大阪水曜ほっと集談会一世です。
二十代の頃、美術館で東山魁夷画伯の「白い朝」という作品を鑑賞したことがある。
描かれているのは、降り積もる雪景色に背中を向けた一羽のキジ鳥のみである。
当時の孤独な私の心を投影しているようで妙に切なく心に残った。
今は大切な髪の毛が抜けるたびに切なくなる私です。(笑)
あれから四十年本当に私らしく生きることが出来たのだろうか、答えに窮する日々です。
集談会の先輩会員が森田療法の神髄は、私が私になっていくこと、あくまでも私として生きること、と言われたことがある。
私は深く共感させていただいた。
神経質でいいじゃないか。
ふとこんな言葉が口から出た。
良いも、悪いもない、ひとは皆生まれ持って何かを背負っている。
集談会で体験発表を聴いていていつも思うことがある。
世界には神話があり日本には民話があるように、人にはその人にしか描けない物語があるのではないか。
それがどれほど尊いか!
私もそろそろ、自分だけの物語を紡ぎたい。
還暦を前に、すべてをフラットにして世間的に良いとされる借り物の生き方や価値観から自由になりたいと思う私です。
2021・11・13 一世