一方、軍事ジャーナリストは、こんな指摘である。
敵基地攻撃能力を軍事的に見て「周回遅れ」だ!
日本には、相手国が攻撃に着手したと判断する手段がない。
中国や北朝鮮との間にホットラインを敷いていない。
だから、アメリカの情報に頼らざるを得ない。
加えて、日本が2025年の配備に向けて開発を進めているのは巡航ミサイル。
100km以上を飛ぶには、1時間はかかる。
一方、日本に飛んで来るのは、北朝鮮も含めて弾道ミサイル。
つまりロケットである。
最長10分で美しい国のどこにでも、命中させる能力を持っている。
これでは抑止力にならない。
そもそもなぜ今、軍備増強に走る必要があるのだろうか?
「厳しく複雑な安全保障環境」を理由に挙げるが、説明不足は否めない。
ウクライナ戦争が、きっかけになったことは間違いない。
以来、ロシアがウクライナに侵攻したように、中国が台湾海峡に攻め込むのではないか。
そんな台湾海峡危機が喧伝され、自民党内で大々的に言われるようになった。
現に、ウクライナ戦争の勃発直後の昨年2月。
晋三元首相は、こう強調した。
台湾海峡危機は、日米同盟の危機であり日本有事である!
こうした考えは安保3文書にも色濃く表れているそうな。
中国脅威論という立場に立ち、中国に対抗するために防衛費を増やし・・・。
抑止力を高めるという発想。
識者も軍事ジャーナリストも、中国が台湾や日本に侵攻するのか、疑問を呈する。
現状で中国が台湾を武力で侵略する可能性は極めて低いと分析。
起こりえないと思うとする。
台湾のような島を武力制圧するのは、軍事作戦的に極めて難しい。
それよりも中国の傾向から見て、ジワジワと圧力を加えながら・・・。
時間をかけて民心を掌握していく方法を採るだろう。
外交で対応すべきことを軍事力で対抗する。
これじゃ、かえって脅威が煽られて軍事的緊張を高めることになりかねないなぁ。
平和国家を謳う美しい国は、どこへ向かうんでしょうかねぇ?