読みたくて予約までして図書館から借りた本は
「あちらにいる鬼」
作者は井上荒野。
井上光晴の娘さんが書いた最近話題の小説だ。
瀬戸内寂聴さんが、お亡くなくなりになってから、俄然、人気が沸いてきたらしい。
⦅『あちらにいる鬼』内容紹介
一九六六年、講演旅行をきっかけに男女の仲となる二人の作家、白木篤郎と長内みはる。繰り返される情事に気づきながらも心を乱さない篤郎の美しい妻、笙子。みはると笙子、二人の愛と〈書くこと〉に貫かれた人間たちの生を描ききった傑作。至高の情愛に終わりはあるのか?
一九六六年、講演旅行をきっかけに男女の仲となる二人の作家、白木篤郎と長内みはる。繰り返される情事に気づきながらも心を乱さない篤郎の美しい妻、笙子。みはると笙子、二人の愛と〈書くこと〉に貫かれた人間たちの生を描ききった傑作。至高の情愛に終わりはあるのか?
【映画化決定!】瀬戸内寂聴「作者の父井上光晴と、私の不倫が始まった時、作者は五歳だった」――井上荒野による衝撃の問題作、『あちらにいる鬼』がついに文庫化!
株式会社朝日新聞出版2021年11月5日 10時59分
父で小説家の井上光晴と瀬戸内寂聴の不倫関係、そしてそれを静かに見守った母をモデルに、逃れようもなく交じり合う三人の〈特別な関係〉を、長女である著者・井上荒野が描ききった話題作『あちらにいる鬼』が、2021年11月5日(金)についに文庫版で発売となります。朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、日経新聞、週刊現代、週刊朝日、女性自身、週刊ポストほか各紙誌で大反響!さらに映画化も決定。話題沸騰間違いなしの問題作です。⦆
出版会社もこの時とばかり大々的に宣伝をやっている。
図書館で予約をして読む私なんぞは、読者の内にははいらないのかもな。
さて読み進むうちに、瀬戸内はるみと井上光晴の最初の出会いの項から。
1966年頃の始まりの章。
最初の項には、 徳島の自然や風景が出てき、作家の取材能力には目をみはる。
私が聞きに行った講演の時の 沖縄の紅型の着物。
ちょうど時期を同じくしたり。
そこに出てくる日本の伝統工芸の、人形作家の話。
木偶の頭を作る人形師は「坂東巳之助翁」に間違いない。
それが最近抽斗の中から出てきた藍染の壁掛けの作者、坂東巳之助さんだ。
懐かしくて壁に掛けたのが10日ほど前。
こんな時を違えぬ偶然があるのかと、❓たまたま読み始めた本に彼の事が書かれているのだ。
現在は、パソコンの前の壁にかけている藍染。
彼が生地に書いた翁面の横に八十寿の文字を染め抜いた珍しい物だ。
40年も前になるだろうか?
徳島で活躍をしている文化人に配られた一枚だと思う。
俳句の師だった(斎藤梅子氏)から私はいただいた。
それ以来、大切にし、飾ったり仕舞ったりしていた。
まあぼちぼちと子宮作家と言われていた頃の寂聴さんを彷彿とさせる物語の進行だ。
ま、そんなこと、こんな事、手芸に飽きれば本を読む。
師走で気ばかりあせっていながら、世話になった方にお歳暮を届け、一つだけ仕事を果たした。そんな昨今。
❄ 仮の世の修羅書きすすむ霜夜かな
❄ ペン置けば深夜の身ほとり冴え返る
❄ ペン置けば深夜の身ほとり冴え返る
小説も書ける。俳句も詠める。
女傑でした。
徳島の誇りでした。