つれづれ写真ノート

   カメラと写真 そして世の中の色々なこと---

スーパームーンと夜桜

2020年04月08日 | 宇宙

4月7日の夜は「スーパームーン」が見られました。

7日夜から8日にかけて月が地球に接近し、満月のうちで最も大きく、明るく見えるそうです(tenki.jp など参照)。

2020年4月7日のスーパームーン(午後7時3分、カメラCanon EOS 6D II 、EF 70-300mm、F8.0、1/800秒、ISO800、大幅にトリミング)

 

ネットを見ると世界各地の「スーパームーン」の画像がアップされています(スポニチ 参照)。4月の満月なので『ピンクムーン』とも呼ばれるとか(RocketNews24 参照)。

本来なら、何かのランドマークと絡めて撮りたいところですが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて7都府県に緊急事態宣言が出された、まさに当日。遠出はあきらめ、自宅近くの公園で撮りました。

満開の夜桜とスーパームーン。

パンデミックの恐怖を鎮めてくれるような、清らかな光。

春の月を詠んだ有名な一句が浮かびます。

『外にも出よ触るるばかりに春の月』 中村汀女

 

4月8日も、晴れる地域ではスーパームーンが見られるそうです。

外出を制限されストレスのたまる緊急事態下ですが、自宅の周りや部屋の窓から月を楽しむのには、何の問題もありませんよネ・・・


星たちの競演(訂正を兼ねて)

2018年08月23日 | 宇宙

7月末の火星大接近のあと、空をあおいで星を探すことが多くなりました。

そうするうちに、「夕焼けを探して」(8月15日記事)の写真説明の誤りに気付きましたので、訂正します。

 

写真は8月14日の夕焼け。「拡大すると、画面左側に三日月と金星が見えます。」とあるのは「三日月と木星」でした。

(拡大写真)三日月の左にポツンと見える星。金星と思いこんでいましたが、AstroArts の星図などと照らし合わせてみると、この時期に月の左に見えるのは木星で、金星は月よりずっと右に離れていることが判明。

このあと、3日後の8月17日には月が左へ動き、木星と接近することになります。

下はAstroArts に掲載された、その時の星図です。

8月17日、月と木星が接近(AstroArts より引用)。

 

このあと月はさらに左へ移動、8月21日に今度は土星と大接近します。

8月21日、月と土星が大接近(AstroArts より引用)。

 

翌日の22日夜眺めたときには、南の空に左から、火星、月、土星、アンタレス、木星の順に並んでいました(土星、アンタレスはかなり暗め)。

少し前の時間帯には西の空に金星も。

考えてみれば、星たちの豪華な“競演”ですね~

台風20号の接近で風が強く、空のチリが吹き払われたのかもしれません。一度に、こんなにいくつもの惑星を(肉眼で)見たのは初めてです。

改めて、「太陽系の中で生きている」ということを実感…


月と金星 大接近

2017年01月02日 | 宇宙

2017年。正月早々美しい天体ショーが。

日没後、細い月と金星が大接近していました。

 

左側が金星。 (2017. 1. 2  18 : 29)

この程度の大接近はよくあることですが、きれいだったので撮ってみました。(なかなか “月星印” のようにはなりません)

カメラ Canon EOS 6D、レンズ EF70-300mm F 4 - 5. 6L IS USM。ピント、露出ともマニュアル(絞り F5. 6、1/30秒、ISO 6400 )。トリミングあり。三脚がめんどうなので塀の上に乗せて手持ちで。手ブレ補正のおかげです。

 

今度は、シャッター速度を上げ、露出を少し控えめにしてみました。絞り F5. 6、1/60秒 、ISO 6400。(2017. 1. 2  18 : 30 )

 ← クリックで拡大します

ライブビューで眺めると、ごく薄い雲が月面を横切っていくのが見えました。

天体を撮っていると、いつも「悠久の大自然」を身近に感じます…

 

今年が、地球にとって平穏な年でありますように。

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関連記事

   ・『2017年1月2日 細い月と金星が大接近』(AstroArts)

   

 


準惑星ケレス 謎の光(最新3D映像)

2015年08月09日 | 宇宙

NASAの無人探査機「ドーン」が、火星と木星の間にある準惑星ケレス(セレス)に、謎の光る点(下の写真)を発見、話題になっていましたが、新しい映像が届きました。

 ケレスの謎の光(クリックで拡大=NASA提供)

 

8月6日、NASAはこれまでの「ドーン」の観測データから作成された3Dアニメーションを公開。

自転するケレスの全体像のほか、謎の光る点が存在するクレーター(Occatorと命名)を低く旋回するような形で映像化しています。

 

謎の光点があるクレーター「Occator」(NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA/LPI)。

 

確かに白い斑点が見えます。しかし、目を凝らしてみてもよく分かりませんね~

これが氷なのか塩なのか、それ以外のものか… 

『Occatorの光る点からの反射光を様々な波長で調べた限りでは、「ドーン」の科学者チームは、それが氷で構成されているという証拠を得ていない。この光の点のアルべド(白さ)=入射光に対する反射光の比=は氷だとした場合の想定量より低い。』(NASAのページより)

 

一方こちらはピラミッドのような山。

クレーター「Occator」からかなり離れた場所にある、高い山です。

Credit:NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA/LPI

 

山の部分をアップにしてみます。

周りの地表とは異質な、白いものがニョキッと突き出した格好。逆に、手前には深い大きな穴。

 

別の方向からの映像。(Credit:NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA/LPI)

 

NASAのページによると、この山の高さは約6000メートル。北米最高峰、アラスカのマッキンリーと同じぐらいだそうです。

それが地表からいきなり急斜面でそそり立っていることから、「ピラミッド」という表現が使われています。

 

下はNASAの3Dアニメーションです。最後の方は、3Dメガネをかけるとさらに立体的に見える映像になっています。

  NASAのCredit
   ・セレスの自転アニメ:NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA/PSI
   ・Occator(クレーター)と山のアニメ:NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA/LPI

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訂正(8/14)

    8/9 の記事で、謎の光点が存在するクレーター「Occator」の中に、ピラミッドのような高い山があると読み違いしていました。クレーターと高い山は別の場所にあります。

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 関連記事

   ・『準惑星ケレス 謎の光(続報)』(6月12日 当ブログ記事)

   ・『ますます鮮明に!氷か塩か、ケレスで輝く謎の光点』(AstroArts)

   ・『ケレスの地図公開、謎の光点のあるクレーターにも正式名称』(AstroArts)

   ・『NASA探査機が撮影、準惑星ケレスの「ピラミッド状の山」と「謎の光点」(動画あり)』(WIRED)

 


ブルームーン

2015年08月01日 | 宇宙

1か月に2度満月が見られることがたまにあり、2度目の満月を「ブルームーン」と呼ぶそうです。

2015年7月は2日に満月、31日も満月。

こういう現象は、このあと2018年1月までないとのこと。

 

「ブルー」という名が付いているので、青い月になるのかというと、そうではなくて、ただ英語的に「珍しい」という意味のようです。

「ブルームーン」を話題にしたサイトはたくさんありますが、「ロマンチックですね」とか、お茶を濁していて… 命名の由来はよくわかりません。

 

まあ、月に変わりはないけれど、ひと月に2 回満月になるのは珍しいじゃないの~ ということで撮ってみました。

 

2015年7月31日の満月「ブルームーン」(午後7時57分)。300mmで撮り、等倍に拡大したもの。

(Canon EOS 6D  EF70-300mm f/4-5.6L IS USM : マニュアル露出 (F5.6、1/160秒)、 ISO 320 、 画質 RAW 、 ホワイトバランス オート 、   マニュアルフォーカス  、   ピクチャースタイル  スタンダード 、 デジタルレンズオプティマイザ適用  、 シャープネス 4 )

 

見慣れた月の素顔も、最近の「ニューホライズンズ」探査で明らかになった冥王星や衛星カロンの素顔を見るとずいぶん違っています。

太陽系の惑星、準惑星はNASAの探査のおかげでかなり分かってきましたが、改めて考えてみると月ってどこまで分かったのか、という気もしますね。

 

JAXAは、日本初の月面着陸機「SLIM」を、2019年度に打ち上げる計画を立てています。この月面のどこに降りて調べるのか…

楽しみです。

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関連記事

   ・『今夜の月は ブルームーン 』(tenki.jp)

 


冥王星の素顔

2015年07月16日 | 宇宙

 

これが冥王星。おそらく歴史に残る写真ではないでしょうか。最接近前日の7月 13 日、ニューホライズンズのカメラ「Long Range Reconnaissance Imager (LORRI)」が、768,000キロ手前から撮影。(Credits: NASA/APL/SwRI)

 

いよいよ、米航空宇宙局(NASA)の探査機「ニュー・ホライズンズ」が、冥王星に最接近した時(正確には最接近の直前)の画像が届きましたね!

上の写真で特徴的な「ハート形」の下の部分で、山脈のような突起が写っていました。

 

冥王星の赤道付近のクローズアップ。高さ3,500メートル級の若い山々がそびえる驚きの映像(NASAの写真説明より。Credits: NASA/JHU APL/SwRI)。50 マイル(約80. 5キロ)の縮尺が付けられています。

 

NASAによると、山脈の標高は3,500メートルぐらい。1億年ほど前にできたと考えられ、太陽系の年齢(約46億年)と比べると非常に若く、まだ形成過程にあるとしています。写真の領域(冥王星の表面の約1%)は、現在も地質学的に活動している可能性があるそうです。

この領域の“若さ”を推定する根拠は、クレーターが無いこと。冥王星の他の領域と同じように、この領域も数十億年の間に、たび重なる隕石の落下でクレーターができたはずですが、最近の(地質学的な)活動がその痕跡を消してしまったというのです。

(地球の造山運動のようなもの? )

巨大惑星の周りにある氷の衛星と違い、冥王星の周りに自分より大きな天体はないので、そうした大きな天体との重力の相互作用で熱せられる(その結果、地質学的活動を起こす)ことはなく、別のプロセスがこの山岳風景を形成しているとのこと。

(まだナゾなんですね…)

「氷の星の世界で、何の力が地質学的活動を起こしているのか、再考を迫られる」と研究者は話しています。

 

また、これら冥王星の山々はおそらく「水の氷」(地球では変な言い方ですけど…)で出来ていると考えられるそうです。冥王星の表面は、「メタンや窒素の氷」が覆っていますが、山を形成できるほどの強度はない。つまり、メタンや窒素とは別の硬い素材が山を構成しているはずで、最も可能性が高いのが「水の氷」。

冥王星の温度(-228℃~-238℃)では、「水の氷」は岩と同じ振る舞いをするのだそうです。

 

ここで「冥王星はマジ寒い!」(当ブログ“超訳”)と題したNASAの報道用イラストをご覧ください。

冥王星の温度について解説したNASAのイラスト(PDF)。(クリックで拡大)

 

冥王星の温度は、下から二番目。一番下の絶対零度より少し高いだけ。瞬間冷凍に使われる液体窒素(Liquid Nitrogen)より冷たいです。

お~寒!

 

冥王星の衛星カロンについて

 

 

 冥王星の衛星カロンの鮮明な映像。7月 13 日、ニューホライズンズのカメラ「Long Range Reconnaissance Imager (LORRI)」が、466,000キロ手前から撮影。(Image Credit: NASA-JHUAPL-SwRI )

 

冥王星には5 つの衛星が確認されていて、そのうち最大の衛星がカロン。

冥王星(プルートー)はギリシア神話で冥府の王プルートーから名付けられていますが、この衛星もギリシア神話で冥府の川の渡し守カロンにちなんだもの。

 

画像を見ると、手前には峡谷(長さ約1,000キロ)が見えます。右上隅の峡谷の深さは7~9キロありそうだとのこと。

クレーターが少ないことから、衛星の表面は地質活動によって再形成された比較的若いものだとしています。

(冥王星もカロンも、恐ろしげなネーミングにかかわらず、素顔は若々しかった。冥王星にはハートマークもありましたしね… )

 

冥王星とカロンは、同じ面で向き合いながら回転しています。大きさが地球と月ほど差がなく、冥王星もカロンに引っ張られた状態で回転しているのが次のGIFムービーで分かります(クリックで拡大)。

4月12 日から4月 18 日にかけて撮影された冥王星とカロンの動き。(Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Southwest Research Institute)

フィギュアスケートのペアか、ハンマー投げみたいですね。

重力の作用というものを実感。

 

ニューホライズンズは残り4 個の衛星のうち、ヒドラの画像も撮影しています。

ヒドラ。ニューホライズンズからの距離は約64万3,700キロ、ごく小さい衛星なので画像はぼやけています。(Image Credit: NASA-JHUAPL-SwRI)

 

球体ではなく、じゃがいものような形ですね。

ちまみにヒドラとは、ギリシャ神話に登場する、9つの首を持つ蛇のような怪獣。

 

残り3つの衛星は、

ニクス(ギリシャ神話で夜の女神)

ステュクス(同、冥界と現世の間を流れる川、および女神)

ケルベロス(同、冥界の番犬)

 

いやはや…

 

ニューホライズンズの“冥界の旅”。これからも驚きの世界を見せてくれることでしょう。

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関連記事・動画

  ・『はじめての冥王星』(ナショナルジオグラフィック)

  ・NASAのアニメーション(ニューホライズンズの旅)

  ・NASAのアニメーション(冥王星最接近)


冥王星にハートマーク?

2015年07月10日 | 宇宙

NASAの探査機「ニューホライズンズ」が7月14日に、太陽系の最果て、冥王星に最接近します。

少しずつ冥王星の写真が送られてきています。その最新映像の中に「ハートマーク」が!?

 

右下にハートマークがある!と、NASAの科学者は騒いでいます… (7月7日撮影、NASA提供。Image Credit: NASA-JHUAPL-SWRI)

 

冥王星って、“地獄の王”を連想する暗~い青ざめたイメージでした。でも、赤っぽくて、意外な感じ。

ハートマークのような、周囲より明るい地域は砂漠なんでしょうか、何となく変な感じ。何でこんなものがあるのか…

 

いやはや、謎の光を発する準惑星「ケレス」とか、噴泉衛星だとか… 太陽系の素顔が分かるにつれて、意外なことばかり。

 

あと数日で最接近映像が送られ、ニュースになるでしょう。日々の生活に追われる人も、ちょっとは目にとめてみるかも。

でも、「冥王星は愛の星だった」とか、イージーな見出しは… 見たくないな~

 


準惑星ケレス 謎の光(続報)

2015年06月12日 | 宇宙

「準惑星ケレス 謎の光」(3月7日記事)の続きです。

NASAの無人探査機「ドーン」が、火星と木星の間にある準惑星ケレス(セレス)の周りを回って撮影した中に写っていた2つの謎の光。

ケレスの謎の光。(NASA提供)

 

その後どうなったか、NASAのページをチェックしてみると、6月10日に公表された最新画像が掲載されていました。

準惑星ケレスの最新画像。光る点の状況がこれまでより鮮明。(NASA提供)

 
NASAによると、ケレスから約4,400キロまで接近して撮影した映像。明るい領域は、直径約90Kmのクレーターの中にあり、中央のかたまった部分と、さまざまなサイズの光の点々が見えます。これが何なのか、これまでのところ、明確に科学的な説明がつかないそうです。

探査チームの研究者の話では、氷である可能性が強いものの、他の(たとえば塩)可能性も含めて引き続き観測を続けるとのこと。

 

クレーターの直径が90Kmということで、NASAの画像をフォトショップで拡大、モノサシを置いてみました。

モノサシを重ねてみると…(細かい目盛りは約2Km。大まかな合成です。科学的に厳密でなく、NASA製作ではないので転載不可)。

 

クレーターの直径が90Kmとすると、中央の明るいかたまり(NASAの説明ではcluster)の直径は15Km 前後のようです。

15Km というと、かなり大きなものですね。(UFO の基地?とか人工的な発光ではなさそう… )

氷である場合、これだけの広さの氷がかたまって存在する理由は何でしょう?

 

ケレスの内部構造は、下の図のように、分厚い氷の層の上を薄い塵の表皮が覆っていると考えられています。

ケレスの内部断面図(NASA提供。Wikipediaより)

 

素人としては、隕石の落下でクレーターができたさい、塵が吹き飛ばされ、下の氷の層が現れた? あるいは、氷でできた小さな天体(たとえば彗星)の衝突によるものかも… と色々想像をめぐらしていますが、事実はどうでしょうか。

 

NASAのページでは、光の点が何だと思うか? と一般から意見を募っています。

火山? 氷? 塩? … そのどれでもない?  

興味のある方は、投票してみてはどうでしょうか。

 


土星の「噴泉衛星」 生命体いるか?

2015年03月19日 | 宇宙

古い雑誌や本を処分しようとして、ふと「サイエンス」の2009年3月号に目がとまりました。

 

「サイエンス」2009年3月号。噴泉を吹き上げる土星の衛星エンケラドスの特集。

 

はて、こんな衛星で、生命がどうとか、という記事を最近読んだような…

と思って調べてみると、ありました。

3月12日前後に新聞、TVなどメディアに一斉に出ています。そのひとつ、比較的詳しいハフィントンポストから引用してみると、

『地球以外の太陽系の天体に現在も、原始的な生命を育みうる環境があった。土星の衛星エンセラダスは、地球の海底と同じように地下海の岩石の割れ目から熱水を噴出している可能性が高いことを、東京大学大学院新領域創成科学研究科の関根康人(せきね やすひと)准教授、海洋研究開発機構の渋谷岳造(しぶや たかぞう)研究員らの日米欧の国際チームが探査と再現実験の綿密な連携で確かめた。 (中略) 米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)などとの共同研究で、3月12日付の英科学誌ネイチャーに発表した。』

 土星の衛星 Enceladus はエンケラドスともエンセラダスとも読めます。東大の発表ではエンセラダスとなっています。まあ、どうでもいいことですが。

 

ところで、古い「サイエンス」2009年3月号の記事は、『地球外生命体探査の新候補』として、

『土星の衛星エンケラドスでは、有機物を含んだ粉雪と水蒸気のジェットが「虎の縞地帯」から噴出している。直径500Kmちょっとの小さな天体で、一帯どんな作用がそのような活発な地質活動を維持しているのだろうか。(中略)エンケラドスに液体の水が存在すれば、この衛星は火星や木星の衛星エウロパと並び、太陽系で地球外生命体を探査する有力な候補地となるだろう』

と書かれています。

 

噴泉を吹き上げるエンケラドスの想像図も。

大きさの目安としてイラストには、エンケラドスに降り立った宇宙飛行士が描かれ、SFチックなイメージが強く印象に残っていました。

 

特集の知識は、1997年に打ち上げられたNASAの土星探査機「カッシーニ」の成果。

このころから生命体が存在する可能性が話題になっていたので、先日の記事も何となく読み飛ばしていました。

「生命の可能性? で、何が新しいの? ずいぶん前にもう話題になっているじゃないの」

という気持ち。

 

あらためて、今回の発表をよく読んでみると、

『欧米チームはカッシーニ探査機のデータから、プリューム(間欠泉)として放出される海水中に、岩石を構成する2酸化ケイ素のナノシリカ粒子が含まれていることを見つけた。日本チームは海洋研究開発機構の装置で、エンセラダス内部の環境を再現する熱水反応実験を実施し、ナノシリカ粒子が生成するためには、岩石からなるコアと地下海の海水が、現在も90℃を超える高温、pH8~10のアルカリ性で反応していることを示した。』(ハフィントンポストより)

というところが新しいようです。

 

探査機「カッシーニ」はこれまで、エンケラドスの噴泉(南極地帯から噴き出している)に向かって突入、噴出された物質を検出しています。

それを解析したのが今回の研究で、ナノシリカ粒子が生成されているからには、エンケラドスの分厚い氷の下に90℃を超える熱水があるはずだ、というのが最大のポイント。

地球の深海では、太陽の光が届かない熱水の噴出孔の周りにたくさんの生物がいることがわかっています。なので、熱水があるエンケラドスにも生命体がいる可能性がある。ということ。

「サイエンス」2009年の記事から、ほんのちょっと前へ進んだのかな… 

科学の進歩には長い時間が必要なんですね。

 

でも、氷の下の熱源って何でしょう。それはまだ謎のまま。

「カッシーニ」はまだ探査を続けることになっています。

 

捨てようと思った古い「サイエンス」。とりあえず置いておこうかな…

 

NASAのページから、噴泉を吹き出すエンケラドスの南極地帯の写真を貰ってきました。

サムネイルをクリックするとフルサイズの画像になります。

神秘的ですよ~

 

 (2010年にカッシーニが撮影したエンケラドスの噴泉 NASA/JPL/SSI 提供)

 


準惑星ケレス 謎の光

2015年03月07日 | 宇宙

ニコンが天体撮影専用の「D810A」を発売する(5月下旬予定)というのを聞いたのがきっかけで、天体に興味が湧き、今年どんな天体ショー、トピックスがあるのだろう、と調べたことがあります。

 

ざっとまとめると次の通り(3月以降)。

 ・NASAの探査機ドーンが準惑星ケレス(セレス)に到達(3月6日)
 ・皆既月食(4月4日)
 ・NASAの探査機ニューホライズンズが冥王星に到達(7月14日)
 ・ブルームーン(7月31日) *ひと月のうちに満月が2度あり、2度目の満月が「ブルームーン」。
 ・ペルセウス座流星群(8月12日~13日)
 ・スーパームーン(9月28日) *地球に一番近づき、大きく見える満月。
 ・JAXAが金星探査機「あかつき」を金星周回軌道へ再投入(12月7日)
 ・ふたご座流星群(12月14日~15日)

このうち、いずれもNASAの探査機が接近する、準惑星ケレス(セレス)と冥王星についての観測が、人類初の知識をもたらしてくれそう。特に面白いと思っています。

 

ケレスの謎の光!

ケレス(セレス)は、火星と木星の間の小天体がひしめく小惑星帯の中にあり、小惑星の中では最も大きな天体。直径約950キロと地球の13分の1で、準惑星という位置づけ。分厚い氷に覆われていると考えられています。昨年、ヨーロッパ宇宙機関(ESA)の赤外線天文衛星「ハーシェル」の観測で、2か所から水蒸気が噴出しているのが観測されました。

 

NASAから3月6日、探査機ドーンがケレスの周回軌道に入ったとの発表がありました。

それより前から、ドーンは準惑星ケレスの表面の画像を送ってきており、NASAはこれらの画像をつなぎ、動画で公開しています。

 

自転する準惑星ケレス(提供:NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA )

 

ケレスの表面をおおうクレーターの一つに、明るい点が2つ見えます。これは何でしょう?

NASAの観測者の間でも「信じがたい」と、ミステリーになっています。

 

単なる太陽光の反射ではなく、影の部分に入っても明るく輝くというのは、この部分が「発光」していることを示しているのでは。

光を出すものって、ひょっとして火山? でも氷が覆っているとされる天体で火山なんかあり得るのでしょうか。

何となく人工光に見えます。それも、宇宙から見えるほどの、とてつもない大光量。

 

もしやUFO の秘密基地? 

素人としてはすぐそんな想像にかられますが… まさかね。

 

探査機ドーンは今後、少しずつ高度を下げながら、1年4か月間にわたってケレスを観測するとのこと。詳細な観測結果が待たれます。

 

7月のニューホライズンズ冥王星到着も見ものですよ。

人類が始めて見る、冥界の王「プルートー」の素顔とは!

楽しみですね。

 

どっちにしても、地上からはどんな望遠鏡をもってしても見えないのが残念です…

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関連記事

 ・『NASAの探査機「ドーン」、準惑星セレスの周回軌道に』(朝日新聞)

 ・『探査機「ドーン」、準惑星セレスに接近中 表面を撮影へ』(朝日新聞)

 ・『準惑星ケレスの表面に謎の光』(AstroArts)

 ・『準惑星ケレスで水蒸気を検出、小惑星帯で初』(AstroArts)

 


皆既月食 撮れた!

2014年10月08日 | 宇宙

2014年10月8日の皆既月食、事前の情報では午後8時前後が見ごろとか。ゆったり構えていましたが、午後6時過ぎごろから月が欠け始めました。

どんどん月が欠けていきます。

エッ! 外出先からあわてて帰り、ベランダで三脚を構えたころには、それまで満月だった月がかなり欠けていました。

 

午後7時10分ごろ。満月が下から欠けて三日月に。

 

午後7時25分ごろ。明るい部分がほとんどなくなりました。

 

月食が早まったのかと思いましたが、そうではありません(あり得ません)。

これからほとんど同じような状態が続き…

 

月食の最大期とされる午後7時55分ごろ。

 

このような皆既月食(ちょっと左上が明るいんですけど… この理由を解説してほしい)の状態が、この前後約1時間続きました。

 

あまりにも変化がなさすぎるので、このあと撮影を切り上げ、ビールをあおってしまいました。(出てきた近所の人も、そのうち家に入ってしまいました… )

 

でも、改めて画像を見てみると、月食は荘厳です。

 

2番目の写真など、スタンリー・キューブリック「2001年宇宙の旅」の音楽が聞こえてきそうな…

 

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撮影カメラ・レンズ

    キヤノンEOS 6D

       EF70-300mm F4-5.6L IS USM

    (元画像を大幅にトリミング。その他の画像補正なし)

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10/9 追記

・皆既中の月の明暗

皆既月食の月の上方(やや左)が明るく、反対側が暗かった理由は、月が地球の本影の中心より北側(上側)を通過したためです。次のサイトで詳しく解説されています。

皆既中の月をよく見ると、本影の中心に近い側は暗くなり、反対側は明るくなります。』(つるちゃんのプラネタリウム

 

・追加写真

国立天文台のサイトによると、皆既月食の間に天王星も見えるとありました。

撮った写真を拡大して見てみると、確かにいくつかの星が写っています(上記の写真より明るく補正)。

午後7時53分ごろの皆既月食。右側に星が2つ写っています。明るい上の方の星が天王星でしょうか…

太陽系の遥かかなたの惑星が見えるなんて、神秘的ですね。

 

ついでに、もうひとつオマケの写真。

上と同じ、午後7時53分ごろの皆既月食。左下の2本の線は夜間飛行の光跡。右上から飛んできて月の前を通過して行きました。(キヤノンEOS 6D  EF70-300mm F4-5.6L IS USM   シャッター速度1/4秒、絞りF5.6、ISO感度1600)

超望遠レンズなら、月を横切る機影を捕えられたかもしれません(惜しかったな~)。

 

参考までに、月と天王星の位置関係は次の通りでした。

皆既月食と天王星(提供 国立天文台)。

 


10月8日は皆既月食

2014年10月07日 | 宇宙

明日2014年10月8日は皆既月食です(国立天文台のページ)。

 

こんなふうに明日起きる天文現象が事前に予言できることが、今でも不思議でなりません。

え? でもひょっとして、皆既月食が起きなかったら… どうなんでしょう?

 

ワァーッ! 天変地異 !?

 

古代人と何も変わらない、こんなアホなホモサピエンスの不安を支えてくれるのが天文学。

天体の動きには寸分の狂いもないです。月の出、夕陽、日食、金星の太陽面通過など、いろいろな撮影で痛感しました。

もうちょっと、天文学(地学)をしっかり勉強していたら、撮影の役に立ったのに、と思います。

映画「月はどっちに出ている」じゃないですが、月が出て初めて自分の撮影ポイントが間違っていた、なんてことがよくありましたから。

 

それはともかく、月食撮影について。

方向は東、時間も午後8時前後で、とても撮りやすいはず。

雲がかかる地方もあるかもしれませんが、撮れる地域は広いとの予報です。

 

地球の陰になった時、地球の大気を通して回り込んだ赤色系波長の光が月に当たり、「赤い月」となります。以前、撮影した時は不気味な血のような色でゾッとしました。

優美な秋の月ではないです。それでも赤い月を撮ってみます?


アイソン彗星生き残った!

2013年11月30日 | 宇宙

11月29日、太陽に最接近したアイソン彗星。12月初めには夜明け前の東の空に現れるというので、撮影しようかと思っていました。ところが、最接近のさいにバラバラになって蒸発したというニュース。がっかりでしたね。

ただ、SOHO(太陽観測衛星)がとらえた彗星の映像を見ていておかしいなと思っていました。

下の写真は、SOHO LASCO C3 Latest Image という最新画像を見られるページで、29日の最接近直後に見たもの。

(Image Credit: NASA/SDO/ESA/SOHO/GSFC)

中央の白い円が太陽の位置。見えない円盤部分は強烈な光をさえぎるための遮蔽板です。

アイソン彗星は右下の方向から太陽に接近、太陽の左側をかすめて行きました。そして蒸発?

しかし、左上に三角形をした彗星らしきものがありますよね。

 

もう少し時間がたった映像にも…

(Image Credit: NASA/SDO/ESA/SOHO/GSFC)

はっきり写っています。

 

そして今日見た映像。

(Image Credit: NASA/SDO/ESA/SOHO/GSFC)

尾を広げて、太陽から遠ざかるもの。

これは生き残ったアイソン彗星ではないでしょうか。

 

これを裏付けるニュースがいろいろ出ています。

その一つ、アイソン彗星、生き延びた?(CNN.co.jp )によると、

『太陽への接近で消滅した可能性もあるとみられていた「アイソン彗星(すいせい)」について、米海軍研究試験所の研究者は28日、彗星の核の少なくとも一部が残っているとの見方を示した。研究者のカール・バッタムズ氏は、アイソン彗星の核の一部が近日点を無事乗り越えたと思われると発言。「核の一部は太陽コロナを通過し、再び姿を現したようだ。ちりとガスをまき散らしているが、これがいつまで続くかはわからない」と語った。』

と書かれています。

読売新聞も、アイソン彗星「生き延びたかも」…白く輝き飛ぶ(YOMIURI ONLINE)で次のように報道。

『【ワシントン=中島達雄】太陽に最接近した際に蒸発したとみられていたアイソン彗星について、米航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)は29日、「彗星本体の核が、部分的に残っている可能性がある」と発表した。』

SOHOのサイトに掲載されている動画を見ると、さらに良くわかります。

 アイソン彗星は太陽の高熱に耐えて一部だけが残り、宇宙を飛び続けているのでしょう。12月初めの夜明け前、望遠鏡を使えばその姿を捕らえられるかもしれません。

 

 「蒸発」の各種ニュースでは、ギリシャ神話のイカロスにもたとえられたアイソン彗星。ちょっとばかり、たとえ話が早すぎたようです。

 

 注) SOHOは、欧州宇宙機関(ESA) とアメリカ航空宇宙局(NASA) が開発した、太陽観測衛星。LASCO C2、LASCO C3 という視野角の異なる2つのカメラで太陽を常時観測しています。

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関連サイト

 SOHO

 NASA

  ESA

 AstroArts


パンスターズ彗星

2013年03月05日 | 宇宙

「パンスターズ彗星」が太陽に近づいていて、肉眼でも見えるかもしれないといわれています。

放物線の軌道のため、今後二度と太陽に近づくことはないのだそうです。そういわれると、見てみたいですね。

太陽に最も近づくのは(近日点)、3月10日。日没時、西の地平線近くに出現。そして、この1日で彗星が消えてしまうわけではなくて、しばらくは毎日西の空に見えるので、見える確率はかなりあるのでは… 何とかカメラに収めたいな思っているところです。

去年の宇宙イベントでは運が良くて、金環日食も、金星の太陽面通過も撮ることができました。

今回、彗星を写すことができればうれしいですね。

国立天文台のページや日本天文協議会の「パンスターズ彗星を見つけよう」キャンペーンのページが参考になります(下は国立天文台の動画)。

 

ビュースポットとして良いのは、西の地平線に障害物がないこと、市街地などの明かりがないこと。

海はどうかな、と思ったのですが、案外海は霞がかかったりして良くないかも。

やはり高台の、人口光がないところが良さそうです。

 

各地で観察会が予定されていて、たとえば東京・六本木ヒルズでは、3月10日(日)から3月31日(日)の期間、「パンスターズ彗星と春の星空 観察会」が開催されます。

六本木ヒルズは良いですね。西の方は低い山(はるか遠くに富士山)があるだけで、あまり市街地のネオンも強くなく、パーンと見渡せて、天気さえよければ最高じゃないでしょうか。

それを含めて、3/10以降、こんなにイベントが目白押し(PAO Naviより)。


•2013.03.10 広島市こども文化科学館 - 星空投影「2013年は彗星に注目!!」
•2013.03.10 六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー - パンスターズ彗星と春の星空 観察会
•2013.03.10  愛媛県総合科学博物館 - 「すいせい」ってなんだ?!
•2013.03.10  県立ぐんま天文台 - 講演「パンスターズ彗星を見よう」
•2013.03.12  せんだい宇宙館 - 「パンスターズ彗星(すいせい)」を観察しよう
•2013.03.15  平塚市博物館 - 星を見る会「月と木星を見よう」
•2013.03.15  なよろ市立天文台 きたすばる - パンスターズ彗星観望会
•2013.03.15  酒田市眺海の森天体観測館「コスモス童夢」 - パンスターズ彗星を見よう!!
•2013.03.16  うすだスタードーム - パンスターズ彗星観望会
•2013.03.16  神戸市立青少年科学館 - パンスターズ彗星観望会
•2013.03.16  はまぎん こども宇宙科学館 - パンスターズ彗星観察会
•2013.03.16  ライフパーク倉敷科学センター - 特別天体観望会「見えるか!?パンスターズ彗星」
•2013.03.17  県立ぐんま天文台 - 講演「パンスターズ彗星を見よう」
•2013.03.20  大崎生涯学習センター(パレットおおさき) - 初歩の天文学「パンスターズ彗星を見よう」
•2013.03.21  上富良野西小学校 - 天体観望会
•2013.03.30  なかのZERO(もみじ山文化センター) - 大人のための天文教室「大彗星がやってくる」
•2013.04.06  なよろ市立天文台 きたすばる - パンスターズ彗星観望会

 

ただ残念なことに、 いまのところ、予想されたより明るくなっていないので、ひょっとしたら肉眼では無理かもしれないとのこと。

そして、デジタルカメラの場合、どのぐらいの望遠が必要なのでしょうか。300mmではだめかな?

たぶん1000mmなら、そこそこの絵は撮れる感じはしますが… 

そんなレンズ持っていないし…

そうだ! 発売前のニコンD7100を借りて、300mmレンズに2倍テレコン付けて、対DX1.3×クロップすれば1200mmになる!

 

早くD7100発売してくれ!  というのは、まあ冗談ですけど…

天体写真をメーンにしている人は、すでに機材を準備して撮影に備えているのでしょう。

 

SOHO画像も楽しみ

さて、この彗星もいずれSOHO(太陽・太陽圏観測衛星)の画像にはっきり現れると思います。

SOHOは、欧州宇宙機関 (ESA) と、アメリカ航空宇宙局 (NASA) で開発された太陽探査機。地球と太陽の間に静止しながら、太陽フレアの観測や、太陽に接近したおびただしい彗星を記録してきました。

 

 余談ですが、絶えず公開されているこのSOHOの画像に、あの手塚治虫の「火の鳥」が写っている! というので話題になったことがあります(2013年2月20日、写真はNASA提供)。

 

太陽(中央の円)に向かって、鳥が飛んでいる!

火の中に身を投じて再生するという… フェニックス・火の鳥は本当だったんだ! 

 

と思う人の夢を壊して申し訳ありませんが…

(壊したくない、すばらしいロマンですよね。)

しかし、これは彗星のようです。

 

 下は別の時期にSOHOが写した、よく似た映像のムービーです(NASA提供)。

 

 太陽の引力に引かれて飛んでいく(吸い込まれていく?)2つの彗星。その一つに“翼”のようなものがありますね。まるで鳥のように。

しかしどうもこれは、彗星がそのような形になるのではなくて、画像の“にじみ”のようなものではないかと思われます。

もう一つ、別のムービー。

 これは「ニート彗星」だそうですが、やはり翼というか両手を広げて飛んでいるように見えます。ただ。“翼”の向きは、彗星の運動方向の変化にかかわらず常に水平で、最後は消えてしまいます。変ですよね。

デジタルカメラのCCDイメージセンサーで起こることですが、強い光を受けると、イメージセンサーの隣の部分に光線がにじむ「スミア」と呼ばれる現象があります。これもそういったたぐいのものではないかなと思っています。

 

 SOHOのLatest Imageのコーナーをチェックしていると、太陽と周辺の「最新の映像」を見ることができます。パンスターズ彗星もたぶん登場することでしょう。ひょっとすると火の鳥に姿を変えて… ? (訂正あり)

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(訂正)3/7

パンスターズ彗星の軌道は、近日点でも太陽から約0.30天文単位(4500万キロメートル)も離れているので、SOHOの画像には写らないようです。


ロシアの隕石落下映像

2013年02月16日 | 宇宙

ロシア・ウラル地方のチェリャビンスク州付近に15日朝、隕石が落下・爆発。衝撃波で建物のガラスが割れるなどして約1200人がけがをしたというニュース。

YouTubeで落下の様子を撮影した動画を見ました。すごいですね。

 

 

何もない空に突然白いものが現れ、まぶしい閃光(爆発の瞬間でしょうか)を放ったあと、飛行機雲のような長大な煙(?)の弧が大空に残りました。

こんなすごい宇宙からの落下の映像を見るのは初めて。それもライブで。

爆発音と窓ガラスが割れる瞬間を記録した動画もありました。

 隕石の航跡の“雲”の映像にかなり遅れて爆発音がするのは、衝撃波が地上に届くまで時間がかかるためでしょうね。こうやって窓から空を眺めていて、いきなりガラスが割れたら、たまりませんね。けがをする人が大勢出たのもわかります。

この隕石の大きさについて、米航空宇宙局(NASA)は直径17メートル、質量1万トンだったと推定しています(朝日新聞など)。

1908年にシベリアで起きた「ツングースカ大爆発」以降で最大だそうです。「ツングースカ大爆発」は樹木が放射状になぎ倒されている写真が有名ですね。今回のように動画があるわけではなく、最初は何が起こったのかわからなかったようです。

 

ところでYouTubeをにぎわしている車載カメラからの映像。こんなに数多く落下の瞬間がとらえられた背景について、解説した記事がありました。

TechCrunchの『隕石落下のビデオがYouTubeにあふれた理由はロシアの独特の“車事情”から』

『ロシアでは、車のダッシュボードにビデオカメラを据え付けている人が多い。それは、証拠画像を録画しておいて、事故のときに自分の立場を守るため、あるいは悪徳警官に交通違反の罰金(と称するワイロ)を取られるのを防ぐためだ。』

ということなんだそうです。

もっと詳しく書かれているのでぜひ読んでみてください。ロシア社会の裏面を見るようで面白いです。