フォト&クラフト工房Gorou's (写真、カメラ、万年筆、腕時計、etc.)

写真、特に沖縄の・・・ カメラ、万年筆、腕時計など蒐集、修理復活などなど・・・写真と物の世界に嵌っています。

手巻き懐中時計の修理(3)

2016-10-14 00:10:00 | 腕時計

手巻き懐中時計の修理その3 未完了

 懐中時計、修理完了してません!
 切れたゼンマイを差し込もうとしていて、結局香箱から外してしまいました。

 腕時計に比べると、幅があってかなり強く焼きが入っています。
 香箱から外した状態で、切れたゼンマイを組み込んでも、改めて香箱に収める時に又外れてしまうと思うので、結局また香箱に収めることにしました。
 ゼンマイを巻き上げて香箱に収めるための器具があるのですが、持っていないので手で巻き上げて入れ込みます。

 

 

 結局切れたゼンマイは1箇所しかはめ込めず、でも苦労しました。とりあえずその状態で、ゼンマイの巻き上げに注意して使ってみることにします。また外れないよう、軸を入れて蓋を戻しておきます。

 続いて軸に折れたネジの先が残っているので、これを取り出します。というかドライバで回しても抜けないので、削り取ることにします。

 

  ネジの径は1.0mm程なので、まずマイクログラインダーに0.8mm径のドリルを着けて、残っているネジを削ります。焼が入っているので、なかなか削れません。

 

 少し窪みができたら0.6mm径のハンドドリルで削ります。これを交互に繰り返して、折れてしまったネジの先を削り出します。
 しかし・・・これがなかなか取り出せなくて。

 ほとんど削れなくて、もう3日やってます。でも、取れません!
 今日は、ここまで。何か他の方針を考えた方が、良いかも・・・

 

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テクノス・クォーツ

2016-10-12 00:10:00 | 腕時計

テクノス(SWISS MADE)のクォーツ、スクエアーです

 電池が入っていませんでした。電池収納スペースと電池を止めるプレートの形状から、たぶんSR714位です。

  SR7XXの電池は在庫がないので、少し小さいですがSR621をセットしてみました。とりあえず収まって、しっかり動き出しました。

 

 

 裏蓋はケース状で上下にバネのクリップがあって、これでフレームの溝にひっかけて取り付けられています。
 こじ開け器を裏蓋とフレームの隙間に縦に押し込んで、クリップを蓋側に押し込んで外します。たまに見かける裏蓋を止める方式です。

 

 

 

 文字盤に汚れがあったのでクリーニングしようと開けて見たら、薄い透明の幕が貼り付けてあって、金属の文字盤と幕の間に汚れがありました。幕は水分で伸びてしまってシワができて、文字盤から浮き上がっています。
 汚れを取ろうと思ったら、幕が剥がれて破れてしまいました。”TECHNOS"の文字は、この膜に印刷されたものなので、一部剥がれてなくなってしまいました。
 非常に小さな文字なので、金属の文字盤に直接ペイントするよりは、文字を印刷した幕を貼り付ける方が処理としては簡単なのでしょう。そういう事なんだ・・・

 

 正午マーク付近の汚れが取れていないので、改めてクリーニングしました。プリントされている文字が取れないよう、浮き上がった幕も剥がしました。
 時針の進み具合が遅れ気味で、たぶん文字盤に接しているのか、しっかりはめ込まれていないようなので、時針、分針共一旦外してから着け直しました。

 

 

 リュウズには、きれいなブルーのオニキスがはめ込まれています。よく見ると金色のメッキがこすれて薄く剥がれてきています。
 しかし、金色とブルーは合いますね。

 

 文字盤は、きれいになりました。フレームも金みがきクロスで磨いたら、多少はキレイになりました。文字盤の透明幕のシワも、遠目にはシェルのようにも見えます・・・?

 ブルーのオニキスがワンポイントで効いていて、なかなかオシャレな時計です。
 テクノス(TECHNOS)は、今では高級ブランドではありませんが、戦後間もない頃はスイスの輸入高級時計として持てはやされました。この時計はクォーツで、しかもセイコーの音叉型にカットされた水晶振動
子が使われているので、比較的新しいものです。

 

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オメガ・デビル(クォーツ)ジャンク・スクエアー

2016-10-10 09:16:57 | 腕時計

オメガ・デビル(クォーツ)ジャンク・スクエアー

 オメガ・デビル(クォーツ)ジャンク・スクエアーです。電池切れです。

 私の好きなスクエアーのオメガデヴィルです。文字盤が腐食して、塗装が浮き上がっています。

 

 左側が電池で、Ω型の孔が開いた金メッキのプレートで押さえられています。電池はSR621SWです。文字盤の裏も、錆が出ています。でもムーブメントは、全く腐食はなくて、完璧な状態です。
 電池を入れ替えたら、しっかり動き出しました。

 

 裏蓋がケースになっていて、ムーブメントを収めるようになっています。
 縁に汚れが入り込んでいて、長く使われていとことがうかがえます。

 これは、後でリグロインで洗浄し、傷がつかないよう楊枝でこびりついた汚れを削り落とすことにします。汚れがついたままだと密閉性が確保されず、汗など水分が浸透してしまいます。

 

 

 文字盤の全面に地の腐食が浮き上がっていて、点々と塗装の剥離が出ています。部分的に表面の塗装を突き破って、文字盤にまだらに曇りが出ています。
 塗装の面的な剥離はないので、再塗装する必要はないかもしれません。

 

 

 

 文字盤の曇りを、タミヤの仕上げのコンパウンドで磨いてみることにします。

 

  文字盤のマダラ模様に腐食した箇所が、きれいになりました。表面の曇った部分だけが拭き取れて、元の地の塗装面と全く同じ状態になっています。
 この”仕上げ目”のコンパウンドは、艶消しの塗装面を、つやのある光沢面に仕上げてくれます。ローマ数字の箇所を磨いても、文字は消えません。極薄い表面だけを拭き取っているようです。

 

 

 バックルも、オメガのオリジナルです。ベルトは黒のトカゲ革ですが、これもオリジナルのままのようです。
 バックルは地のメタルまで腐食が進んでいましたが、リグロインで磨きます。ピカピカにはなりませんが、それなりの風合いが出て、これはこれで好い感じです。

 

 

 なかなか雰囲気良く、仕上がりました。文字盤の点々とした腐食の浮き上がりも、ちょっと離れて見れば、あまり気になりません。
 小型で薄く、ベルトの幅からみてレディースではなくユニセックスタイプだと思います。

 やはりオメガは、よい時計です。高級感と、どこか気品が漂います。

 

-追伸-
 ベルトが、特に裏側がボロボロだったので、張り替えました。

  表側は比較的きれいで、薄いトカゲ革が貼ってあります。裏に貼ってある革、たぶん牛革、がボロボロでした。間にクッションの繊維が重ねられていましたが、これも浮き上がっていたので少し剥がして新たに牛革を貼り付けます。

 

 

 コニシのボンド、「ウルトラ多用途ソフト」を使いました。ソフトは、乾いても硬化せず軟らかいので、ベルトを腕につける時に曲げることができます。

 きれいに貼れました。

 

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手巻き懐中時計の修理(2)

2016-10-07 00:10:00 | 腕時計

手巻き懐中時計の修理その2

 切れたゼンマイを繋げます。

 切れたゼンマイの両端に、マイクログラインダーでそれぞれ2つ溝を作ります。

 これを互い違いに組み込みます。

 一つの溝しか入っていません。互い違いにはめ込みたいのですが、上手くいきません。無理に入れるとゼンマイが折れてしまいますので、慎重に作業します。
 一つだけでは、ゼンマイを巻き上げた時にテンションが掛かって、切れてしまうでしょう。それぞれ二つの溝に互い違いに、はめ込まないとなりません。
 ゼンマイを取り出してはめ込んだ方が上手くいくのですが、巻き込まれたゼンマイを取り出すと、戻すのが厄介なので、何とかこの状態で繋ぐことにします。

 

 文字盤の剥がれたカケラを、貼り直します。

 白いパテの様なものが埋め込まれていました。ホウロウ用の補修材がありますので、それを使っても好いかもしれません。

 

 液の瞬間接着剤を使うことにしました。風防の接着などに使うと、曇りが出てしまうので注意が必要です。先に接着剤を接着面に着けてからカケラを載せると、ズレて瞬間的に接着されてしまうことがあるので。始めにカケラをはめ込んでから、ひび割れの隙間からビニールのノズルを使って液を一滴たらします。一滴で十分です。風防は、接着剤が蒸発してから取り付けます。

 

  唐突に"CUTTY SARK STORM"です。イエローラベルのカティーサークは色が薄い(薄い黄色っぽいアイボリー)のに非常に辛口ですが、このストームは色はイエローラベルと比べるとやや濃い目ですが、口当たりはソフトでとても飲みやすいです。(飲みやすい・・・というのも、ある意味困ったものですが。)

 大した作業もしていないのに、今日も夜遅くなってきて疲れたし(疲れるようなことはしていないけど)・・・スコッチウィスキーのロックを飲んで、寝ることにします。

 次回の報告では修復なった懐中時計”Schmid”を、お見せすることができると思います。

 

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手巻き懐中時計の修理(1)

2016-10-05 00:10:00 | 腕時計

ゼンマイ切れの懐中時計修理(1)

 不動の手巻き懐中時計です。文字盤が割れて、剥がれています。

 

 時針、分針は真鍮製でピカピカです。後から付け替えたのかもしれません。文字盤の10時の箇所のホウロウが、割れて大きく欠落しています。よく見ると、パテの様なものを埋め込んで補修してあります。”Schmid Watch”と書かれています。SWISS MADE とは、どこにも書かれていません。イギリスかドイツでは・・・よく判りません。
 調べてみると、今でも会社は存続しています。電子部品なども含めて、精密機械を製造販売しているようです。

 

 3時の箇所も縁が欠けています。風防の中に白い小さなカケラがあったので、それを載せてみるとピッタリはまりました。接着剤でとめることにします。
 4時の箇所も丸くひび割れていますが、接着剤で補修した跡があります。ヒビからはみ出している接着剤の色から、G17系のボンドのようです。ニカワではないようなので、せいぜい40~50年位前の修理かもしれません。ということは、時計自体はさらに50年以上前に作られたものかもしれません。
 70年以上前、戦前の時計には、接着剤としてニカワが使われていました。修理の時、文字盤や腕時計のベルトなどを剥がすと、ニカワが使われているのが判ります。

 

 かなり古い物のようで錆びが出ていますが、ムーブメントは比較的きれいな状態です。
 しかしオイルが固まっているようで、テンプはスムースには動きません。クリーナーで洗浄したら、少し改善されました。

 リュウズを巻いてもテンションがかかりません。ゼンマイが切れているようです。
 ネジを外して香箱を取り出し、中のゼンマイの状況を確認します。

 

 香箱をの上に載っている歯車を押さえているネジを外そうとしましたが、全く回りません。力を入れて回すと、緩まずに折れてしまいました。この箇所はゼンマイを巻く度に締めつけてしまうので、硬く締め上がっていて、なかなか緩める事が出来ません。しかも古い時計なのでネジが錆ついていたようです。

 

 

 受板を外して、香箱を取り出します。
 受板は裏側からは外せなくて、まず表の風防のベゼルを外し、ムーブメントをケースから取り出して外しました。材質は少し薄くてペラペラで、あまり良いもではありません。

 

 香箱の蓋を開けてみると、やはりゼンマイが軸の近くで切れていました。ゼンマイは、巻き軸の近くで切れていることが多いです。交換部品を探すのは難しいので、切れたゼンマイを繋げることにします。
 切れたゼンマイの両端にマイクログラインダーで、それぞれ溝を2箇所作って互い違いに差し込みます。強度は落ちてしまいますが、扱いさえ注意すれば何とか使える状態になると思います。

 ゼンマイの幅は、1.5mm位です。溝をつける円盤状のダイヤモンドヤスリの幅は、0.6mmです。これで縦に、0.8mm程の深さの溝を作ります。深すぎるとゼンマイを巻いてテンションがかかった時に、切れてしまいますので削り過ぎないよう注意します。

 さ~てと、もう夜も遅く眠くなってきたので、今日はここまで・・・とします。細かい作業なので、集中できないと、失敗します。

 近頃の、ほとんど仕事が無い時計修理屋さん状態の毎日です。クォーツ時計は修理ではなく電池交換ですし、しかも安価なものが多いので電池が切れてもそのまま使い捨てにされるものが多いようです。
 フィルムカメラの需要もほとんどありませんし、そちらの仕事も近頃は全くありません。営業していないからではなく、そもそも修理の需要がないのですね。

 

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