6月26日に発表されたニコン「D810」。(ニコンのプレスリリース)
大阪・梅田のニコン・プラザ大阪で触ってきました。
ニコン「D810」。
高画質で定評のある35mmフルサイズ一眼レフ「D800/D800E」の後継機。
ボディーの外観はあまり変わりませんが、スペック的には数々の改良がなされ、大きく進化しているようです。発売は7月中旬の予定。
◆広がった感度域
新しいイメージセンサーは3635万画素。画素数が若干増え、光学ローパスフィルターレスに(D800Eはローパスフィルター無効化)。
常用感度(推奨露光指数)が低感度側に広がったのが大きな特長(ISO64)。低感度側に広がったことで、明るい場所で大口径レンズを開放にした撮影がしやすくなるなどのメリットが考えられます。
一方、高感度側もISO12800まで拡大しています(D800/D800EはISO100~6400)。
背面液晶。ISO感度を「オート」にして、明るいところへカメラを向けるとISO感度の表示(中央)が「64」まで下がりました。
ニコンのサンプル画像を見ると、ISO64 で撮影された作例がいくつかあります。
これまでのデジタルカメラではあまりないことです。
フィルムカメラの時代には、あえて低感度のフィルムを使うことで、きめの細かい諧調豊かな写真が撮れたわけですが、デジタルになるとISO100より低い拡張感度にすることが必ずしも良い画質を保証するわけではなく、逆にダイナミックレンジが狭い写真(白飛びなど)になる可能性がありました。
もらったパンフレットによると『(新開発のセンサーは)各画素が蓄積可能な光の情報量を2/3段分増やすことで、階調性を損なうことなくベース感度ISO64を達成。また、光学ローパスフィルターレス仕様と画像処理エンジンEXPEED4の高度な処理能力とにより、D800Eをも凌ぐ高い鮮鋭感を発揮します。』と書かれています
『ニコン史上最高画質』とのこと。
ウ~ム、すごい意気込み。
今回は発売前のため撮影データ持ち帰りができませんでしたが、どれぐらい良い画質なのか、これから出てくるレビュー・作例を見てみたいところです。
キットレンズ「AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR」が付いていました。
「重いD800」という先入観に反し、持ってみると意外に軽い。
ボディー(本体のみ)が880gと、20g軽くなったのに加え、キットレンズの軽さが影響しているようです。
連写性能が向上(4コマ/秒→5コマ/秒)したのに、少しとはいえ軽くなったのは立派ですね。とかく連写速度がアップするたびに、シャッターユニット強化のせいか重くなっていくカメラがほとんど…
◆シャッター音が静かになった!
シャッターユニットは新設計とのこと。
D800/D800E と比べて、シャッター音がソフトで非常に小さいという印象。
さらに、ライブビューでミラーアップしてシャッターを切ると、「カシャ」とささやかな音。まるでレンズシャッターではないかと思うほど静か。
ライブビューにして、ミラーアップ(左上のダイヤルで「Mup」)。電子先幕シャッターになります。最もカメラブレの少ないやり方。
ミラーアップでは、1回目にシャッターを押すとミラーが上がり、液晶が暗転。ミラーの音は全くせず、「フニュ」という感じ。はなはだ心もとないです。しかし2回目のシャッターでちゃんと撮れています。
このカメラの高画質を、ミラーショックやシャッターブレから極力守るために、ニコンが力を入れてユニットを開発したのがうかがえます。
はっきり言って、シャッター音に関する限り、D800/D800Eとは全く別のカメラ。
ただ、金属的でキレのいいシャッター音が好きな人もいますね。そんな人にはソフトすぎて不満かもしれませんが、個人的には、このシャッター音が好きになりました。(「Df」のシャッター音も好きですけれどね。)
「良いカメラ」という感触。D800/D800Eがさらに洗練された感じでした。
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撮影カメラ ソニーRX100
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