将軍秀忠の娘で、同天皇の中宮となった東福門院和子が、女御御殿の宸殿として使用していたものだそうです。

広縁や建物をつなぐ廊下はすべて鴬(うぐいす)張り。

 

宸殿の周りを彩る嵯峨菊。

 

ピンクの嵯峨菊。可憐です。

 

宸殿の前庭で「嵯峨菊展」が開かれていました。

 ← このサムネイルをクリックすると大きな画像になります。

 

4色の嵯峨菊をひとセットにするのが決まりなのか、整然と鉢が並んでいました。

 

 

 

 

 

嵯峨菊を撮るのは一応ここまでにして、あとは順路に従って色々な建物を巡りました。

仏前など一部の場所を除いて、自由に撮影できたのが有難かったですね。

 

まず宸殿の中から。4つの大きな間があります。

 

これは「紅梅の間」(22畳)。見事な襖絵は、狩野山楽の「紅梅図」。

 

 「紅梅図」の部分。

 ← クリックすると大きな画像になります。

 

鶴を描いた「鶴の間」 (12畳)。

 

「牡丹の間」(33畳)。襖絵は狩野山楽の「牡丹図」。これも素晴らしい。

天井の様式からしても格式の高い部屋。

 ← クリックすると大きな画像になります。

 

 「柳松の間」(18畳)。

 

  「柳松の間」の御簾(みす)。

 

寝殿造りの特徴のひとつ、蔀戸(しとみど)。

 

次は正寝殿へ。

 

中庭を隔てた向こうにある正寝殿。こちらは12の部屋を持つ書院造り。

 

回廊を通って行きます。左の方が正寝殿。

縦の柱を雨、直角に折れ曲がっている様子を稲光にたとえ「村雨の廊下」と呼ばれます。床は鴬張り、天井は刀や槍を振り上げられないよう低く造られているとのこと。

 

正寝殿の「竹の間」から、奥の「御冠の間」(上段の間とも)を見渡したところ。「御冠の間」は鎌倉時代、後宇多法皇が院政を執った部屋。

 

手前の「竹の間」を飾る、四季の農作業を描いた襖絵「四季耕作図」(16面)が見もの。複製ですが、それなりにドラマが…

 

狩野山楽が描き、竹の間を飾っていたとされる襖絵で、いつの間にか海外に流出、屏風に仕立てられてアメリカのミネアポリス美術館に所蔵されていました。

これをキヤノンが「綴(つづり)プロジェクト」(文化財の未来継承)のひとつとして取り上げ、ミネアポリス美術館の協力も得て、「四季耕作図」の高精細複製品を制作。2014年に大覚寺へ寄贈。250年ぶりの里帰りということで話題になりました。(キヤノンのニュースリリース参照)

ちなみに、複製にはキヤノンのデジタルカメラ「EOS 5D Mark III 」を使用。多分割撮影したものを1枚の画像に合成、特製の和紙に大判プリンターで印刷したそうです。

大覚寺では、この作業を記録したキヤノンのドキュメンタリー動画も放映していました(キヤノンの動画ページ参照)。

キヤノンのいい宣伝になりますねェ…

 

上の写真から「四季耕作図」をアップにしてみました。これは右側。

 

「四季耕作図」左側。

(光の状態が悪かったので、色の調子がよくありませんがご勘弁を)

 

「竹の間」に掲示されていた読売新聞の紙面。

 

正寝殿「賢人の間」。

 

正寝殿「鷹の間」。

 

正寝殿の東側の廊下からは、腰障子の下にウサギの絵が見えました。

 

元禄時代の渡辺始興筆「野兎の図」。

 

可愛いですね。

 

このあと、霊明殿へ。

廊下の右側に見える霊明殿。

総理大臣を務めた斎藤実が昭和3年(1928年)、東京に建てた日仏寺の本堂を移築したもの。

 

霊明殿から廊下を振り返ると、朱色がまぶしく反射していました。

 

色々な建物が立ち並ぶ境内。中央は法隆寺の夢殿を模した勅封心経殿。

嵯峨天皇ら6天皇の直筆般若心経を収め、60年に一度しか開けられないそうです。

 

右側は、大覚寺の歴史に大きな役割を果たした人々の尊像を安置する御影堂(みえどう)。建物は大正天皇の即位のさい立てられた饗宴殿を移築。

 

勅使門。

 

御霊殿(安井堂)。

京都・東山にあった安井門跡蓮華光院の御影堂を移築した建物で、江戸時代中期の様式。中央には、後水尾天皇の等身大の僧形像が。

 

安井堂天井雲龍図。

内部の装飾が美しいお堂です。

 

格天井(ごうてんじょう)の板に描かれているのは、密教法具や花鳥など。

 

天井のアップ。

一つひとつ見ていくと面白いです。

 

五大堂に来ました。ここが大覚寺の本堂です。

 

五大堂。

不動明王を中心とする五大明王を安置。

 

大沢池に面し、広いぬれ縁(観月台)があります。

 

大沢池の眺望。

 

嵯峨天皇が離宮造営にあたって、唐の洞庭湖を模して造らせた日本最古の人工の林泉。

中秋の名月の夜にはここで「観月の夕べ」が催され、池に張り出した特設舞台(いま小鳥が群れているところ)で満月法会があります。

写真の中央上あたりに月が昇るので、一度撮りたいと思っている場所のひとつ。

 

五大堂のお守り授与所で見かけた嵯峨菊香。

11月限定、1100円。どんな香りがするのでしょうか…

 

                  ◇

 

京の旅の楽しみといえば、食事も大切。

ただ、時間に余裕がなくて、この日は大覚寺門前の「しぐれ茶屋」ですませました。

「しぐれ茶屋」。

 

こういう茶屋で頼むのは大体いつも「にしん蕎麦」。

立ちのぼる湯気に、旅の疲れが癒されます。

 

大覚寺ではこれからの紅葉の時期に、夜間特別拝観「真紅の水鏡」(11月13日~12月6日)という催しもあります。

大沢池にライトアップされた紅葉が映り、写真になりそうですが、

さてどうしましょうか…

 

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撮影カメラ・レンズ

   キヤノン EOS 6D

    EF24-105mm F4L IS USM

   ソニーRX100

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関連記事・サイト

   ・大覚寺ホームページ

   ・『古典菊の魅力 Part 1』(2014年11月10日記事)

   ・『古典菊の魅力 Part 2』(2014年11月12日記事)

   


京の文化財散歩(冷泉家公開)

2015年11月06日 | 旅行

11月3日の文化の日、ぶらっと京都へ行ってきました。

秋の「京都非公開文化財特別公開」(10/30~11/8)の期間中で、普段は見られない冷泉家(れいぜいけ)が公開されていました。

 

冷泉家。周りは同志社大学。

 

京都御所(御苑)の北、今出川通りを隔てたところにある冷泉家は、平安・鎌倉時代の歌人、藤原俊成、定家父子を祖先に持ち、800年も続いている「和歌の家」。どっしりとした塀に囲まれた屋敷は、現存する最古の公家屋敷として重要文化財に指定されています。

伝統と格式を重んじる京都の、ある意味で象徴のような場所ですね。

かなり前、「冷泉布美子が語る 京の雅 冷泉家の年中行事」(聞き書き・南里空海、集英社)という本を読んで以来興味を持ち、いつか訪ねてみたいと思っていました。

 

「冷泉家特別公開」の看板が立てられた表門。

 

公開は他の特別公開文化財と比べて短く、10月31日から11月3日までの4日間だけ。拝観料は大人800円、中高生400円。

あらかじめ分かっていたことですが、内部の撮影は禁止になっていました。

なので門の外から撮るしかありません。

 

表門から見た冷泉邸。このあたりまでが撮れる限界。

玄関を目隠しするための、格子状の「立蔀(たてじとみ)」が見えます。

 

珍しいのは表門の屋根の両側にある亀の瓦。

仁王像のように「阿吽(あうん)」の姿が対になっています。これは向かって右側の、口を開いた「阿」の亀。

 

こちらは口を閉じた「吽」の亀。

 

なぜ亀の像があるかというと、冷泉家が京都御所の北に位置していることから、「四神」のうち北を守る「玄武神」(亀と蛇の姿)を表したものだそうです。

また、屋根の中央の梁にもう一匹、木彫りの亀が北向きに屋敷を見守るように祀られているとのこと(ちょっと見えませんでした)。

この亀については、「冷泉布美子が語る 京の雅 冷泉家の年中行事」で冷泉布美子さんが面白いことを話しています。

京都の大半を焼き尽くした天明の大火(1788年)で、冷泉家の屋敷も御文庫(藤原俊成、定家などの書物を収めた土蔵)だけを残して焼失。2年後に再建の地鎮祭を行っていた時のこと、

『裏の相国寺から来たのでしょうか、一匹の亀がノソノソと現れたのだそうです。それを“繁栄之吉瑞也”と喜び、冷泉家の表門の梁に、木彫の亀が冷泉家を守護するかのように置かれるようになりました。私どもの分家に下冷泉家がございます。下冷泉家に対して、うちは上冷泉家と呼ばれておりますが、それがいつの間にか“亀冷泉”と呼ばれるようになりましたのは、庭のあちこちに亀がノソノソと歩いていたからだそうです。娘たちがまだ小さいこ頃、庭の亀をたいそう怖がって、見ると泣いておりました。』(冷泉布美子さん談)

 

この日の特別公開では、水のせせらぎがある庭も拝見しました。亀は見かけませんでしたが…

 

冷泉邸の見取図と拝観順路(赤い線)。

(冷泉家に失礼とは思いましたが、ネットで見つけた見取図に、拝観順路の赤い線を加えた画像。あくまで記事の参考。公式なものでは全くないので、再掲載・配布なさらないようにお願いします。下絵の見取図は「わくわくドキドキ DOUBLE HEART」さんのブログから引用しました。官公庁などの資料かと推測します。出所は未確認。)

 

台所の土間を内部から、玄関、座敷、御文庫は外から見学、係の人が説明してくれました。

 

<台所土間>

黒ずんだ柱と高い天井の土間に、白く塗られたかまどが2つ。「おくどさん」といって、正月や神事に使われるもの。土間の正面の梁に「しゃぐま」という大きなワラ束が吊り下げられていました。祇園祭の長刀鉾に使われ、祭が終わると冷泉家がもらい受け、魔よけとして飾るならわしだそうです。

普段使う台所は奥の方にあり、かなり広そうでしたが、見られませんでした。

<玄関>

日常の来客や家族が出入りする内玄関と、当主や賓客の出入りに使われる大玄関の2つ。

内玄関の前には目隠しの「立蔀(たてじとみ)」が立てられ、大玄関には、来客が地面に降りることなく駕籠に乗れるように式台(板の間)が設けられています。

<座敷>

庭に面した座敷は、来客の身分の高さの順に「上の間」「中の間」「使者の間」が連なっています(「上の間」は神事にも使用)。

部屋の境に欄間(らんま)がないのは、歌会などの大きな行事のさい、襖を外して全体を一室化するため。襖の模様は黄土色の地に銀色の雲母で型押しした「牡丹唐草」で統一。歌を詠むときに邪魔にならないよう、季節性のある柄は使わないとのこと。

さすが和歌の家。徹底していますね。

 

天皇の勅使などは、玄関ではなく、庭に通じる「塀重門」を通り、座敷縁先の階段から直接「上の間」に上がったそうです。

庭には、(座敷側から見て)左近の梅、右近の橘が植えられています。座敷に、後桜町天皇から拝領の「牡丹図蒔絵文箱」、光格天皇の遺品「菊図象嵌鉄火鉢」などが展示されていました。

<御文庫>

2階建の土蔵。貴重な文書を収めてあり、冷泉家の信仰の対象。

防火を考えて、白い壁の厚さは八寸(24.2センチ)も。木製の屋根は、漆喰の屋根に載せてあるだけで、火災の時、延焼を防ぐために取り外せるとのこと。

最悪の場合に文書を投げ入れる(?)井戸もそばにありました(過去そういう事態はなかったそうですが)。

 

藤原定家自筆の「古今和歌集」「後撰和歌集」「名月記」など国宝5 件をはじめ重文指定の多数の文書、それ以外のものも含めて何万点もの歴史資料がこの御文庫に保存されています。(参考までに、朝日新聞出版が文書を撮影した精巧な複製本「冷泉家時雨亭叢書」を出しています。最終的には100巻!で完結する予定)

いわば日本の伝統文化のタイムカプセル。それを守り続けてきた冷泉家の努力には頭が下がります。

 

それにしても膨大な古文書と広い屋敷… 荘園を持っていた公家の時代ならいざ知らず、現代では個人が維持していくのは相当な困難。このため、昭和56年4月に、将来にわたり恒久的に文化遺産を継承保存する目的で、公益財団法人「冷泉家時雨亭文庫」(理事長は現在、第25代当主・冷泉為人氏)が設立されています。

平成6年から12年末にかけては、屋敷の解体修理も行われました。

 

お土産に買った一筆箋。京の雅(みやび)ですね~

和歌などをさらさらと書ければいいのですけど…

 

かわりに藤原定家の歌をひとつ。

「来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや 藻塩(もしほ)の 身もこがれつつ」(百人一首)

「小倉百人一首」の選者も定家でした。

定家の時代は源平の争乱があったり、後鳥羽上皇が隠岐に流されるなど激動の中。歴史書を読んでいると興味が尽きません。

 

冷泉家見学のあとは、大覚寺の嵯峨菊を見に行きました。

その話は次回に。

 

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撮影カメラ・レンズ

   キヤノン EOS 6D

    EF24-105mm F4L IS USM

   ソニーRX100

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関連記事・サイト

   ・京都古文化保存協会

   ・『京都非公開文化財特別公開 2015年秋』(朝日新聞デジタル)

   ・『モリサワ文字文化フォーラム 第1回 - 冷泉家の歴史と文化』(2010年)