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かんな川水辺の楽校 カワラバッタに黄信号

2012年09月15日 21時49分14秒 | 自然観察
今日は、藤岡市を流れる神流川にある「かんな川水辺の楽校」へ。定期的に開催されている水辺の楽校の運営協議会です。

最近ちょっと心配なことが・・・。
かんな川水辺の楽校では、全国的に生息域・生息数が減っているカワラバッタが比較的多く生息していたのですが、今年は確認される数が激減しています。

カワラバッタ


なぜ、この場所のカワラバッタが減ってしまったのか?
第一に考えられるのは、今年5月に起こった、利根川・江戸川から取水している浄水場で、ホルムアルデヒドが検出された事件です。このとき、河川中の汚染物質の濃度を下げるため、利根川水系の各ダムは緊急に大量の水を放水しました。
水辺の楽校の上流にある下久保ダムも、5月19日の未明から朝にかけて、毎秒200トンの放水を実施。この影響で、かんな川水辺の楽校付近でも川の水位が急激に上昇しました。
このため、カワラバッタが生息していた河原も水没し、まだ移動能力の弱い幼虫だったカワラバッタの多くが流されてしまったのではないかと推測されます。



藤岡市鬼石町浄法寺における神流川の水位観測データ

 ↓
5月18日~20日の部分を拡大

川の水位が一気に1m以上、上昇しています

カワラバッタは、石がゴロゴロして、植物がまばらにしか生えていない礫河原を好む昆虫です。彼らの好む生息環境が維持されるためには、ほど良い出水が必要ですが、今回のホルムアルデヒド騒ぎに絡むダム放水は、時期が悪かった。通常であれば水量が安定している時期に人為的に引き起こされた突然の出水は、カワラバッタにとっては想定外の出来事だったのです。

さらに、水辺の楽校でも河原を植物が覆ってきて、カワラバッタが好む礫河原が少なくなってきました。


ここに生息するカワラバッタの将来が心配です・・・。



かんな川水辺の楽校で見られた昆虫たちから
ミヤマアカネ




マユタテアカネ






トンボの翅の網目模様(翅脈)は美しいですね。トンボの翅の構造を研究すれば、薄くて軽くて丈夫な素材が出来そうだと思いますが、きっと既に研究されているでしょうね。


ショウジョウトンボ


アジアイトトンボ


キタテハ


ヤマトシジミ

ヤマトシジミの幼虫の食草は、どこにでも生えている“雑草”のカタバミです。

ダイミョウセセリ


トノサマバッタ


ハラビロカマキリ



左の複眼が黒くなっているけど、生活には特に支障はないのでしょう。

ブチヒゲカメムシ




かんな川水辺の楽校 生き物図鑑



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